キャッツ　２００５年１１月１日（火）１８：３０〜
キャッツシアター五反田／大崎　ジェリクル・ギャラリー席

グリザベラ ジェリーロラム ＝グリドルボーン ジェニエニドッツ ランペルティーザ ディミータ ボンバルリーナ シラバブ タントミール ジェミマ ヴィクトリア カッサンドラ

：重水　由紀 ：谷内　愛 ：鈴木　由佳乃 ：王　クン ：滝沢　由佳 ：増本　藍 ：八幡　三枝 ：高倉　恵美 ：熊本　亜記 ：金井　紗智子 ：大口　朋子

オールドデュトロノミー バストファージョーンズ /アスパラガス＝グロールタイガー マンカストラップ ラム・タム・タガー ミストフェリーズ マンゴジェリー スキンブルシャンクス コリコパット ランパスキャット カーバケッティ ギルバート マキャヴィティー タンブルブルータス

：石井　健三 ：田島　雅彦 ：趙　宇 ：荒川　務 ：松島　勇気 ：武藤　寛 ：ユ　チャンミン ：徐　元博 ：幸田　亮一 ：村瀬　美音 ：張　文シャオ ：片山　崇志 ：岩崎　智也

　あれは７月のことでありました。
　何となく劇団四季のＨＰを見ていた私は、ふと特に何も考えずに『キャッツ』のチケット予約ページを開いてしまったわけです。
「あ、ジェリクル・ギャラリー席が残ってる……面白そうやったよな見え方………ふーん………」
　……私はいつの間に「席を押さえる」をクリックしていたのでしょうか。本当に全く記憶にないのです。さらにもう一枚、次の日のチケットまで取っていたようなのですが、それも全く憶えていません。
　私じゃないわ。これを取ったのは私じゃなくて、この右手を支配していた別人格………
「そんなわけあるかい。あんたが今『ジェリクル・ギャラリー面白そー』とか嬉しそうに言ってたんやろ！」
　それも私の中のもうひとりの私が……
「嘘を吐くな嘘を」
　その後嬉々として宿だの新幹線だのの手配をやっていたのも全て私のシャドウが……あ、もしかしてこれがドッペルゲンガーという現象ね！？
「いい加減にしなさい」
　………はい。


　とうわけで東京遠征猫二回目です。
ひとりで行くと周囲から聞こえてくる東京弁（大阪人は標準語とは言わない）が何とも言えないわけですが、しかし私の席の隣に座っていらしたカップルと思しき男女は、思いっきり関西弁でいらっしゃいました。

　そしてジェリクル・ギャラリーです！
　面白いですよ視点が。本当に「本来なら見られないものをこっそりのぞき見ている」感じになりまして、ドキドキ感倍増です。
　私が座っていたのは一般の席に一番近い方だったのですが、前の方の席ならもっと裏側から見る形になるはずで、さらに面白いことでしょう。
　二階席とギャラリーのゴミに集中してチェック。「ぴあ」、おもちゃのピアノ、人形焼き、犬の餌皿、パンダのトースター、そしてライオンキングのシャンプーハットはこんなところにあったのですね……。
　そして今回お初な方が多いです。久し振りだからなあ……レッツゴー。

※全体的にテンション高いです。

■オーヴァーチュア
　最初の大音響に反射的にときめきます。ああ、この世界……この世界に浸りたくて私は東京まで来てるのよー。この時点で既に陶然としているバカが約一名。
　そして、回転の様子が見えます！　すごいすごい。さらにこの位置からだと、客席通路のライトが見えるんですね。そのおかげで通路が光って浮かび上がっているように見えて、何だかものすごく神秘的です！　「別世界を覗いている」感がぐんぐん強まります。この視点、素敵です！
　横に覗きに来た猫は……多分、雄だったような気がします。一瞬見えた脚が白っぽかったような……誰？　ランパス……かな？　くぅっ、分からん……

■ジェリクル・ソング
　この角度だと、無理もありませんが猫の表情はほとんど見えません。だからこそ面白いとも言えますが。
　趙マンカス、相変わらずゆっくりとした無駄のない動きが素敵です。お、スキンブル歌上手。お初の方は多いのですがいちいち認識出来ていません……（すみません）
　ところで、振り一部変わりました？　いや、確かじゃないんですが、「おや？」と思ったところがありまして。

■猫の名前の付け方〜ジェリクル舞踏会への招待
　まずやってきたのはマキャ。おおおおお。現在のキャッツシアターには二階席の前に猫用通路（文字通りのキャットウォーク……って意味違うか）があるのですが、そこを活用してくださいます。
　そして、次にジェリーロラム。「マンカストラップ、コリコパット、ボンバルリーナ」と語りながら舞台や客席のそれぞれの猫のいる方向を指し、「ジェリーロラム」で自分を指しました。おお。「この名前に誇りを持っている」感じが出て素敵！
　マンカストラップの語りは優しくてでも威厳があって本当にかっこいいです。ちょっと「ジェリクルの洗濯」に聞こえるくらいはご愛敬と言うものです。

■おばさん猫
　鈴木さんのジェニーさんは、声の感じのせいなのか、結構上品な印象を受けました。割と上流の奥様…というより、ゴキブリに指示を出すかけ声の鋭さなどからお嬢様系寄宿学校の寮母先生というイメージが。でも庶民派。（どんなだ）
　…というか、小柄なジェニーさんですね。シラバブより背が低かったですよ。可愛いなあ。でも結構厳しそうでしたね。ふーん…
　さて、ゴキブリ。マンカストラップがとても優しそうに構いまくっていました。ああ、趙マンカスって……！
　スキンブルゴキは何をしているのかよく分かりませんでしたが、タンブルゴキがタイヤの上に寝そべってくつろぐ気満々だったのを目撃。ジェリロに突っ込まれて戻りましたが、その後彼女は自分が寝そべりました。あのツッコミは「そこは私の場所よ！　どきなさい！」という意味だったのでしょうか。
　そして……マンカスを追い出すとき、何やら嬉々として何度も殴っていた奴が約一名いたのですが……。どうも、ランパスだった気が。造反か！？（笑）

■ラム・タム・タガー
　やはり荒川タガーはアイドルですね。華やかだ、雰囲気が。そして、妙に可愛い……（笑）
　しかし今回、私はすぐ目の下で繰り広げられていた少年たちの可愛らしさ面白さに目を奪われており、タガーさんをほとんど見ていなかったことを告白しておきます。
　いやその。コリコがですね、テーブルの上で舞台を観ているマンゴに、上からつーっと滑り降りてちょっかいをかけ、そのままピンポンダッシュのように逃げるのを目撃してしまったのですよ。怒ったマンゴが追っかけるのがあんまり可愛かったので見ていたら、一旦逃げて知らん顔していたコリコは、ほとぼりが冷めたと見るや今度は脚からつつつと滑り降り、再びピンポンダッシュ。こ、この子は……！！（笑）
　その後、何故かランパスがコリコに襲いかかり、シッポを引っ張りまくっていました。「ぎゃー助けてー」なコリコの顔が最高に可愛かったです。そして、そんな彼らの横を醒めた顔で通り過ぎるミスト……。
　素晴らしい。最高だ君たち。…と思っていたら、舞台ではさらいイベントの真っ最中でした。危ねぇ、素で忘れてたよ！（オイ）
　かろうじて帰るところを確認しました。お嬢さんを送っていくまでは良いとして、彼はその空いた席に乗ってポーズを付けていました。こ、この人……じゃない猫は……！！　いやー、すごいわ。さすがですわー！
　ラスト「ご無用」、彼は最後の「む〜〜」を何度も何度も「む〜」「む〜」と引っ張って笑いを取り、しっかり決めて下さいました。ほんと、楽しい方です。

■グリザベラ
　あのっ、趙マンカスはいつから背中を向けなくなったんですか！？　以前観たときは目を背けるどころか完全に客席に背を向けてしまうその拒絶の仕方が怖くて、グリザベラが可哀想になるくらいだったのに。
　今回の彼はちゃんとグリザベラを見ていました。というか、彼女が歌っている間じっと睨んでいたような。去っていくときも、顔は逸らしましたが後は見送っていました。あああああ、この方はどこまで変化（進化）するのか！？　すごすぎます！！
　……あ、グリザベラのことを書くのを忘れていた。動きはやっぱりちょっとぎこちない気がいたしますが、歌は良いですね。低音の強い声が好きです。

■バストファージョーンズ
　ジョーンズさんの「今日の大課題」は「政治改革」だそうです。ほんと、旗印だけは派手だけど何にも出来てないどこぞの政府に聞かせてやりたいわ。
　……というか、その演説を聞きながらものすごくおざなりに頷いていたランパスが笑えましてね。いるよね、よく分からない講義とか講演とか聞きながら、何も理解してないけど格好だけてきとーに頷く奴。もろそんな感じでしたよ。やるなあランパス。
　「まずいもの」に怒るバストファさんに怯え、逃げようとしたミストがランパスとコリコにとっつかまって戻されていたり、カーバがシラバブとジェリロにごちそうを貢ぎにいっていたりと、この辺りはまあお約束。
　ところでミストとギルが顔見合わせて「これ、何だろうね」「さあ？」とやっていたのですが、そのときのふたりの手つきが……どうも円筒形のものを持っていたようなのですが、本当に何だったのでしょうか。謎です。
　……あ、ジョーンズさんのことを書いてない。ええと……普通に可愛くて楽しかったです。以上。（コラ）

■マンゴジェリーとランペルティーザ
　あんまり子どもっぽくはないカップルですね。可愛らしいですが結構大人っぽく（ランペルティーザがちょっと色っぽかったせいか？）、十代後半のカップルという感じ。息ぴったりで可愛いです。
　そして、ふたりとも歌がとてもお上手でした。今回のキャストは皆さんとても歌が上手くて嬉しかったですね！
　何より、悪戯猫たちを叱らずただ立って静かに見守っているマンカストラップが素敵すぎｖ（結論がそれか）

■オールド・デュトロノミー
　スキンブルの「オールド・デュトロノミー」という呟きが、何やら感涙にむせんでいるかのような上ずった声だったのですが……何？　あれは何？　デュト様がそんなに好きなのか、スキンブル？
　マンカスの歌い方素敵ー！！　シラバブとジェミマに歌いかけるその声の優しいことったらもう、この人ほんとにすごすぎる−！！（惚）
　オールド・デュトロノミー。すごくお久しぶりの石井デュト様。しかし、周囲の猫達に対する手の振り方が、何と言いますかその……「沿道から手を振ってのご声援ありがとうございます！　○田×夫、全力を尽くします！」的な……すみませんごめんなさい………

■ジェリクル舞踏会
　紅く光るだけのマキャの演出、好きだー。これは本当にいいですね。
　タガーの「全く何にもしないのさ」が目の前です。言った後、彼はひとりしっぽギターを掻き鳴らし襟巻きを揺らし、毛繕いをしてくつろいでいました。そして……寂しくなったかのようにそそくさと去っていきました。（笑）
　ダンスはただひたすらにすごいです。見とれます。ほぉ〜〜〜……

■メモリー
　目の前まで真っ直ぐ歩いて行って思いっきりぷいっと顔を逸らすボンバルリーナと、ちらりとも見ようとせずすぐ前を横切って去っていくマンカストラップと、さてどちらがよりきついでしょうか。いやー、怖いわー。
　踊ろうとしてはよろめき、おどおどと周囲を窺うグリザベラが痛々しいです。歌はやっぱり文句なしですね！

■幸せの姿
　すぐ横にコリコが！　分かってはいましたが見とれました。いやー、徐コリコって本当に冗談はよせと言いたくなるくらい可愛らしい顔してますね！　すごいなー。（感心することなのか）
　じさまは言うまでもなく素晴らしい良いお声ですｖ　らぶ。

■グロウルタイガーの最期
　ガスは割に張りのある声で、結構元気そうです。よろけてはいますがまだ現役でいけそうな。
　…コリコ・ギル・カーバの少年トリオが最初から寝まくっていたのは、まあ、お約束と言うことでひとつ。
　手下ーず。
　ボスの突然の登場に驚いたタガー部下は、泡食ったあげく床と一緒に隣のマンゴ部下も掃除していました。楽しい人です。
　タイガーはかなりよく吠えています。そしてタガーもしっかり踏みました。素晴らしい。（え）
　そして……この席、分かってはいましたがグリドルボーンの出が全く見えません！！（笑）　ピンクの光が見えるだけ。でも声はすごいですね。
　ところで、美女登場に喜んだミストとマンゴが、向かい合って頭の上に両手で丸作ってけったいなポーズをしていたのですが、あれは一体何だったのでしょうか……。
　ふたりの歌はまあ文句なし。グリドルボーンはキュートな小悪魔風です。むくれる様も可愛らしかった。
　そして彼女の投げキッスに無反応なギル隊長も素敵でした。殺陣もかけ声が多くてかなりの迫力でしたし……しかし、とどめが剣じゃなくて蹴りってのは、どうなんだろう……？（笑）

■スキンブルシャンクス
　可愛いよ〜〜！！　スタンダードな「元気な少年」スキンブルですね。背が結構高いせいもあってかなかなか凛々しい印象もあり、でも声は高めで可愛らしく、素敵でした。
　ヤクザマンカスは、何やら周囲の猫達に説教しようとしていた模様。怒られて頭隠す方が可愛いです。ああ、何て付き合いのいい優しいリーダーなのかしら。
　タガーはやっぱりベッドになりませんね。シラバブにしっぽを引きずられてベッドの列に加わっていました……はっはっは。強いぞ、シラバブ。そしてその列が真横から見える視点がとても新鮮で面白いです。
　汽車組み立ても真横です。本当に面白いですね。
　ランプシェードを持って出てきたコリコが、立てた状態からそーっと手を離して遊んでいるのを目撃……ああっ、いたよなこういうことやって遊んでる奴！　何て可愛いんだ君は！！
　そして、ライトの加減とスキンブルの歌のおかげで、なんだか夢の中を夜明けに向かって走る列車のように見えたのです……素敵だった！！　やっぱりこの歌大好きだー！！

■マキャヴィティ
　スロープから現れたマキャに威嚇するスキンブルを見て、私は素直に思いました。もしもマキャが現れたのが列車の中なら、確実にスキンブルが倒せるだろうと……。ユさんのスキンブルって、何だか本当に列車の中では神に等しい力を発揮しそうな気がしましたよ。
　そしてお姉様方。ああ、増本さんはディミータのときとボンバルリーナのときでどうしてここまで違うのでしょうか。すごすぎます。
　それぞれ違う強さと色気が素敵。喩えるならば抜き身のナイフと鞘に収められた剣でしょうか。滝沢ディミはあくまで鋭く、増本ボンバルは力強い！　そして、並の男じゃ絶対勝てない！！（笑）
　マキャは吠えマキャ。さほど印象的ということはありませんでしたが、戦いの間ビカビカ光るライトがもろに目に入り、すごい迫力です。マキャはすぐ傍で自爆（なのか？）するし。
　さらに、客席を見渡すライトが全部見えて何だか不思議。この視点、本当に面白いです。

■ミスター・ミストフェリーズ
　ああっ、「ミストフェリーズに頼もう」が目の前でっ！　荒川タガー声可愛い！（笑）
　ミストが光らせる豆球が目線より低いです。そのおかげでミストの作った星空の中にいるような気分になります。すごい！　これは真剣に感動しました！
　ダンスは文句なしに綺麗でかっこいいし。松島ミストは元気で自信たっぷりなようで、でもマジック終了後は布に顔埋めちゃうところがほんと可愛いですね！　そしてマンカストラップがしみじみと感動的なまでに優しいのだ。
　ギル・カーバ・ジェミマが席に。……多分。すみません、この辺の記憶はあんまり定かではないです。

■メモリー
　言うことなしっ！
　シラバブはそんなにアニメ声でなく、かなりしっかりした声で◎です。歌も上手いし！
　グリザベラは、光と一緒に落ちてきた何かを拾おうとして座り込む感じですね。綺麗です。泣けます。ああ、やっぱり言うことなし！　素晴らしい！

■天上への旅〜猫のご挨拶
　……で、メモリーで感動したのがここですべったのでした。（苦笑）
　というのはですね。
　席位置がここだから仕方ないのですが、この席、天上から降ってきたスモークに隠れて、タイヤの上のじさまもグリザベラも全く見えなくなってしまうのですわ！！（笑）　いやあ、分かってはいたけどこれは。じさまはすぐに見えるようになったけど、グリザベラは最後まで見えませんでしたわ。
　でも、その後の歌はやっぱり素晴らしいですｖ　ああ、じさま良い声。そして、マンカストラップがこちらに向かって「忘れてはいけない」と言ってくれるのですね！
　きゃー！！　密かに大喜びしてました。あー素敵。

■カーテンコール
　握手がカッサンドラです！！　いやー、美しかった！！
　そして彼女は、舞台に集中している人には肩叩いて振り向かせ、ジェリクル・ギャラリー席の観客全員ときっちり握手して去っていきました。素晴らしい。
　グリザベラが礼をしてライトが消えた後、満を持してタガーが登場。
　しっぽを振り回して拍手を煽り、一旦ライトが消えて真っ暗になった後、スポットライトが点いて輝くヒョウ柄。…って、おしりに当てるのか！！（笑）　ラストはやっぱりしっぽでバイバイでした。あー、楽しい。

　やはりキャッツは良い。以上、お読みいただき有り難うございました。


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