５．オールド・デュトロノミー
「……オールド・デュトロノミー。この子が、お話しした子です」
マンカストラップは自分の後ろに隠れようとしてしがみつく黒猫の頭を撫でながら言った。
彼らの集会場であるゴミ捨て場から少し離れたところにある小さな牧師館の前に、大きな猫が寝そべっている。ふかふかの毛皮のもとの色が灰色だったのかそれともクリーム色だったのか、既に誰にも見当がつかなくなっている老猫だ。だが、ただの老猫ではない証拠に、その穏やかな顔にはどこか神々しさのようなものが感じられた。
彼の名はデュトロノミーと言う。
だが、その名で呼び捨てにする者はいない。町の猫たち（あのラム・タム・タガーさえ）は勿論、人間たちでさえ、気の遠くなるような時を生きてきた彼に敬意を表して「オールド・デュトロノミー」と呼ぶのだ。
そう、彼は永い時を生きてきた。普通に考えればあり得ない、信じられないほど永い時を。
彼はこの町の全てを知っていると言われている。町一番の老人の子ども時代すら、彼は知っている。この町の猫たちの精神的なよりどころと言ってよい存在なのだ。仔猫はマンカストラップの後ろに隠れながら、その不思議な姿を見つめていた。恐くはない。その表情はとても穏やかで慈しみに満ちている。それなのに、どこか近寄りがたいものを感じてしまう。
神様、という言葉が脳裏をよぎった。
「この子に、名前を付けていただけますか」
マンカストラップは後ろの仔猫を「ほら、おいで」と促して、老猫の前に押し出した。
「ふうむ……」
デュトロノミーは目を細めて仔猫を見ると、手を伸ばして頭を撫でた。仔猫は一瞬驚いたようだったが、しばらくしておずおずとその顔を見上げた。
「良い子だ。賢そうな顔をしている…」
デュトロノミーはゆっくりと頷くと、宣言するように言った。
「お前に名を与えよう。…ミストフェリーズと」
「ミストフェリーズ……」
マンカストラップが呟いて、仔猫に微笑みかける。
「良かったな、ミストフェリーズ。お前の名前だぞ」
仔猫は大きく目を見開いて彼を見上げた。
「名前には魔力がある。お前たちの名は、どれも他の誰にもつけられない大切なものだ」
オールド・デュトロノミーはそう言って我が子同然に育てた若猫を見つめた。マンカストラップは優秀なリーダー候補として周囲の若者たちから慕われているが、幼い頃捨てられてデュトロノミーに育てられている。彼が捨てられていたのはもう一年以上前のことだ。あの頃の彼はこの仔猫よりずっと小さかった…
「大切にしなさい。ミストフェリーズ、お前は立派な我々の仲間……ジェリクル・キャッツなのだから」
「はい」
マンカストラップが頷いた。ミストフェリーズは意味が分からないと言うように彼を見上げた。
「それでは、失礼します。さあ、行こう、ミストフェリーズ」
「ああ……気をつけて帰りなさい。他の猫たちにはもう紹介したのかね？」
「いえ、まだです。しばらく出歩けなかったので…今日これから寄りますから」
「今日は天気があまり良くないが、明日は晴れるようだから、大勢集まるだろう。みんな新しい仲間が出来れば喜ぶだろうし、わしからもよろしく言っておいてくれ」
「はい、それでは……」
マンカストラップはそう言って礼をするとミストフェリーズを促して立ち上がった。仔猫は一度だけ長老を振り返り、すぐに彼の後をついていった。子どもたちの姿が消えてから、長生きの猫はひとり難しい顔になって呟いた。
「しかし、あの子は……あんな子どもはわしも初めて見たが…」
マンカストラップは知っているのだろうか。あの幼い黒猫の持つ不思議な力に気付いているのだろうか？
「ああーっ！！ マンカスお兄ちゃん！！」
ゴミ捨て場につくなり、叫び声と共に茶色の毛玉が飛んできた。
「ああ、久しぶりだなスキンブル」
「昨日もおとといも来てくれなかったから淋しかったよー！ みーんな言ってたんだから！」
ミストフェリーズより少しだけ大きい、茶トラの仔猫だ。愛嬌のある顔立ちに、緑色の瞳がきらきらしていていかにも元気そうである。首に黒いリボンを結んで飾りのベルをつけている。マンカストラップと同じく飼い猫のようだ。
「ああ、ごめんな。そのかわり新しい仲間を連れてきたから」
「ええっ？！ 誰々？」
「ほら、この子だよ。ミストフェリーズって言うんだ、口がきけないんだけど、仲良くしなさい」
ミストフェリーズはマンカストラップの後ろに隠れようとしたが、スキンブルに捕まった。
「わあ、タガーが言ってた子だよね！ ほんとに真っ黒だあ。へへへ、初めまして！ 僕、スキンブルシャンクスって言うんだ、あのね、向こうにある駅の駅長さんに飼われてるの。それで、列車で働いてるの！」
見た目通りに元気いっぱいに息つく間もなく自己紹介すると、スキンブルシャンクスは「みんな呼んで来るねっ」と言って駆けだそうとした。
「あ、ちょっと待ちなさい」
「え？ 何なに？」d
「お前ね、元気なのは良いけど少しは落ち着きなさいね……いやそれはともかく、この子は早めに連れて帰るから、今日もあんまり一緒に遊べないんだ」
「えー……」
スキンブルシャンクスはとってもとっても悲しそうな顔をした。マンカストラップは慌ててなだめる。
「ごめんな、ミストフェリーズはまだあんまり具合が良くないから…。それに、今日は雨が降るからどっちにしてもあんまり長くはいられないよ。今度一緒に遊ぶから、今日は他のみんなと遊んでくれるか？」
「うん、わかった。ね、明日は大丈夫？ 一緒に遊べる？」
「ああ、明日は来るよ。そのときは出来たらこの子も連れてくるから」
「分かった！ 楽しみにしてるね、えっとミストフェリーズだよね、長いからミストでいいよね、一緒に遊ぼうね！」
黒猫が勢いに押されるように頷く。茶トラは思いっきり嬉しそうに笑った。
「じゃあ、明日ね！ あ、そうだ」
「ん？ どうした？」
「あのさ、ミストフェリーズ、ってすごく良い名前だよね！ なんか不思議な感じで綺麗な音で、僕、すごく好きだよ」
「……！」
「ありがとう、ってさ。じゃあな」
「うん、じゃあね！」
茶色の後ろ姿が転がっていく。元気のかたまりのような後ろ姿を見送って、マンカストラップはミストフェリーズに笑いかけた。
「じゃあ、帰ろうか。今日は疲れただろ？」
黒猫と銀トラ猫は一緒に歩き出した。
どうやらかなり慣れてきてくれたらしい、とマンカストラップは一安心する。
スキンブルシャンクスは赤ん坊の頃から人間に飼われていて、そのためか人間にも猫にもやたらとなつっこい性格をしている。物怖じしなさ過ぎる性格はミストフェリーズにとってはかなり苦手な相手ではないかと思っていたのだが。
マンカストラップ以外には怯えるばかりだったミストフェリーズが、いやがる様子を見せなかったのはずいぶんな進歩だ。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊「さっきの子・・・スキンブルは、お前よりちょっとだけ大きいのかな。他にもあの子くらいの男の子はこのあたりにたくさんいるから、友達作るんだぞ」
マンカストラップが言った。
友達。僕にそんなの、出来るんだろうか？ 友達だって思ってても、そんなもの簡単に壊れてしまうってことを、僕は知ってる・・・・
やっぱりこわい。マンカストラップは僕に優しくしてくれるけど、それでもこわい。好きになるのがこわい。
「あ・・・・そうだ。ごめん、俺、寄るところがあるから、悪いけど、ひとりで帰ってくれるか？ 道、分かるだろ？」
え・・・・。びっくりして見上げたら、マンカストラップはすごくすまなそうに言った。
「ごめんな、おとといから顔出してないから、挨拶しとかなきゃいけないひとがいるんだ」
「・・・・・・・・」
頷く。
「用が済んだらすぐに帰るから、待っててくれよ。あのドア、押せば開くから」
そう言ってマンカストラップは家と反対の方へ歩いて行った。
うちへの道はおぼえたけど、ひとりで歩くのは初めてだ。マンカストラップが一緒じゃないと、なんだか行きにくい。あの家は僕の家じゃないのに、勝手に入っていいのかなって思ってしまう。
ひとりになるのが久しぶりなんだ。
あの家から逃げ出してからずっとひとりだと思ってたのに、三日前にマンカストラップとラム・タム・タガーに会ってから僕のそばにずっとマンカストラップがいてくれる。
昨日とおととい、僕が寝込んでる間、マンカストラップはずっと外へ行かずにそばにいてくれた。ラム・タム・タガーは毎日家に来て、なんだか色々騒いでは怒られてた。
ひとりでいたかったはずなのに。ひとりになったらすごく寂しい。そっとドアを押し開けて中に入ると、いきなり声をかけられた。
「よ、ちびすけ帰ってきたのか。ひとりか？」
ラム・タム・タガーが、戸棚の上に寝そべっていた。・・・勝手に入ってたんだ。
「お前、じーさんに会いに行ったんだろ？ 名前、つけてもらったのか？」
頷くと、タガーはちょっと皮肉っぽく笑った。
「ま、お前に訊いてもしょうがないから、マンカスが帰ってきてから訊くか・・・・話出来ねえっての不便だよな実際」
「・・・・・・」
ほんとにそうだ。言いたいことはあるはずなのに。
「・・・・お前さ、いつまでここ・・・マンカスんちにいるわけ？」
突然タガーが言った。びっくりしてそっちを見たら、タガーはちょっと顔を逸らして続けた。
「あいつがいないんなら丁度良いから訊くぜ。お前さ、ネズミ取りとか出来る？ 自分で食い物見つけて、ひとりで生きていけるか？」
「・・・・・」
出来ない。そんなの、無理だ。
あの家を出てから何とかなったのは、逃げ込んだ人間の乗り物に魚がたくさん積んであったからだ。
「マンカスは優等生だから絶対こんなこと言わないけどよ、お前、いつまでもここにいられないだろ？ 別に出て行けとか言うんじゃないけど、・・・お前、人間に飼われるの無理だろ？ その顔なら拾いたがる人間は大勢いるだろうけどさ、あのじーさんにも近寄れないんじゃな」
「・・・・・！」
「あいつはこのへんの猫のリーダー候補だから、お前ひとりに構ってるなんて無理だぜ。これまでみたいに病気のときでもないと・・・お前、野良でやっていけるか？ 人間に飼われるのが駄目なら、自分ひとりで生きて行かなきゃ駄目なんだぜ」
タガーが言ってることは分かる。今日会ったスキンブルシャンクスだけ見たって、マンカストラップが僕ひとりにかまっていられないってことは分かってる。
でも、どうしたらいいのか分からない。人間も猫も、分かってはいるのにどうしてもこわいと思ってしまうから、・・・ここを出たら僕は生きていけない。
どうしたらいいの？ 誰が教えてくれるの？・・・・誰も教えてくれないの？
頭がぐちゃぐちゃになって僕はうなだれた。そうするしかできなかった。タガーは小さく舌打ちすると、戸棚から飛び降りようとした。
「うわっ・・・とっ」
真下に積み上げてあった箱にぶつかってバランスが崩れる。あぶない・・・！
「とっとっと・・・あっぶなかった」
転がりそうになりながらもタガーはなんとか上手に降り立った。でも・・・・
箱が崩れる！
「わ・・・・あぶね・・！」
タガーの頭の上に、重そうな箱が落ちてくる。その瞬間、なにかがはじけた。
６．ラム・タム・タガー
バン！ ドサッ！
なにかが爆発するような音。そして、重いものが落ちる音。
ラム・タム・タガーは覚悟したはずの衝撃がいつまでたっても感じられないのを不審に思って目を開けた。
「え……？」
重そうな段ボール箱は彼の横に落ちていた。
「なんで…ここに落ちるんだ？」
無意識でも避けられるタイミングではなかった。それが証拠に、自分が立っているのはさっき飛び降りた戸棚の真下だ。この箱は彼の上に落ちてくるはずだったのに…
「ん？ なんだこれ？」
床に落ちた段ボール箱（中身は「本」とか言う紙のかたまりだ）の側面に、焦げた跡があった。そこでなにかが爆発したように。
「なあ…何がどうなったのか、分かるか？」
首を傾げながら黒猫に尋ねてみて、彼はさらに驚いた。仔猫はぎりぎりまで目を見開いて立ちつくしていた。震えているのがはっきりと分かった。
「おい、どうしたんだよ？」
「い……いやぁあ！」
「え…？」
それが初めて聞く彼の声だと気付くより早く、仔猫は意外なほど素早い動きで身を翻して逃げ出そうとした。
「あ、おいちょっと待てよ！ 何なんだよ一体？！ え？ お前声……」
「やだぁっ！ はなして！」
「な、なんで逃げるんだよ？！ おい、待てってば！」
仔猫はタガーの手を振りきって転がるように外へ飛び出していった。
「おい……！」
追いかけようと外へ出たときには、小さな黒い毛玉は夕闇に紛れて見えなくなっていた。
「あいつ、結構足早いな……じゃなくて、何なんだよ一体」
振り返ると、焼けこげた段ボール箱が目に入る。
そして、あの爆発音……
「まさか……でもあいつ……」
あいつがやったのか？空の色がどんどん暗くなる。空気に雨の匂いが混じる。
「あれ？ タガーここで何してるんだ」
「あ…マンカス…」
「あの子は？ 帰ってこなかったか？」
マンカストラップは首を傾げた。家に帰ったら、ミストフェリーズが見あたらず、かわりにラム・タム・タガーが困ったような顔をして待っていた。
「なんか……よくわかんねえんだけど、出ていっちまったんだよ、ついさっき」
「出て行った？ どういうことだよ」
「俺もわかんねえって言ってるだろ。さっき、変なことがあって……」
「何があったんだよ？ 何であの子が出て行くんだ？」
「だから、俺に訊いても知るかよ！ だいたい……」
ラム・タム・タガーはふと口をつぐむと、いつになく真剣な眼差しをマンカストラップに向けた。
「お前さ。…さっきあいつにも訊いたんだけど、いつまであいつの面倒見る気だ？」
「……いきなりなにを訊くんだよ」
「答えろよ。あいつ、あのままだったらいつまでもお前にべったりひっついてないと生きていけなくなるんだぜ？ 分かってるだろ」
「そんなことが今どういう関係があるんだ？ 早くあの子を探しに行かないと……あの子はこのあたりのこと全然分からないんだぞ」
「だから！ 捜してそれからどうするんだって訊いてるんだよ。連れて帰ってそれから？ 分かってんのかよ、あいつあのままお前んちに置いとけるのか？ 元飼い猫みたいだから、野良で生きていくためのことも知らねえだろ。そのくせあいつは人間に懐けないんだぜ。人間に飼われるのも無理だし、ひとりで生きてくのも無理な奴、いつまで甘やかしたってどうにもならねえの、お前ほんとに分かってんのかよ」
「……そんなこと言ってどうしたいんだ？ あの子を追い出せとでも言うつもりか？ あんな状態で放っておけるわけがないだろう。飼い猫になるのが無理そうならネズミの捕り方くらい俺が教えるよ。今は落ち着かせてやるのが先だろう」
「ああはいはいお前は優等生でご立派ですよ！ ンなきれい事言ってどうにかなるならもう勝手にしろよ！あんなやつがひとりで生きていけるわけないくらい分かれよいい加減！ 今誤魔化したって何にもならねえんだからな。教えるなら人間に媚びる方法でも教えてやれよ、よっぽど役に立つだろうよ」
「………お前の言いたいことは分かるけど、完全に正論なのに説得力がないのはどうしてか、分かってるよな？ 愛嬌なんか薬にしたくてもないくせに」
「…やっっかましい！！ こーいうときに妙に冷静なこというんじゃねえ！ だからおめーは昔ッから気に入らねぇんだよ！」
「お前なりにあの子のこと心配してるのは分かってるよ。でも、俺はああいう子をそこまで突き放せない。とにかく探しに行くぞ、多分それほど遠くには行ってないと思うけど」
「……ってなんで当然のように俺も行くことになってるわけ？」
「え？ 来るだろ？」
「いやだからその断定口調は何の根拠があって」
「来ないのか？」
「………」
「来るだろ？」
「…………………………」
「さあ、行こうか」
「……………………………………………………………」
マンカストラップは暗くなりかけた町へさっさと歩き出した。ラム・タム・タガーは無言のまま一緒に歩き出した。「そういえば…、何があったんだ？ 何であの子が出て行ったんだ？ まさかお前がいじめたとか」
「違う！ 何か知らねえけど、変なことがあったんだよ。あの壁のところに積み上げてある箱が崩れてだな」
「ああ、あれ安定悪そうだったけど…まさかそれが当たったとか」
「違うよ。俺の上に落ちそうになったんだ。したらいきなり…よくわからねえンだけど」
タガーは少し考えてから言った。
「何か……、爆発するような音がした。で、箱が俺の上に落ちないで横に落ちてた」
「横に？」
「位置からして絶対俺の上に落ちて来るって思ったのに、途中で方向転換したみたいに違う場所に落ちたんだ。どうなってんのかと思ってたら、何かあいつが急に悲鳴上げて逃げ出して…」
「どういうことだ？」
「だから俺は知らねえって。でも、後で見たら箱の横に焦げた跡があったぜ。そこで何かが爆発したみたいに」
「爆発？」
「俺も何があったのかわからねえってば。あいつに訊けよ。なんか分かってるみたいだったぜ。声出るようになったみたいだし」
「ふうん？ それはよかったけど……」
マンカストラップは首を傾げた。まあ、この説明では何がなにやら分からなくても無理はあるまい。
「とにかく探すか…、タガー、どっちに行ったか分かるか？」
「さあ、薄暗くなってたからな」
「あの子がこのあたりで知っているのは……俺が知ってる限りじゃあのゴミ捨て場と牧師館だけだけど…」
「ああ、そんくらいだろうな。多分、捨てられてからまだそれほど経ってないしな。このへんに来たのはお前が拾った日の、せいぜい前の日くらいだと思うぜ」
「だろうな…」
「そーいうとこには行かねえんじゃねえの。知ってる奴がいるようなとこ、絶対避けると思うけどな」
「とにかく、町中の猫に訊いて回るか」
「あー、この天気じゃ外に出てる奴少ないぜぇ…」
「うるさい。道路に出て車にひかれたりしたらどうするんだ。早く探さないと」
「そんなに遠くへ行けるような体力ないだろ。この近くで隠れられるところだけでもたくさんあるけどな」
「もう、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと来いよ。隠れるところがあるなら徹底的に探す！」
「へいへい……ま、あんまり暗くなったらあいつ見えなくなりそうだしな」
２匹の若い猫は夕闇の中を再び歩き出した。
＜続く＞
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