レ・ミゼラブル inコンサート ２００４年７月２４日（土）昼公演、２５日（日）昼公演、２７日（火）夜公演
梅田コマ劇場
３回分まとめて書きます。
＜主なキャスト＞
７月２４日（土）昼公演１３：００〜 二階Ｓ席
ジャン・バルジャン
エポニーヌ
コゼット
テナルディエ
アンジョルラス
ガブローシュ
グランテール：今井清隆
：坂本真綾
：劔持たまき
：駒田一
：今拓哉
：局田奈都子
：伊藤俊彦ジャベール
ファンティーヌ
マリウス
テナルディエの妻
リトル・コゼット
：鹿賀丈史
：岩崎宏美
：津田英佑
：峰さを理
：藤井ゆりあ
７月２５日（日）昼公演１３：００〜 一階Ｓ席
ジャン・バルジャン
エポニーヌ
コゼット
テナルディエ
アンジョルラス
ガブローシュ
グランテール：石井一孝
：本田美奈子
：劔持たまき
：駒田一
：留守晃
：局田奈都子
：伊藤俊彦ジャベール
ファンティーヌ
マリウス
テナルディエの妻
リトル・コゼット：今拓哉
：岩崎宏美
：泉見洋平
：瀬戸内美八
：藤井ゆりあ
７月２７日（火）夜公演１８：３０〜 一階Ｓ席
ジャン・バルジャン
エポニーヌ
コゼット
テナルディエ
アンジョルラス
ガブローシュ
グランテール：別所哲也
：笹本玲奈
：劔持たまき
：駒田一
：坂元健児
：局田奈都子
：伊藤俊彦ジャベール
ファンティーヌ
マリウス
テナルディエの妻
リトル・コゼット：鹿賀丈史
：井料瑠美
：岡田浩暉
：森公美子
：平塚あみ
楽しみにしていたレミコン行って参りました。（三回も行ったんかい！）（いやっ、もっと通われた方もいるに違いないと信じたい）
コンサートってどんなんかと思っていましたが、あの十周年コンサートの簡易版みたいなかんじですね。舞台の前にマイクが何本か立ててあって、役者さんはそこで歌う。後ろにオーケストラ、そのさらに後ろにコーラスという体勢です。
役者さんの衣装は場面場面で変わるし、演技もなさいます。うしろにスクリーン画面があって、ときどきそこに通常の舞台の様子が映ったり、演じている役者さんが大きく映されたり、またはストーリーの補足説明は入ったりします。
ですから、舞台の知識がなくても大丈夫だと思います。もちろんある程度知っていた方が楽しめるとは思いますが。
以下、キャスト別感想です（敬称略）
■ジャン・バルジャン：今井清隆、石井一孝、別所哲也
今井清隆
去年東京でも見ました今井さんバルジャン、静かで骨太な雰囲気が良いなぁと思っていたのですが、やはりそんな感じでした。歌も安定感があるし、文句なしです。今回見たお三方の中で、最も体格が良く、いかにも身体で稼いできたバルジャンっぽい雰囲気があったかと思います。
石井一孝
非常に感情の起伏がはっきりと分かりやすいバルジャンでした。私はバルジャンの歌うナンバーでは一幕初め頃の「バルジャンの独白」と２幕の「彼を帰して」が好きなのですが、「バルジャンの独白」のほうで実に激しい感情を露わにしたのが印象的でした。それに「彼を帰して」を筆頭に、随所で出てくる高音がとても良かったです。実に奇麗な声でした。
ただ、これは私の個人的な好みなんですが、バルジャンは司教様に諭されて生まれ変わる決心をしてからは、あんまり感情むき出しにならんで欲しいなぁと思います。細かい演技は良いんですが、やけに感情的なのでちょっと戸惑いました。
別所哲也
実に格好良かったです。全キャスト中、一番背が高くて見栄えがしました。歌は、すごく上手いということはありませんが（いや、十分かな）、緩急のある演技とあいまって、実に迫力がありました。
最初の荒んだ様子と、市長様になってからとでは、雰囲気ががらりと変わったのは驚きました。この方も、通常の公演でじっくりと見たいです。
■ジャベール：鹿賀丈史、今拓哉
鹿賀丈史
質実剛健という言葉がよく似合う、厳しい雰囲気が素敵で、鋭くて、その上重みがあるジャベールでした。
声も歌も良いし。迫力満点。怒られたら、鈍器で殴られるようなダメージをくらいそうな感じです。睨みつける視線の怖いこと。
警棒の持ち方がまた、素敵でした。かっこいい〜〜〜ｖｖｖ（いきなり壊れないように）
カーテンコールは途中から鹿賀さん中心になっておりました。考えてみれば、これは鹿賀さんジャベール最後の公演だったんですね。今井さんがさっと一歩後ろに下がったからなー。客席も割れんばかりの拍手。見られて嬉しかったです。
今拓哉
鹿賀さんとか、去年見た内野さんのジャベールのような、人生の重みを感じさせるところまではいかないんですが、自分の職務に非常に強い誇りを持っているのはよく分かりました。
ただ、若いせいか、どうしてもジャベールが持っているはずの、「偉そうな態度」の裏にある「どん底から這い上がってきた人生」が感じられず、生まれながらに人の上にいたエリートに見えてしまうきらいがあったかと思います。えらいお巡りさん。国家一種受かったキャリア組ってやつですかね、それに見えるんです。
でも、声良し、歌良し、演技も良し（「自殺」の笑いは怖かったが…）、顔も格好良いし背も高い。これからも演じ続けて、さらに深みを加えていって欲しいと思いました。また見たいです。
カーテンコールでのあまりにも爽やかな全開笑顔が、あまりにもジャベールっぽくなくて…。大変愉快な方らしく、手拍子に合わせてかわゆく手を振って下さいました。
あと、眉間の皺を描いているのがちょっと笑えました。眉間の皺って、よる人とよらない人があるんですね。普段から顔を顰めていることが多かったら上手くよるんでしょうけど。
■エポニーヌ：坂本真綾、本田美奈子、笹本玲奈
坂本真綾
わりに小柄で、可愛らしいエポニーヌでした。声も奇麗だし歌も演技もお上手でした。死ぬシーンで、コンサートなのになぁと思いながらぼろぼろ泣いてしまいました。マリウスの腕の中で死ねることで本当にもう満足、幸せ、という様子がよく伝わってきました。可哀想で儚げな雰囲気が強かったと思います。
本田美奈子
小柄で細いのですが、蓮っ葉というか、育ちのよくなさそうな雰囲気もしっかりとあって、エポニーヌらしいと思いました。細かな演技が良かったです。歌も、少し細い声が特徴的で、安定していました。ただ、最後死ぬシーンの演技はちょっとくどかったような…。
笹本玲奈
去年の東京公演でも見て、その可愛らしさと年齢に驚いた笹本さん、是非また見たかったので嬉しいです。１９歳ですよ…。若いだけあって、肌が奇麗で可愛い。ぽっちゃりした腕が可愛い…！（ただ、見た目が非常に可愛く健康的なので、つらい生活をしているのであろうエポニーヌとしてはちょっと？と思わないでもないですが）
歌は一番安定していたと思います。高音がとても奇麗です。演技はほかお二方に一歩譲るかと思いますが、マリウスへの一途な愛情がよく伝わってきました。もうちょっと、エポニーヌがどんな娘かということが分かれば申し分ないかと。
カーテンコールでコゼットと手を繋いで出てきたときは、あまりの可愛らしさに身悶えしそうだった…（危ない人がいるぞー）。
■ファンティーヌ：岩崎宏美、井料瑠美
岩崎宏美
歌、演技ともに安定していて良かったです。コゼットに対する愛情がよく伝わってきました。なんとも品があるなぁと
井料瑠美
情感たっぷりの歌、柔らかな美声を堪能出来ました。夢破れてがちょっと自己陶酔気味だったなんて小さい、小さい…か？
■アンジョルラス：今拓哉、留守晃、坂元健児
今拓哉
学生の中でひとりすらーっと背が高くて目立つし、歌は上手いし、なにより声が良い。劇場中に響き渡る、力強い美声。カリスマ性もある。格好良すぎです。
こりゃあ、本来の公演で見たらまさしく「戦いの大天使様」だったんだろうと思いました。見たかったなー！
確かバリケードのシーンでだったと思いますが、歌のあと拳突き上げて「フランスに自由を！」を叫んだので驚きました。（留守さんと坂元さんは言ってなかったので、今さんのアドリブ？だと思われます）
マリウスとコゼットの結婚式のシーンで、給仕になって、テナルディエ夫人に押し倒されてるし…焦って逃げてるし。かわいー。
カーテンコールでも面白かったです。アンジョルラス〜……。
留守晃
体育会系部活動の部長のようなアンジョルラス。部長とか兄貴とかいう言葉が似合う。
特に、エポニーヌが死んで落ち込むマリウスを元気づける（あくまでも慰めるではなく元気づけるという感じだった）仕草が、ぐぁしっと肩掴んで、「しっかりしろ！」と言っているようで、まさしく部活の先輩後輩。泉見さんマリウスが情けないだけによりそんな感じでした。
歌はお上手なんですが、声がもうちょっと濁りなく奇麗に響いたら良いかと思います。アンジョルラスなんだから。
あ、留守さんは給仕さんはやってらっしゃらなかったです。
坂元健児
実は歌以外のことにはあまり期待していなかったんですが、なかなか良かったと思います。カリスマリーダーには見えず、たまも姉曰く「学級委員長みたい」ではあったのですが、周囲から素直に慕われ、グループの中心にいる人物として違和感はありませんでした。アンジョルラスを中心にグループが出来たと言うより、自然にグループの中心になったというように見えます。
歌は非常に良くて、迫力がありました。さすがの一言。
ただ、ずーっとテンションが同じというのがちょっと…それに、アンジョルラスにしては朗らかすぎるのではないかと思いました。
給仕になって出てきたときは、やけに妙な気取った歩き方をしたり、テナルディエの妻に弾き飛ばされて見事な飛び込み前転を見せてくれたりと（拍手喝采でした）、さんざん遊んでおられました…。
■テナルディエ：駒田一
いやもう、上手い。上手すぎる。歌と演技のバランスが良く、細かいネタも笑えて、最高でした。テナルディエが前に出てくるだけで雰囲気が変わってました。すごい！
特に２７日夜公演は暴走しておいででした。その上「誰か止めろよ！」って…！ コンサートでこんな笑うとは思いませんでした。
ぜひぜひ、通常の公演でも拝見したいです。
■テナルディエの妻：峰さを理、瀬戸内美八、森公美子
峰さを理
去年の東京公演で一度見ています。迫力のある声が印象的なんですが、演技とかは今回見たお三方のうちで一番大人しかったです。ただ、結婚式のシーンで今さん扮する給仕を押し倒したのには笑った。
瀬戸内美八
コゼットに対する意地悪さが秀逸でした。下品な演技もなかなかのもの。テナルディエとの掛け合いも楽しかったです。声がときどき掠れ気味だったんで、もうちょっとしっかり出れば良いかなぁと思います。
森公美子
テナルディエの妻は森さんが見たい！というのも今回の目的のひとつ。というか、駒田＆森テナルディエ夫妻を見るためにチケット取ったんです、実は…。
想像通り、強烈でありました。すみません感想を書こうにも凄いとしか言いようがありません。結婚式のシーンはもうどうしようかと…。なんすかあの海苔みたいな眉毛は！ 笑い転げそうになりました。
ええもう、是非に通常の公演でも拝見したいです。
■マリウス：津田英佑、泉見洋平、岡田浩暉
津田英佑
真面目で純朴な青年っぽくて良かったかと思います。コゼットを前にして緊張しまくってる様子とか、可愛かったです。歌も安定していたかと。ただもうちょっと演技が細かかったらなーと…。
泉見洋平
ほっそりしてわりと小柄というのもあるとは思うんですが、なんともなよなよと頼りなく情けないマリウスでした。歌はお上手なんですが、声が高めでそれがまた情けなさに拍車をかけていたような…。
エポニーヌが死んで、アンジョルラスに慰められるとき、大きく項垂れて泣いているようで、思わず「しっかりせんかい！」と活を入れたくなりました。
岡田浩暉
見た目は良いと思うのですが、声がなんともふらふら危なっかしいなぁと。声自体は良いから、発声がしっかりしたらもっと良いのになと思います。あ、あと滑舌と。
ぼけーっとした雰囲気が可愛かったです。
■コゼット：劔持たまき
高音が非常に奇麗で可愛いコゼットで、良かったと思います。バルジャンが死ぬシーンの、切なげな表情が好きです。
■ガブローシュ：局田奈都子
三回とも局田さんでした。不自然ない少年らしい演技で良かったです。いや、本気で最初は子役かと思いましたよ。
しかし、ガブローシュはコンサートでは見せ場の死ぬところなどが全て削られていて、ちょっと可哀想ですね。
■リトル・コゼット：藤井ゆりあ、平塚あみ
どちらも、大変可愛らしく、歌も演技もなかなか良かったです。
■グランテール：伊藤俊彦
時に見せる複雑な表情が非常に良かったと思います。特に「ともに飲もう」で歌った後、アンジョルラスとガンの飛ばしあいをし、顔を背けるときとか、エポニーヌが死んだ後とか。本来の公演でも見たいです。
キャストによってぜんぜん違うのが、とても面白かったです。コンサートでこれだけ楽しめるとは、予想以上でした。もちろん、普通の公演に勝るものはないのですが。
うん、レミゼは良い…！
最後に、ひつこく書いておきます。
通常の公演が見たいぞー見たいぞー見ーたーいーぞーー！（やかましい）
以上、お読みいただき有り難うございました。
たまも姉のジャベール＆アンジョルラスへの思い入れ満載の観劇記はこちら。かなり濃ゆいのでご注意。
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