レ・ミゼラブル各国ＣＤ感想：３
■ウィーンキャスト盤
ドイツ語圏はやっぱりみんな歌が上手いやね〜。というのがとりあえず第一です。
本当に、上手いです。みんな。「こいつ、下手ッ」というキャストはひとりもおりません。いやあ、さすがだ。うん、歌唱力は文句なしだ。
そして、ブックレットの写真、バリケードのジャベさん素敵ッ！！ おお、アンジョルラスが見事な金髪だ（本当に、明るい茶色じゃなくキンキラの金色。あれ、地毛だったらすごいなー）。いいですね〜。（趣味的ですみません）
で、いちばん重要なジャヴェール（いや、そうなのか？）ですが…いいです。やや若い感じはしますが、知的な感じで素敵です。声もなかなかの迫力ですし。スターズも自殺もかっこいい！！ 唯一ちょっと引っかかったのは、自殺の時、微妙に泣きが入っているように聞こえたことでしょうか。ここで泣くのは違いすぎると思うのですが。笑うのも引っかかったのに…。
マリウスも良いです。いかにもぽや〜んとしたおぼっちゃまな可愛い声で、すごく「マリウス」な感じ。
アンジョルラスも良いです。すごく上手くて力強い声です。…が、なんというか、ちょっとしっかりし過ぎてる気がします。めちゃくちゃ大人びていてしっかり者で頭良くて冷静で、理想に向かって突っ走って玉砕するような人に思えないんです。なにかやるとなるとものすごく緻密に計画とか立てそうだ。
いや、アンジョルラスには確かに頭良くて冷静な一面はあると思いますが、基本があれですから。このアンジョルラスは、カリスマリーダーというよりは参謀役っぽいですよ。声が低めなせいかなあ…他の学生達より年上で落ち着いてる感じに聞こえるんです！ 小鈴アンジョルラスみたいだ。違うだろう、アンジョルラスは頭は良いけど精神年齢は低いぞー。（注：小鈴アンジョルラスはものすごくかっこいいです。正直ファンです。剃刀送ってこないで下さい）
■ドゥイスブルグキャスト盤
ハイライト盤です。プロローグ思いっきりはしょられてる！ ああっ、バルジャンの独白がないっ！！ いやそんなの珍しくないけど！
まあ、それ以外のおいしいところ（対決・スターズ・人民の歌・ワン・デイ・モア（モルゲン・ショーン）・オン・マイ・オウン・共に飲もう・ジャヴェールの自殺）は外してないから良いか。ABCカフェがないけど。なにを求めているのか一目瞭然ですな自分。
やはりドイツ語圏は歌が上手い。そして気のせいか、なんだかどの方もやけに発音が聞き取りやすいです。
一応大学で二年間かじったくせに数字が二十まで数えられるのと後は挨拶程度しか憶えていない私ですが、何故かすごく聞き取りやすいです。バルジャンの「イッヒ・ハイセ・ジャン・バルジャン（俺はジャン・バルジャン）」とか、それに対するジャヴェールの「ウント・イッヒ・ジャヴェール（俺はジャヴェール）」とか。
ちなみに「２４６０１」は「ツヴァイ・フューア・ゼクス・ヌル・アイン」。
おお、ファンティーヌの「夢破れて」、「エス・ヴァール・アインマール」なんて言ってたのか。（Es wareinmal、「昔は」「かつて」くらいの意味。おとぎ話の冒頭の決まり文句、「昔々」に相当する言葉だったりする…） でもって「赤と黒」は「ロート・ウント・シュヴァルツ」…かっこいいｖ
…バルジャンとジャヴェール、なんかどっちもやけに若いですか？ 歌は文句なしに上手いし演技もさすがですが、声がえらく若々しいよふたりとも…。特にバルジャン、いくつだ。しかし「スターズ（シュテルネ）」かっこいいなあ…（趣味丸出し） 自殺も迫力すごいわ……（隠す気無し）
ファンティーヌ・コゼット・マリウス、イメージそのまんま。特にマリウス、ポイント高し！（笑）
アンジョルラス…ちょっと声が高すぎて響きが弱い、というか軽い？ 文句なく綺麗な声ではあるんですが、綺麗すぎてやや迫力に欠けます。難しいな、アンジョルラスは。
そして…一番印象的なのは「共に飲もう」のグランテール。あんなストレートに美声（ほんとに「え、これがグランテール？」と思ったくらい綺麗な声）なグランテールって、初めてかもしれん。新鮮だ…。
■ニュー・プラハ・キャスト盤
チェコ語再び。わからん。……それはともかく、冒頭にいきなりうめき声（囚人さんたちの声でしょうな）が入っていてちょっと怖いです。ホラーなレコードみたいです（レコードて）。
プロローグのジャヴェールがちょいヒステリックに聞こえるのですが…ていうかジャヴェールにしては妙に声高くないですか。
…と、思ってよくブックレットを見ると…。あの、これ、また主要キャストが複数いるんですか……？（バルジャンとジャベールがふたりずつおるのです）
チェコ版レミゼって一体………。（プラハ・オリジナル・キャスト盤参照）
しかも誰がどこを歌っているかが分からないのでなにがなにやら。どういうことになってるんだ、このＣＤ。
ところでブックレットの写真を見ると、衣装が日本のものと結構違うようなんですが、アンジョルラスはこの、黒いベストのお兄さんですよね？ いくら赤ベストに腰にトリコロールサッシュでも、まさか、まさかこっちのスキンヘッドの人じゃないよねっ！？ ねっ！！？（必死）
マリウスも妙に派手な服着てるし。彼は黒服だと信じていたのに。
あと、「彼を帰して」のシーンの写真が載ってるんですが、歌うバルジャンよりその横に胸元だけライトが当たっている女性の、強烈な谷間の方に目が行ってしまうのは私だけですか。（お前だけだ）
それから、ライブ盤のようなのですが、なんで「このスベタ、出て行け！」（すごい怒鳴ってる）に拍手が出てるんだ？ ここって拍手するところ？ 謎だ。
で、「夢破れて」のファンティーヌ、なんかおばさんくさい…。いや、妙に「生活に疲れた感」みたいなものを感じるんですが。しかし、死のシーンでちょっと印象的だったのが、「ああコゼット…」ではなく、「コゼット…！」と小さく叫んでいたことでしょうか。ほお〜。これはなかなか、泣けるかも。
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