レ・ミゼラブル　２００７年８月２１日（火）昼公演１３：００〜
帝国劇場二階Ａ席

ジャン・バルジャン エポニーヌ コゼット テナルディエ アンジョルラス グランテール

今井清隆 坂本真綾 菊池美香 駒田一 東山義久 松村曜生

ジャベール ファンティーヌ マリウス テナルディエ夫人 ガブローシュ

今拓哉 渚あき 泉見洋平 森公美子 原田光

クールフェラック コンブフェール レーグル ブリジョン モンパルナス 買い入れ屋 ファクトリーガール マダム 少年２

麻田キョウヤ 近藤大介 港幸樹 佐嶋宣美 赤座　浩彦 荒井小夜子 浅野　実奈子 児玉　奈々子 稲田みづ紀

ジョリ フイイ バベ プルベール クアクスー マテロット ジベロット 少年１ かつら屋

中本吉成 石井一彰 櫻井太郎 野島直人 梶雅人 折井理子 歌納有里 岡村さやか 本田育代

　ああ………やはりレミゼはいい……！！
　ところで二階のロビーには舞台衣装の展示があったのですね、しかもアンジョルラス。なにこの狙い定めたようなキャラ選択は。
　囚人時にちゃんと囚人番号があったとは。２４６５４番だそうです。バルジャンと一番違いだね！
　アンジョルラスのスーツ姿のときのネクタイの色は、最初は赤で２００３年に黒になり、今は両方あるそうです。６月に見たおふたり（岸さんと原田さん）はどちらも赤でしたな。ということは、あれ、演じる役者さんが自分で選んでいるのですか？

　キャスト感想です。とりあえず、ふたばが「今ジャヴェール素敵ー！」と横でうるさいです。


■ジャン・バルジャン：今井清隆
　最初の荒み方が良いですよね。あの悪っぽい笑い方が素敵。
　鞄を地面に叩きつけようと振り上げ、できずに鞄に引きずられるように倒れ込む、あの動きに毎回うっとりなのです。
　そして改心した後の聖者のような表情がまた素晴らしいのです。娘大好き父性愛全開パパだしな。
　ジャヴェールに「私はそのバルジャンではないのか」と言うとき、ちょっと冗談めかしたような言い方をしていたのが印象的でした。余裕あるじゃない。今ジャヴェールが心の底から市長殿を信じていそうだったからなのでしょうか。
　対決、熱かったです。怒鳴り合ってましたね！
　さらに市長様は、宿屋で椅子を倒したとき、勢い余って宙に舞わせていました。本気で一回転してたよ椅子。テナルディエ夫妻に「危ないよ」と突っ込まれてました。爆笑。気持ちはよく分かるけど、落ち着こうねパパ！
　「彼を帰して」で最後の高音がちと危なかったですが、いいのです。マリウスに対する態度がまた実に良いから！！
　俯いて縋り付くようにして「頼むよ」、最後に抱き締めてから去っていくあの姿……ああパパ素晴らしい！　その調子でジャヴェールも抱き締めて欲しかったよと、観るたびに思ってしまうバルジャンなのです。ええ無茶なのは分かっているのです。
　カーテンコールにて、最後にジャヴェール及びリトルコゼット＆エポニーヌと一緒に投げキッスをくださいました。素敵なパパ……。


■ジャヴェール：今拓哉
（※注意：ジャヴェールならなんでも素敵と言う人間が書いています。）
　双眼鏡でとっくりと眺めてしみじみと思う、「綺麗な顔〜〜……」。
　いや、本当に美しいですよね！　ていうか目でか！！　少女漫画に出てくる美形みたいですぜ。髪はやっぱりサラサラストレート。くるっと振り返った瞬間にサラリと翻る様も大層麗しゅうございました。少女漫画に出てくるポニーテイル美少女みたいですぜ。ああもうほんとジャヴェールなのに。死ぬときも５０代にはとても見えないし（笑）　絶対ファンいるぞ、あの警部殿！（いい加減にしなさい）
　ちなみに足に縋り付いたファンティーヌを振り払う態度が酷かった。あんた、警棒で払うことはないでしょういくらなんでも！　酷い！　やっぱり許せないのかなああいうの。
　そしてどうもこの方は市長殿を本気で信じているように見えました。バルジャンの告白聞いてものすごく驚いてますね。ほう。
　対決は本気で怒ってますね。ものすごく軽蔑した調子で「市長様」を言っています。うわーい！　熱いよ！！　テナルディエの襟足掴み上げて「間違いないな！」と怒鳴ったり、やはり今ジャヴェールは熱いです。
　スターズ。お祈りの手を組む位置が変わってる！（叫ぶようなことなのか）　あの可愛らしい「胸の前」から膝の上に。しかしやけに俯いていて熱心に祈りを捧げているように見えて、やはり可愛かったです。あと、やっぱり星の光を集めて胸元に握りしめるような仕草をなさいますね！　素敵！！
　そして「ワン・デイ・モア」ではちゃんとお祈りを唱えていらっしゃいます。素敵。
　バリケード。
　学生さんたちに捕まって連れて行かれようとしたとき、腕を掴んだ若人たちの手を振り払って、むしろ彼らを先導するかのように堂々と胸を張って歩いていった姿に惚れ惚れしました。かっこいいよかっこいいよ警部殿……！！　「学生の裁判、笑わせるぜ」でアンジョルラスに指突き付け、砲撃が始まっても微動だにせず、ああもう本当に素敵！！
　しかし、ここで学生さんたちが言い返す台詞がなくなったため、彼らが完全に迫力負けしたまま終わってしまうかたちになってしまって可哀想です。
　特にコンブフェール（「俺たち死んでも何かが残る」）やグランテール（「学生とスパイの死がどこが違う」）なんて、すごく深いこと言ってるのに。反論させてやろうよ！
　……まあ、ジャヴェールがひたすらかっこよく終わってもそれはそれで個人的には。（…すみません）
　逃がそうとしたバルジャンにもどうやら本気で怒ってます。「貴様は盗人」といい「殺せ今すぐ！」ですごい勢いでナイフを引き付けるところと言い、やっぱり熱いわ今ジャヴェールは。
　そして、若い印象のせいもあるのでしょうが、どこか危ういというか、ピンと張り詰めて僅かなきっかけで切れてしまう糸のような印象を受けるのですが違うでしょうか…。
　陥落したバリケードに飛び込んできて必死に探し回る姿はやはり可愛らしいと思います。ああ、５０代に見えない！（笑）
　そして自殺。バルジャンの顔を正視できなくてとっさに背を向け、「すぐ行くのだ」と言ってしまったようですね。やっぱり膝つくんですね！　思わず拳を握りましたよ！
　これまで熱かったのが、ここでは登場したとき妙に無表情なのもいい。それが「俺は法律、なめるな！」など叫んじゃうのもいい。だんだん追い詰められていく、という感じです。追い詰められて必死に逃げて、そして橋の上に…という風に見えました。笑い声が怖いです。真面目なだけに壊れると危ないよね！
　ああ、やっぱりすごく美しくて可愛いｖ　どう考えてもジャヴェール警部殿に冠する形容詞じゃないけど。素敵だった…。


■ファンティーヌ：渚あき
　何と言いますか、かつては本当に夢見る少女で、今もその部分を残しているような印象を受けました。誉め言葉じゃないですけどね、彼女の場合。とっとと目ぇ醒ませアホとしか言いようがないので。
　娼婦になってからの荒み方とのギャップが哀しいです。以上。


■エポニーヌ：坂本真綾
　可愛いですね……。
　なんとなく、マリウスとは最初は普通の友達だったんじゃないかという気がしました。彼女の方は彼のことを好きになっていたのに、彼の方は全く元のままのつもりでいる、と。
　不毛だけど、せめてもの友達の関係を崩すのが怖くて告白できない、という少女漫画のような葛藤が。
　坂本エポニーヌはオン・マイ・オウンで帽子を取らないのですね。あれはやっぱり役者さんそれぞれで違うのね。
　それにしても、どうせ「夢見る」なら「彼とふたりで幸せな家庭を」くらいのこと言ってみても良いのに、彼女の「夢」は「ふたりだけで一緒に歩く」なのね。……くっ！！
　死のシーン、ひたすら笑っているのが泣けました。ああ、天国で安らかになってくれ！


■マリウス：泉見洋平
　ああヘタレっぽさがかわいい。マリウスにムカつかなくなったとき、私はものすごく「年取った」という実感があったんだよなあ…昔は結構本気で腹立ったのになあ、この男。
　エポニーヌには笑いますね。「何だよ、ふざけて」も笑ってる。やっぱりごく普通に仲良しだったように見えます。
　で、泉見マリウスは以外と芯に熱いところがあるのか、エポニーヌの死後激情を叩きつけるように足を踏みならしたりするのがよろしいです。動かなくなった彼女を咄嗟に揺さぶるのもいいです。
　カフェソング、泣けます…。そして、バルジャンの告白に（というより、「だから一緒には暮らせない」ということに）ものすごくショックを受けているようです。
　…パパって呼びたいんだねバルジャンのこと！　分かるよ、今井バルジャンはそう呼びたくなるよね！　マリウスファザコンだしね！！
　抱き締められる姿が異様に似合っていたように思います……ははは。


■アンジョルラス：東山義久
　美人ですなあ！　相変わらず中性的というか、はっきり言ってヅカの人のような現実離れした美しさですね。何度見ても我が目を疑うわ。美しいわ。今ジャヴェールと並んでバリケードの二大美形でしたわ。（ちょっと待て）
　しかしなんだかものすごく男っぽくなってます。声も低めだし。歌も上手くなってますねー！　すごく男前度が上がってるよ、かっこいいよカリスマバリバリだよ！！
　ところで、最初はきっちり束ねているのにバリケードで時間が経過するにつれてだんだん落ちてくるその髪は、やはりこだわりですか。
　あ、そう言えばこの方は黒タイですね。そしてカフェでは袖をまくっていません。もしや赤タイと袖まくりはセットだったりするのでしょうか。
　赤と黒のシーン、マリウスの流しっぷりが素晴らしいです。無視。完全無視。振り向きもせずひたすら書類を見てました。マリウスが可哀想になってくる勢いです。説教も肩押さえつけて無理矢理座らせてだし、厳しいな。（笑）
　何だかものすごくパワフルで行動力ありそうです。そして、なんとなくですがものすごくよく喋りそうな印象があったのですが、違うでしょうか…。
　誰も口を挟めない怒濤のような勢いで語りまくりそう。コンブフェールは聞き役で、うんうんとか頷きながら上手に相槌打って軌道修正をしていそうな。あの、ファンの方、怒らないでください。
　ドリンク・ウィズ・ミー。この方はじーっと見下ろすだけですね。でも、バリケードのてっぺんの一段下で足だけかけてしばらく立ち止まり、ゆっくりと登っていったのがなんとも言えませんでした。
　そしてそして、「彼を帰して」のシーンが素敵だったのですよ！　これまで基本的にバルジャンを見ているシーンだったのですが、ふと見てみたらアンジョルラス、何してるの！！
　コンブフェールがアンジョルラスを見上げているのに気付いてバリケードの上に視線を向けると、アンジョルラスも見つめ返していたのですね！　うおおっ！！　さらに彼は捧げ持った銃に何か祈りを込めるように額を付け、それから天を仰ぎ、ゆっくりとバリケードの向こう側に目をやったのでした……。
　なんというか、このとき全ての運命を悟ると同時に受け入れたんじゃないかと思えたのですよ！　これはきました！　うおー、泣けるぜアンジョルラス！
　さらに彼はガブローシュの死に天を仰いでいました。くっ！！　あ、ちゃんと届いてましたね。
「ガブローシュの最期の歌は前の方が好きやった」とふたばが言ってていますがそこはそれ。
　最後、何故かグランテールの横をすり抜けてさっさと駆け上ってしまったのがちょっと哀しかった（笑）ですが。あれは何だ、タイミングがずれたのか……。でも、バリケードのてっぺんで一瞬だけ振り返っていたので全て良し。
　……カーテンコールにて、何やらジャヴェールに遊ばれていたようです。麗しい絡みでした。はい。


■テナルディエ夫妻：駒田一＆森公美子
　もうあえてなにも言う必要はないお二方。素晴らしい。
　仲良くはないけど、割れ鍋に綴じ蓋的に相性ぴったりな夫婦という感じでした。て言うかすごい。すごすぎる。「ファンティーヌ、死んじゃったー」「可哀想にー」と思いっきりわざとらしく調子を合わせたり、バルジャンが去った後「もっと取りゃよかったのに」などと喧嘩したり、実に息は合っていますね。面白すぎます。
　駒田テナルディエは、下水道で本当に怖いですね。居直り方が真剣に怖いです。この人は本当に、核戦争後も生き残ってるぞ！　ゴキブリが絶滅しても生きてるかもしれん！　怖い本気で怖い！！
　森マダムの方は、まあなんというか存在自体が素晴らしい方ですが、とりあえずあの胸の谷間が目映くてなりません。ああ一度で良いから顔を埋めてみたい。それが無理ならせめて触ってみたい。あの谷間にお札とか突っ込んでみたい。旅人さんがうらやましい…。
　いや、あそこまですごいと、もうグラマーがどうの色気がこうのといった世俗のレベルを超越し、いっそ神々しい。母なる大地のようですよね。ああ大地母神の大いなる懐に抱かれてみたい……。
　……ひとは自分にないものに惹かれるんです。どうせ私はグレートプレーンズです。
　結婚式。ひっくり返ってスカートが裏返るところまではいいとして、助け起こそうとした男ふたりに深刻なダメージを与えるマダム。給仕長さん、腰を痛めていらしたようですが、大丈夫でしょうか？　たかる声を聞きとがめられて「ティリリリ〜〜ン♪」と良い声で歌ってくださるあたりもさすが。
　さらにテナルディエは落としたお盆を拾って給仕に渡しておいて、彼を指差して「ドロボー！」などと叫んでくれました。もう素晴らしすぎます。
　後、オカマ紳士をやたらハンカチではたこうとしていたのは何なのでしょうか。そして状態を柔軟に逸らしてよけていたオカマ紳士が素敵でした。


　やはり、レミゼは良い…。そして今ジャヴェールは美しくて可愛い！　今井パパバルジャンは早く抱き締めてやってくれ！
　あ、忘れるところでしたが前回の感想に訂正。ガブローシュの最期の歌、「三発目で神父と市長」ではなく「司教」ですね？　失礼致しました。
　休憩時間に聞こえてきた声。
「千五百フランっていくらくらいなんだろうね？」
　百五十万円くらいですよお嬢さん。
　当時の一フランはほぼ今の日本円にして千円くらいだそうです。つまりファンティーヌのロケットは約五千円、髪の毛は約一万円。果たして高いのか安いのか。


　以上、お読みいただきありがとうございました。

　そしてこの後ソワレもあるのです。濃い一日だなあ……。

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