ペテン師と詐欺師　２００６年１１月８日（火）夜公演１９：００〜
梅田芸術劇場メインホール一階Ｓ席

ローレンス・ジェイムソン：鹿賀丈史	フレディ・ベンソン：市村正親	クリスティーン・コルゲート：奥菜恵
ミュリエル・ユーバンクス：愛華みれ	ジョリーン・オークス：高田聖子	アンドレ・チボー：鶴見辰吾
＜アンサンブル＞ 乾あきお　　ひのあらた　　野沢聡　　木暮清貴　　萬谷法英 蝦名孝一　　東山竜彦　　清野秀美　　原慎一郎 ももさわゆうこ　　秋園美緒　　柏木ナオミ　　一倉千夏　　浅野実奈子　　秋山千夏

　うおおおおお半年以上劇場に行ってなかったなんてー！！　来年以降を睨んでエネルギー（具体的には金）貯めるために自重もしていたとは言え、それにしてもこれは自分が信じられーん！！
　というわけで「ペテン師と詐欺師」。
　どっちがペテン師でどっちが詐欺師なのか（フレディが「ペテン師」でローレンスが「詐欺師」？）、というかこのふたつの言葉って意味違うのか、語感からすると「ペテン師」の方がやや軽く、かつ広義に使える言葉のように思えるんだけど私の感覚は正しいのか、ていうかひょっとしてこのタイトルからして引っかけなのか（原題は違うから違うのか）、などとどうでもいい疑問が尽きませんが。
　とにかく面白かったからいいか。

　実はちょっと迷っています。正直に感想書いたら思いっきりネタバレしてしまう！
　さすがにこういう作品でそれはマズすぎるだろう！！ …なので、かなりおそるおそる書いている観劇記だとお思い下さい。

　しかし、このオチは割と誰でも見当つきますよね？　私は気が付いたと言うよりは、「話の展開上主役ふたりの騙し合い勝負にはっきり決着が付くとは思えないから、あるとしたらこういう結末か？」と考えていて（やな客だな）、「一番ありそう」と思った予想が当たりだった、という感じなのですが。なるほどね。
　何でも良いけどあの幕はあんまりだと思う、いろんな意味で。（笑）
　キャスト感想行きます。


■ローレンス・ジェイムソン（鹿賀丈史）
　カッコつけてるけど実は登場人物の中で一番純情な部分を持ってるのはこの人じゃなかろうか、と思いました。あの行動…。つか、あんた、実はただのいい人なのではっ！？（笑）
　しかしかっこいいなあ。「ダンディ」なんて言葉が似合う日本人、そうそうお目にかかれるもんではございませんわ〜。「うさんくさい紳士ぶりが似合いすぎる」と姉妹の間で大好評です。ん？　そう言えば、私、鹿賀さんを生で見たのってこれが初めて？　おお！！
　ところでこの人は主に観光地で旅行者を標的に仕事をしているようですが、それって危険じゃないのかなあ。相手が戻ってきたらバレるわけですよね。自分で言っていたことからして、どうやらバレたことはないらしいけど（詐欺ってのは被害者が訴え出なければ成立しない犯罪ですからね）、よほど上手くやっているのか。まあ嘘ってのはでかい方がバレにくいものらしいですが。
　あ、それから、大変勉強になるお言葉を聞かせて頂きました。
「相手の望んでいるものを与えてやる」
　…うーん、含蓄があるわ。そうか、詐欺師って、サービス業だったのか…！！（違ーう！）
　しかしものすごく危険なネタがありましたね。「名門ブッシュ家の息子」。アメリカ人は笑ってくれるんでしょうが、日本人としては微妙に複雑でございました。大笑いはしたけど。

■フレディ・ベンソン（市村正親）
　……この役、本来は…もっと若い人が…（禁句）
　いやまあ、市村さんのジーパンの似合い具合と可愛さ（畜生、可愛かったぞマジで！）を見れば、そんな文句は言えませんが。脚、細いなー。
　猿とか言われてしまっていましたが、詐欺師としての才能はなかなかのものと見ました。しかし、毎度出てくる「おばあちゃん」ってのは何なのでしょうか。単に同情を引くための口実とは思えません。ひょっとして何かあるのか。
　ところで、「『オペラ座の怪人』って知ってるよ」という台詞はアドリブですか？（笑）　ええ、あなたは日本初代でいらっしゃいますがな…！

■クリスティーン・コルゲート（奥菜恵）
　歌をがんばってくださぁぁあい！！　いや、演技はすごくよかったんですよ、なんとも可愛いくて魅力的で。お見事！って感じだったんですよ。だがしかし、いやだからこそその歌は…！！
　すみません。あれだけは目をつぶる…もとい耳を塞ぐことが出来ません。むしろ耳を塞ぎたかった。歌えてないよー！　ソロでも大概きついのに、デュエット相手が市村さんだったりした日にはもう、声の出方の違いがあまりにも明白で、はっきり言って無惨です。専門の人じゃないから、という言い訳にしたって（いや、そうなの？　知らんけど）、それで納得するには周りが上手すぎ！！　あああ。
　まあ、それさえなければいいキャラですね。大変キュートで素敵なお嬢さんです。
　しかし、この話の登場人物は、終わってからほとんどに「あんた、それでいいのか！？」と言いたくなったのですが、その筆頭が彼女です…（笑）
　いやまあ本人は幸せそうだからいいんだろうけど…でも、いいのか、本当に！？

■ミュリエル・ユーバンクス（愛華みれ）
　クリスティーンの次くらいに「それでいいのかッ！？」と言いたくなったお人。いいんですか、本当に？　つか、結局何がしたかったんだろこの人も。美人なのに…ああ、でも、ああいう詐欺に引っかかる辺りも含めて「『いい女』になり損ねてる人」感があるキャラなので、この感じでいけばもっと素敵な女性になるのかも。
　ところで彼女は結局ローレンスの正体を知ったのでしょうか？　知ってあの態度だったとすれば大した女なんだが。
　「がんばって、大阪よ」はナイスでした。（笑）

■ジョリーン・オークス（高田聖子）
　個人的にローレンスと一番相性が良いのは彼女ではないかと（待て）
　いや、これくらい人の話聞いてない女なら、騙しようがないし。実際苦労してた（笑）わけだし。ね。
　基本的にいい子みたいだし、悪くないと思うんですがね、オクラホマはいいとこみたいですし。間違いなく大金持ちなんだし、品がないなんてあんただって別に偉そうな身分ってわけじゃなし、どうだローレンス？（やめんか）
　しかしアメリカ人は小学生でも銃使えたりするから、やっぱり怖いですなー。

■アンドレ・チボー（鶴見辰吾）
　全登場人物中、一番邪悪なのは間違いなくこの男だ。お前、いくら勝負に負けそうだからって、いきなり暗殺を薦める奴があるかっ！！　ついでに聞くが、いったいどれだけ殺人犯に知り合いがいるんだコラ！　職権濫用にも限度が…っていうか、あんた本来の仕事はちゃんとやってんのか？　どうして警察署長がいつ見てもローレンスに侍ってられるんだッ！？　ホテルが滞在客の身元調査してターゲット探してるみたいだし…あの、ひょっとして、こいつらの詐欺、町ぐるみでやってんじゃないだろうな！？　まあ何だかんだ言って美女と引っ付けたみたいだし（フランス人のくせに恋愛には純な男であったな←偏見です）、割とめでたしめでたしなのかも。


　以上、お読みいただきありがとうございました。


>>BACK