■Gus（Aspalagus？） ：Sir John Mills（サー＝ジョン＝ミルズ）
＜外見＞
茶色とグレーの混じったような長毛の毛皮です。雑種でしょう。昔は多分もっと格好良く、体も大きかったのでしょう。今では毛皮も擦り切れ、無残な姿です。目の色は濃い茶色。
＜年齢＞
幾つくらいかな…人間なら八十代くらいでしょうか？ かなりのお年とお見受けします。
ただし、この猫もオールド・デュトロノミーと同じく年齢疑惑があります。
先に八十代と書きましたが、この猫の詩の中で、「ヴィクトリア女王の頃は…」というような句が出てくるのです。ヴィクトリア女王は１９０１年に亡くなっているので、これを信じると彼は少なくとも３８歳以上という事になってしまうのです。猫でも長生きするやつは３０歳くらいという例はあるそうですが、それはやはり無茶苦茶特殊な例でしょう。普通は飼い猫でも１５過ぎたら長老です。野良猫はもっと寿命短い。
すでに別の世界にイってしまっている猫又爺様ほどぶっ飛んではいなくても、やはり相当非常識です。
「ヴィクトリア女王の時代」というのは、英国の" Old Good Days "の象徴なので、「昔は良かった」と繰り返すガスの過去の栄光の隠喩として出てくるのかもしれませんが、真相は不明です。
＜その他徒然考察＞
◇落ちぶれた劇場猫。昔は大スターだったそうです。
◇この猫は、役者さんの演技がとにかくすごいので、しみじみ感動してしまいます。だってずっと手を震わせているのです。歌も、消え入りそうに震えた声であれだけ歌うのって並や大抵のことじゃないですよ。素晴らしいです。
このガス役のジョン＝ミルズさんはそうとう有名な大スターらしいのですが…うむ、いかにも。
◇この方もお年寄りですから、オールド・デュトロノミーに次いで大切にされています。マンカストラップは当然、他の猫たちもいそいそと座るところを用意します。ちなみに、このとき色々彼にかまうのって全員雌のような気がするんですが。ジェリーロラムはもちろん、ジェニエニドッツとか。
◇さてはて、謎がもうひとつ。
彼のナンバーの途中、幻影が現れます。透き通った大きな猫の影が、ガスの周りを歩き、礼をして消えていきます。あれは一体なんなのでしょう？
どうやらガスにしか見えていないようです。ガスが語る、彼の昔の姿でしょうか。かつての舞台上での雄姿でしょうか。
だとすれば、ファイアーフローフィドルということになるのかな。少なくともグロールタイガーではないですよね（グロールタイガーなら隻眼のはず）。
ビデオならではの演出ですが、けっこう怖いです。
でもって、こういうところに金をかけてくれるのも良いけど、出来ればやはり「グロールタイガーの最期」を入れてほしかったなぁ、と思うのでした。
◇で、上記のようにビデオ版には劇中劇「Growltiger's Last Stand（グロールタイガーの最期）」は入っていません。ランパスキャットがあるのは嬉しいですが、グロールタイガーも楽しいナンバーですよね。見たいなぁ。四季では見られますが、ジョン＝ミルズさんのが見たいなぁ（だってすごいんやもん）。こういう細かいお遊びの多そうな楽しいナンバーは削らないでくれよう。
因みに、ブロードウェイではクリューはマンカス、タガー、ミスト、スキンブル、アロンゾ（ロンドンではビクター）がやっていたそうです。
＜見せ場＞
この方の出番は、自分のナンバーのときだけです。上記のように非常にすごいので、じっくり聞き惚れて下さい。
※ソロは「Gus: The Theatre Cat（劇場猫ガス）」。しつこいですが、聞き惚れて下さい。
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