３．おうちをきいてもわからない
「マンカスおにいちゃーん！！」
元気な声に、マンカストラップは振り返った。いつもの集会所に、仔猫たちが集まってくる。彼はタイヤの上から転がる毛玉のような子どもたちを出迎えた。
「みんな、元気だなぁ。今日も一緒に遊ぼうな」
「うんっ！！」
「遊ぶの遊ぶのー」
「ね、きいてきいて！ 今日ぼくねー」
「あー、あたしの話が先だもん！！」
本当に元気だ。まあ、子どもというのはこういうものである。
「はいはい、話は順番にな？ 喧嘩しなくてもみんなの話聴くから。ほら、じゃあアロンゾから…」
マンカストラップは子どもたちの輝く瞳を見渡して微笑んだ。実にいつも通りの日常が始まろうとしていた。
「お兄ちゃん！！ わあ、もうみんな集まってるねー」
ゴミ捨て場の入り口から新たな声がした。明るいブルーの瞳をした少年猫が、飛ぶように駆けてくる。
「あー、タンブル！」
「おはよー」
白地にうす茶色のぶち模様の入った毛皮の少年だ。にこにこ笑いながらみんなに挨拶する。
「タンブル、おはよう。弟は元気か？」
マンカストラップも微笑み返す。
「うんっ！！ 元気だよー、大きくなってきてね、すっごくかわいいんだよー！！ 最近お喋りもいっぱいするようになってきたの！」
「そう、よかったな」
「うんっ！！ 今度連れてくるねっ、お兄ちゃんに会うの楽しみにしてるし！」
「タンブルの弟可愛いのー？」
「あたしも抱っこしたいなー」
「可愛いよー、もうちょっと大きくなったら連れてくるから！ すっごく元気でね、ぽんぽん跳ぶの大好きなんだよ」
タンブルことタンブルブルータスは、つい半月ほど前に弟が生まれたばかりなのだ。それ以来、ジャンクヤードでの彼の話題は、弟がいかに可愛いかとか、弟が何を喋ったとか、弟が何を食べたとか、そういうことばかりである。兄バカ丸出しで、要するに溺愛しまくっているらしい。もう顔つきまで変わっている。
「楽しみだな。タンブルの弟なら元気で可愛くて良い子だろうね」
「うん、すごく良い子だよー」
「良いなーあたしも赤ちゃん見たいー」
「ぼくもタンブルの弟見てみたいなー」
その場の話題はごく自然にタンブルブルータスの弟のことに移っていた。要するにみんな、しゃべれりゃなんでもよかったのだが。
「マンカスがいてくれればいいけど……いなかったらどうしよう、町のみんなに訊いてまわるのすごく大変だよ…」
「いいよー、最悪もし見つからなかったらうちの子にするもん」
「ぱうんしゅきんぶるおにいちゃんのおとうとー？」
「そうだよー。町のみんなの弟だよー。パウン、お兄ちゃんいっぱいできちゃうよー」
「ぱうんおにいちゃんいっぱいー？」
「そう！！ あー、パウン可愛いー」
「マンカス…お願いだからいてね、こいつらぼくじゃ手に負えないよー」
ミストの祈りはとっても真剣だった。
「みんなきっと喜ぶよ、パウンみたいな可愛い弟みんな欲しいもん！ 誰が来てるかな、アロンゾにコリコにマンゴにランペルにボンバルお姉ちゃんやディミータお姉ちゃんもタンブルも…あ」
「あ…」
二人同時に気付いて、顔を見合わせる。
「タンブル…」
「言ってたよね、弟生まれたって」
「すっごくかわいいって…」
「この子の毛皮…似てるよね、タンブルに」
「顔はあんまり似てないけど…色は似てるよね」
タンブルブルータスはきりっとした顔立ちでなかなかの美少年だ。パウンのふわふわぷくぷくしたマシュマロのような顔とは似ていないが、色や模様はよく似ている。
「目の色も同じだし…そうなのかな」
「名前、なんて言ってたっけ…」
「確か……パウンシヴァル…って」
「パウン…」
ふたりして同時にパウンの顔を勢いよく振り返る。
「うにゅ？ おにいちゃんたちどうしたの？」
パウンが首をちょこんと傾げる。かわいい。ミストはその顔を見つめて訊いた。
「パウン…ひょっとして、パウンのお兄ちゃんの名前って、タンブルブルータスって言わない？」
「みゅ……ぱうんのおにーたんおにーたんなの」
「…ごめん。そうだったね…」
どうやらパウンは、兄の名前をきちんと呼んだことがないらしい。「おにーたん」としてしか認識していないのだろう。
「ぱうん、おにーたんだいすきなの。おにーたんすごくやさしいの。それでね、おにーたんなんでもできるの。じゃんぷすごくじょうずだしね、ぱうんになんでもおしえてくれるの！ すごいの！！」
おっきな目が細くなって、幸せそのもののような表情である。麗しい兄弟愛であった。
「あ…それは良いから。そうだ、あのね、パウンのお兄ちゃんって、どんな模様？ パウンに似てる？ひょっとして、全体白くてここのところが茶色くない？」
耳の辺りを指して訊く。
「にゃ！ そうだよぉ。おにーたんね、ぱうんともようそっくりなの。それでね、おめめのいろぱうんとおんなじなの！ いいでしょー」
「あ〜…やっぱりタンブルなんだ。いいなー、タンブルがパウンのお兄ちゃんなんだー」
「そっか、よかったよかった。これでおうち帰れるね、パウン」
「おにーたん……どこにいっちゃったのかにゃー…」
パウンは兄の話題になって、急に寂しくなったらしい。お目目がうるうると潤んでいる。
「おにーたんどこー」
「わわわ。急に泣かないでよパウン」
「ぱうんおにーたんとあそびたかったのー。おにーたんどこー」
「泣かないでってばー。あのね、タンブルはきっとジャンクヤードにいるよ。僕らもそこへ行くから、すぐお兄ちゃんに会えるって。ね、急いで行こう、ね？」
「お兄ちゃんもパウンに会えたら喜ぶから。ね、早くジャンクヤードに行こう」
スキンブルとミストは慌てて慰めた。
４．いぬのおまわりさん
「それでね、パウンもジャンプ大好きみたいなんだよ。ぼくがジャンプしたら、真似してやりたがるの。ぽんぽんしてすっごい可愛いんだよ、なんかボールみたいで」
「へー…可愛いんだー」
「さすがタンブルの弟だよね。ジャンプ好きなんて」
「ね、パウンって顔とかもタンブル似？」
「うーん。顔はあんまり似てないって言われたけど、色とか模様は似てるよ。目の色も一緒だし」
「そっかー。見たいなー会いたいなー」
ゴミ捨て場の集会所で、マンカストラップを囲んだ仔猫たちが盛り上がっていた。
「来週辺り、連れてくるね。可愛いからね〜」
仮にも自分の弟をここまで手放しに自慢しまくるというのは、普通に考えればどうかと思われるところだが、目まで細めて愛溢れまくったその話し方に文句を付ける気になる者はいなかった。
「…あれ。スキンブルとミストだ」
「え？」
不意にアロンゾがゴミ捨て場の入り口に目をやって呟いた。周りの子どもたちが振り向く。
「珍しく遅かったね、あのふたりが…って」
「何してたのー？ …え？」
振り向いた子どもたちが、揃って首を傾げる。入ってきたふたりの少年猫の間に、見覚えのない小さな赤ん坊が立っていた。
「だれ？ あの赤ちゃん…」
「タガーの隠し子かな」
「なんでだっ？！」
ちょっと離れたところで寝そべっていた黒い体に首周りとしっぽだけ金色の毛という奇妙な毛皮の雄猫が激しく突っ込んだ。が、子どもたちに無視された。
「あの模様…」
「タンブル……？」
「ま、まさか」
振り向いたタンブルブルータスを見て、赤ん坊がぽんっと跳び上がる。
「あ、あのねタンブル…」
ミストが言いかけたとき。
「おにーたぁあん！！！」
赤ん坊はそう叫ぶとすごい勢いで駆けだした…といいたいところだが、まだよちよち歩きなのでそれはできずにころころ転がった。でも、がんばって「おにーたん」のところへ駆け寄ろうとしているのはよく分かった。
「パウン？！ 何してるの、なんでこんなとこにいるの？！ おうちで待ってなさいって言ったのに！」
「ぱうんもおにーたんといっしょにあそびたかったんだもん！ だからおっかけてきたのー！」
「……その途中で鳥に見とれてて道に迷って、あげくに眠くなって寝てるところを見つけたんだよ」
ミストが言った。そこはかとなく疲れた口調で。
「タンブルの弟だったんだねぇ。タンブル、パウンすっごく可愛いね。ぼくもパウンみたいな可愛い弟欲しいよー」
スキンブルはマイペースだった。
「おにーたん、ぱうんね、おにーたんといっしょにあそびたいの」
「……パウンはまだちっちゃいからだめって、もう少し待ちなさいって散々言ったのに…それでもついてこようとするから寝たところを見計らって外出してたのにっ」
相当苦労させられていたらしい。
「うん、だからねぱうんねたふりしてたの。それでね、おにーたんがでていったまどからそーっとおっかけてったの」
タンブルは無言で頭を抱えた。
「あげくに途中で鳥に気を取られて迷子になって、しかも寝てたわけだよね？」
ミストが追い打ちをかける。結構恨んでいるらしい。
「可愛いよ〜。パウン可愛いよー。寝てるのもすっごく可愛かったんだよー」
スキンブルはマイペースだった。ミストは無言でスキンブルの後ろ頭を一発ドツいた。
「にゃにすんのミスト？！」
「しばらく黙ってて。……なんかさっきからどこへ向けて良いか分からない怒りが渦巻いてて」
「ミスト、叩いたらだめだぞ。タンブルも、来ちゃったんだから仕方ないだろ？ 自分で家を出てこられるなら大丈夫だよ」
マンカストラップが優しく口を挟む。が、
「絶対大丈夫じゃないと思う！」
ミストフェリーズ、強い主張。
だって町中で仰向けに寝る奴だし。説得力があった。タンブルブルータスはその応援に乗ってちょっと強気に弟を叱った。
「だめだよ、パウン。もうちょっと大きくなったら連れていってあげるって言ったのに、どうして言うこと聞けないの。おうちで毎日遊んでるだろ？」
「みゅ……だって、ぱうんおにーたんといっしょにもっとあそびたいもん。おそといきたいもん。ほかのおともだちとあそびたいもん！」
「なんか…誰かと似たこと言ってるなあ」
マンカストラップが呟いた。
「え？ 誰だれ？」
「お前だよスキンブル…」
「え、スキンブルもあんなこと言ってたの？」
「お外で遊びたいもんーって言って、強引に家飛び出してきたんだよな、スキンブルは。生後一ヶ月くらいの時に」
「うわぁ。ますます似た者同士だよ…」
ミストが呻く。
「わぁ〜、パウンと僕って似てる？」
スキンブルは喜んでいた。
「ねえタンブル。パウンって実はスキンブルと血縁関係あったりする？」
「……ないと思うけど…言いたいことはよっく分かるよ…」
「まあ、あれは兄弟って言うより同類って感じだねぇ…完全に意気投合してるし。スキンブルってすごいよね、ほんとに誰とでも友達関係になっちゃうんだもんね…」
性格的によく似た者同士の間には、磁石の同極同士が反発するように近親憎悪が働く場合もあるが、その逆にうんと気が合ってしまう場合もある。基本的に他人を嫌わないスキンブルとパウンは完全に後者のようだ。
「きゃ〜。ぱうんだんすー」
タンブルがミストと話し込んでお説教が途絶えたのを良いことに、パウンとスキンブルは仲良く踊って（と言うか跳ねて）いる。
「…あれさ。反省してると思う？」
そんな弟と友を見て、タンブルがぽつりと呟いた。
「してないと思う。そもそも反省の必要を感じてないんじゃないの？ 罪悪感がない方に晩ごはん賭けても良いよ」
ミストは即答した。
「ミスト…！」
「タンブル…！」
ふたりはしっかと手を取り合った。
「なんて言うか今、えもいわれぬ連帯感と親近感を感じてるんだけど」
「分かる。分かるよ同志…！！」
同じ相手に苦労させられまくった者同士、なにやら衝動的に友情が生まれつつあるようだった。
「スキンブルばっかりずるい〜。あたしも抱っこさせてよぉ。パウンちゃんかぁ、可愛いねぇ…あ、あたしランペルティーザね、ランペルお姉ちゃんって呼んでねっ」
「僕コリコパットだよ、よろしくね。パウンってふわふわしてる〜。タンブルより毛足長いんだ。でも、お目目の色同じだねー」
「そーなのー。おんなじなのー。いいでしょー」
「可愛い…ほっぺた押したらぷにぷにだよ〜」
「あたしも、あたしも抱っこする〜」
兄が友情を感じている間に、弟はマンカストラップの周りにいた他の仔猫たちに囲まれていた。端から順番に抱っこ（ついでに自己紹介）を回されたりしている。本猫は大喜びのようだが。
最後にマンカストラップに辿り着いた。独身のくせに子守名人の彼は、ふわふわの仔猫を優しく抱き上げた。
「おいで、パウン。よろしく、俺はマンカストラップ。タンブルからパウンのことはよく聞いてたよ。すごく可愛くて良い子だって」
「ふにゃあ…まんかしゅとりゃっぷおにいちゃん？」
「マンカスで良いよ。タンブルの言うとおり、本当に可愛いな」
「にゃ…ぱうんかわい？」
ちょっと首を傾げて聞く。スキンブルが後ろで転がって「か〜わ〜い〜」と悶えていた。
「パウンは可愛いよ。でも、お兄ちゃんの言うこと、ちゃんと聞かないとだめだよ？」
「みゅ…」
マンカスの言葉に力を得て、タンブルが割り込んだ。
「そうだよ！ パウン、もうすぐ連れていってあげるって言ってるのに、どうして聞けないの」
「みゅ…だって、ぱうんおにーたんとあそびたかったもんっ」
パウンシヴァルはぷぅうっと膨れた。ミストが後ろで「…ゴムまり」とか呟いたのは、幸い彼にもタンブルにも聞こえなかったようだ。
「遊ぶならおうちでもいつも遊んでるじゃない」
「おそとでもあそびたかったもんっ」
「パウン、わがまま言いすぎ！ そんなこと言ってたら、もう連れてこないよ？！」
「やー！！ ぱうんおにーたんとあそぶのー！ ぜったいあそぶのー！！」
「あー、もう…」
パウンシヴァル、子どものわがまま大爆発。
「とにかく、帰るよ。帰ってからいつもみたいにお話ししてあげるから、大人しく待ってなさい」
「やだやだやだー！！ ぱうんおにーたんとあそぶー！！ かえるのいやー！！」
「わがまま言わない！！」
「ぱうんわがままちがうもんー！！」
「今言ってることがわがまま以外の何だ？！」
「ちがうもんー！！」
「止めろって、タンブル。パウンはお兄ちゃんと遊びたくて追いかけてきただけなんだろ？」
マンカストラップが際限のない兄弟喧嘩を止めた。
「だって…！」
「ぱうんわがままじゃないもんー。ぱうんおにーたんとあそびたいもん。おうちでひとりでまってるのやだんもん」
「止めろってば。あのねパウン、パウンがお外で遊びたいっていう気持ちは分かるけど、あんまりわがままいってお兄ちゃん困らせたらダメだよ」
「わがままじゃないもんっ」
「お兄ちゃんは絶対お外へ行っちゃダメって言ってるわけじゃないだろ？ お兄ちゃんの言うことはきちんと聞かなきゃ。パウン、お兄ちゃんのこと好きでしょう？」
「みゅ。ぱうんおにーたんだいすきなの！」
「だったら、お兄ちゃんが困ったら嫌だろ？」
「みゅ」
「パウンがあんまりわがまま言ったら、お兄ちゃん困るよ。パウン、それでも良いの？」
「みゅ〜…」
パウンは困ったようにタンブルとマンカスの顔を見比べている。
ミストはその後ろで、マンカストラップの説得術に感心していた。
「そっかー、こういう場合はああ言えばいいんだー。憶えとこ、『説得の際は多少筋が通らなくても相手の弱点を攻めるべし』…と」
「ぱうん、おにーたんがこまったらいやなの…」
「だったら、こんな勝手なこと、したらだめだよ。パウン、この町のこと全然知らないのに、勝手に歩いてて道に迷ったら大変だよ。今日だって、スキンブルとミストに会えなかったら二度とおうちに帰れなくなったかもしれないんだよ。そしたらお兄ちゃんにも会えなくなるんだよ」
「ぱうん、そんなのいやなの！」
「だったらちゃんとお兄ちゃんたちに謝って」
「おにーたん…ごめんなしゃいなの」
（おおおおお。素直に謝った！！）
「もう…ほんとにしょうがないんだから」
タンブルは苦笑いしながら弟を抱き上げた。パウンがぎゅぅうっとしがみつく。
「ぱうん、おにーたんとあしょびたかっただけなの」
「分かったよ、もう怒ってないから」
タンブルは弟の頭を撫でなでした。
「もう二度とふらふらお外に出ないって約束できる？」
「うん。ぱうんやくそくするの」
「じゃあ、今度からはお外に出るときはお兄ちゃんと一緒に行こう。いいね？」
「……解決ついでに町中では不用意に寝ないようにちゃんと約束させてよ」
言うまでもなくミストである。
「みゅ？」
「そうだよ。・・・あのねパウン、町の中では眠くなったからっていきなり寝たらダメだよ」
「でも、ねむたいの」
「そういうときは、あんまり人が通ったりしないところで寝るの。ここでなら寝ても良いけどね」
「わかったのー」
「分かったら、じゃあミストお兄ちゃんにちゃんと謝って、お礼言って。スキンブルには言わなくて良いから」
「にゃ。みしゅとおにいちゃん、ありがとうなの。ごめんなしゃいなの」
「もういいよ。でも、パウンこれからちゃんと気を付けるんだよ」
「わかったの。ぱうんね、みしゅとおにいちゃんにたしゅけてもらったの」
「ちょっと待ってタンブル！！ にゃんで僕には言わなくていいのっ？！」
スキンブルは激しく抗議した。
「迷惑かけてないからじゃない？」
ミスト即答。結構口調が厳しかった。
「て言うか、この場合事後共犯って言うんじゃないの。話ややこしくしてたじゃない。パウンと一緒に盛り上がるし」
「う〜…」
反論の言葉もないスキンブルだった。
「しゅきんぶるおにいちゃんもたしゅけてくれたの。いっぱいあそんでくれたの。おうたもおしえてくれたの」
「そう！ パウン、お歌上手なんだよねー、ね、歌ってみて、せーんろは続くーよ♪」
「しぇーんろはつぢゅくーよー」
「あー、ほんと上手だー」
「パウンちゃん可愛い…」
なし崩しにアイドル状態になりゆくパウンであった。
＜続く＞
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