レ・ミゼラブル　２００７年６月２６日（火）昼公演１３：００〜
帝国劇場一階Ｓ席

ジャン・バルジャン エポニーヌ コゼット テナルディエ アンジョルラス

今井清隆 坂本真綾 菊池美香 三谷六九 岸祐二

ジャベール ファンティーヌ マリウス テナルディエ夫人 グランテール

阿倍裕 渚あき 小西遼西 瀬戸内美八 伊藤俊彦

クールフェラック コンブフェール レーグル ブリジョン モンパルナス 買い入れ屋 ファクトリーガール マダム 少年２

麻田キョウヤ 近藤大介 中井智彦 藤田光之 田中裕悟 わたりあずさ 藤咲みどり 井上珠美 吉岡里奈

ジョリ フイイ バベ プルベール クアクスー マテロット ジベロット 少年１ かつら屋

中本吉成 石井一彰 丹宗立峰 野島直人 梶雅人 折井理子 歌納有里 岡村さやか 亜久里夏代

　東京まで観に行って（もうこの点はさらりと流す）、帰りに自宅に電話して出た妹に、私が開口一番言った台詞。

「コンブフェールが眼鏡やったで！！」

　……うん、まあ、他に何かあるだろうという意見はすごく分かるんですが………お初のジャヴェールはどうだったとか、以前削られたのが戻ったシーンがあったとか、何よりガブローシュの歌とか、もっと重要な案件がいくらでもあるとは思うのですが、でも嬉しかったの、感動的だったの！！　ありがとう近藤コンブフェール！！

　ロビーに素敵なものが。２０周年記念ということで記念パンフが普通のものと一緒に売ってたり（商売上手め！　もちろん買ったとも！！）、キャストのメッセージ色紙が飾られていたり、「司教館へようこそ」と司教様のおうちのテーブルがあったり。しかもバルジャンと司教様と司教様の妹（の人形）が座っているのですが、さらに舞台に出てくるものよりひとつ余分に椅子があって、「どうぞご自由にお座り下さい」……え、いいの？　これは本当に座って良いの！？　ネタじゃなく？
　…ひとりでそういうのに挑戦する度胸はありませんでした。私は日本人です。

　久々のレミゼはやはりいいですね！　新ジャヴェール目当ての遠征はかなり当たったように思います。素敵でした！


■プロローグ
　ジャヴェールけっこう体格良くて強そう！　でもって渋くて太くていい声よー！！（バルジャンはどうしたというツッコミが今聞こえましたが聞こえないふりです）　許可証は普通に渡してますね。
　どうも、バルジャンにというよりは「犯罪者」に対して真面目に怒っているように見えました。軽蔑しているのではなく怒っているという印象でした。
　で、ちょっと伸びてます。働こうとして追い出された後で、「今はどの家も俺には扉を閉ざして　仮出獄の黄色い紙切れ見せねばならん　奴ら怯えて失せろと言う」という歌詞が入り、さらに宿屋で宿泊を断られるシーンが。ほぉおお！！　そうか、そんなシーンがあったのですね！
　これ、２０周年記念の特別バージョンなのでしょうか。今回が終わったらまたなくなっちゃうのでしょうか。もしそうだとしたらちょっと惜しいです。


■一日の終わり〜夢破れて
　工場長……えーと、下手端に近い席だったのでよくは見えませんでしたが、手紙でファンティーヌを撫で回したり、抱き寄せたりしてましたよね？　お前はまた……
　手紙返すときは、いやみっぽーく丁寧に折り目を付けて四つ折りにし、一応手渡しました。握りつぶしたりわざと落としたりするより紳士的ですが、「出て行け！」と怒鳴る声はかなり怖かったですよ…。
　ファンティーヌはかなり線の細い感じというか、頼りなげな女性に見えました。
　はっきり言えば、ひとりでしゃんと立て、と言いたくなる女。うん…多分、本来なら男にはかなりモテるタイプですよね。こういうふにゃふにゃした女、男は好きですよね。もうちょっと見る目があればな……。
　どうも、本気で今でも捨てた恋人を本気で好きなんじゃないかという感じがしたのですよ。夢を捨て切れていないような雰囲気がありました。「待ち続けてるわ」とかもどことなく本気に思える。あの、それってどうなんですかお嬢さん…？


■ラブリィ・レイディ
　ファンティーヌはやっぱり自己主張弱い女ですね。病気になる前からフラフラしてるような印象がありますよ。しっかりせんかい、というのは今更ですがねこのひとの場合。しっかりするならもっと前にしておくべきだったよ。子ども預ける相手とか。もっと言うなら男の選び方とか。
　ジャヴェールの足に縋り付いていました。ジャヴェールは思いっきり足を引いてしまいました。感情はあまりなさそうです。軽蔑や怒りよりも、「邪魔だ、放せ」程度のことしか思っていないように見えます。冷たいよ！
　ファンティーヌはバルジャンに見られまいとするように身体を隠すのが哀れでしたね。でもバルジャンを恨むのは逆恨みだけどね。ここでツバなんか吐くぐらいだったら工場でもうちょっとまともな釈明をするべきだぜ。


■馬車の暴走〜裁判所
　ジャヴェール、あれは市長殿の正体に気付いてる…かな？　「そいつのことならよく知ってます」というとき、かなりはっきり笑っていたようです。
　バルジャンの苦悩は本当に良いですねー。でもやっぱりお前逃げる気満々だったことは素で忘れてるな？　仮出獄許可証破り捨てた時点で言い訳のしようはないぞ？（笑）
　…えっと、まあこの手のツッコミは過去に何度もしているのでもう良いとしまして、とりあえず。「俺は誰なのか！」を、思いっきりジャヴェールを指差しつつ言っていたのが何というか至福でした。（は？）


■対決
　特筆すべきこと。ジャヴェールさんは、「市長様　追い続けた」と言いながら、礼をなさいました。ええ礼儀正しく。
　素敵！　何て嫌味なの！？　そーだもっとやってやれ！（待てい）　いやほんとかなり本気で感動しましたよ私は。素晴らしいです警部殿。
　それにしても両方声が太くてかっこいいです。あとこの警部強そうです。拳振り回して殺る気満々な今井バルジャンとも、かなり良い勝負できそうに見えるんですが。…まあ、この先は言わないお約束ですね。


■モンフェルメイユ
　テナルディエは小悪党っぽいというか、お調子者でヘラヘラいい加減に生きてたらこうなっちゃった、という感じに見えました。首にかけた伝票を振り回して首に巻き付かせてウケを取ったり、ひたすらふざけて生きてるように見えます。
　マダムは相変わらずいい胸ですね。わざと旅人にさわらせて金を取る辺り、きっちり武器と認識しているようです。
　取引が終わってバルジャンがコゼットを連れて去った後、マダムが夫に「どうしてもっと取らなかったんだよ！」と言っている声が聞こえました。…うん、バルジャンも、いきなり５００フランとか見せつけるのが良くないんだよ。もっと搾り取ってやっても良かったと思うけどな、こんな金持ちからなら。


■パリ
　アンジョルラス、赤タイですねー！！（笑）　でもって、長髪です。くくってます。おおっ、かっこいいぞー！
　相変わらず熱くて力強い声で大変素敵。いいなあ！
　マリウスは何だかやたら細っこくて、いかにもなボンボン系に見えました。
　で、「何だよ、ふざけて」が怒ってます。怒っているというか、「何だよ、お前関係ないだろ」みたいな冷たい態度。エポニーヌが報われません。ごめんマリウス、これで一気に私の見る目は辛くなった…。
　警部殿。テナルディエの胸倉掴み上げて「胸の焼き印は間違いないな！」　怖いです！　あれはテナルディエでなくてもビビりますって！
　はい、阿部警部殿は見た目からして結構強そうなので、かなり怖い迫力があります。素敵です。（結論はそこです）


■スターズ
　……あれっ？　ジャヴェール、シルクハット持ってる？　…あれ、そう言えばそもそも前のシーンで彼はシルクハットなんて持ってるものでしたか？　え、そもそも日本のジャヴェールはここで帽子なんか被ってなかったような……ということは、あれは阿部ジャヴェール限定の小道具？
（※海外のジャヴェールはシルクハットをかぶっているようですが、日本はないですよね）
　お祈りポーズ。
　シルクハットを持った左手を背中に回し、右手の平を胸に当てる。おっ、こちらも「誓う」ポーズですね！　個人的に好みです。
　警部にはこういう重々しい雰囲気が欲しいですね！　なので阿部ジャベさんはかなり私的に好印象です。（えらそう）　歌も文句なしに上手かったし。裾捌きもシャープでかっこよかったし。
　嬉しい、新ジャヴェール素敵だわ。むやみに「鈴木ジャベカムバァアアアックー！」などと叫んですみません…。


■ABCカフェ〜赤と黒〜人民の歌
　コンブフェールが眼鏡ー！！（もうええっちゅーに）
　何故だろう、何がこんなに嬉しかったんだろう。コンブフェール＝眼鏡という先入観は、これほどまでに私の中に深く根付いていたのでしょうか。これまで見たことなかったのに。
　で、アンジョルラスですが。
　…なんか、かなりマリウスを無視してませんか。全然相手にせず、理解もしてませんねひと欠片も。うん、アンジョルラスはそれでいいのよ！（マリウスの扱いが本気で酷いですが気にしないでください）
　で、放置くらったマリウスの落ち込みっぷりが可愛いです。そして周囲の勢いにそのまま流される彼のヘタレさが非常に分かりやすうございました。小西マリウスってどうも私のマリウスイメージにかなり合致するタイプのようですよ…。（注：キャラとして嫌いなタイプということになってしまいますが）
　そして、かなり「おおっ」だったこと。ガブローシュが駆け込んできてラマルクの死を報告したとき、仲間たちは全員彼に注目していますが、アンジョルラスだけは一度も振り向かずに正面を向いていました。
　ガブちゃんが現れたときから既に「来るべき時が来た」と覚悟していたのでしょうか？　かっこいいー、きゃー、などとひとりで感動している怪しい奴が客席におりましたごめんなさいアンジョルラス。岸さんのアンジョルラスは男前ですね！


■プリュメ街
　マリウスはエポニーヌの肩を抱いて「僕は飛ぶよ虹の空へ！」とアホ丸出しに叫ぶわけですが、エポニーヌがおずおず伸ばした手がそのマリウスの手に触れかけたところで離れる、という素晴らしく残酷にしてナイスタイミングな展開に涙しました。
　そして、マリウスがコゼットの手を取ろうとして一瞬「え、いいのかな」と躊躇い、直後勢い任せのように両手で思い切りぎゅっ！とやったのがなんか可愛かったです。うーん。
　……それにしても今井パパは本当に凄まじい勢いで飛んでおいでになりますね。（笑）


■ワン・デイ・モア
　素敵に熱いアンジョルラスとかまたもフラフラ流されるマリウスとかいろいろあるんですが、ジャヴェールが「明日は革命……」と登場した瞬間に全て持ってかれた。いいですねー、低音いいですねー！　素敵ー！！（趣味です。すみません）
　ところで以前から疑問に思っているのですが、「彼女と行くか仲間と行くか」と悩んでいたということは、マリウスは前者を選んだ場合コゼット追っかけて海まで越える気だったのかい？（バルジャンがどこへ行くつもりだったかにもよるけど、「船で渡ろう」って言ってるし…）
　どこだろ、フランスから海越えるならやっぱりイギリスか。それともいっそ新大陸へ雄飛するか。カナダならフランス語通じるけど。…でも、彼にそんなお金があるのでしょうか。そこを考えないのが若者の特権ですか。
　…まあ、本音言うと若人の暴走はどうでもいいです。ジャヴェールの低音が最高だったから！（おい）　「明日は裁きの日」でおっさんふたりの声が揃うのが、最高に嬉しかったです！


■バリケードを築く
　…あれ？　なんで、ジャヴェールがこんなにグランテールに絡んでるんだ？（笑）
　えー、「俺には分かる〜♪」と言いながら登場した彼は、何故か真っ直ぐ上手端っこにいたグランテールのところに行き、彼の肩をちょっと叩いてから中央へ行ったのです。
　やっぱり、元だからなのか？（笑）
　ジャヴェールにとって、グランテールは全く共感できないタイプの人間だと思うのですが（反徒としては役立たずだから無害な奴と思ってるかもしれないけど）。
　マリウス。「まだいるだろうか……」というところ、エポニーヌに手紙押し付けたあと彼女を見ずに言っておりました。闇に乗じて殺ってもいいと思いました…。


■オン・マイ・オウン
　涙………。その一言。
　えーと、どうも小西マリウスは本気でエポニーヌに対して冷たいようなので、「なんであんな男が好きなのよあたしの馬鹿ー！！」ぐらいの気持ちになってるんじゃないのかと思えてきます。不憫ですエポニーヌ。


■バリケードのジャヴェール
　あれ？　ここもちょっと増えてますね。「俺たちは守るバリケード〜♪」からの一連の学生たちの台詞、昔のＣＤには入ってるけど２１世紀版からなくなってましたよね。それが復活。
　これは嬉しい。学生さんたちのキャラが出るところですしね！　贅沢言うならジャヴェール捕まえた後のやりとりも復活させて欲しいんですが、駄目ですか？　あれ、すごく好きなんですが！
　で、このアンジョルラスは本気で心の底から「警告は嘘だ」と思ってますね。うーん。いや、まあ、アンジョルラスは基本的にそういう人なのだとは思うのです。少なくともこの時点では、疑いは微塵も持ってないと思うのです。でもねー。
　ガブローシュが「名前はジャヴェール！」と言ったとき、「ジャヴェールだと？！」という声が聞こえました。おお、有名じゃないか警部。


■恵みの雨
　ふむ。マリウス、助け呼ぼうとしてますね。ここはよろしい。（何様だ）
　しかし小西マリウスは普段かなりエポニーヌに冷たいので、彼女のことを友達としてでも好きだったというのがやや意外です。いや、悪いとは言いませんけどねもちろん。言いませんけどねーもちろん。
　…だったらもっと普段から優しくしておいてやれってんだよこの馬鹿野郎！と、襟首ひっつかんで詰め寄りたくなるのはエポニーヌファンとして仕様みたいなものなので見逃してください。すみません。
　アンジョルラスとグランテールは睨み合い。しかし、「彼女が最初…」の後もグランテールは顔を背けたりはせず、隅のテーブルに座ってじっと友人たちを見守っていました。あ、こういうのもありなんだ。
　そして、エポニーヌが運び去られた後その場に泣き崩れるマリウス。彼を支えて抱き締めるアンジョルラス…！　これはけっこう来ましたね！　抱き起こすようにして箱に座らせ、横から肩を抱き、バルジャン登場に立ち上がるときはいたわるように背中を叩き……岸アンジョルラスは優しくて良いなあ！


■攻撃
　バルジャンが、「このスパイジャヴェール！」とやけに強い調子で言ったのは、あれは演技なのかそれとも本音が…うーん。彼もあまり冷静じゃなかったんですかね、この状況。
　ジャヴェールは戸惑うと言うより怒っているように見えました。去っていくとき、行きかけて立ち止まって振り返り、銃を構えたバルジャンに向かって両腕を広げて見せたのが印象的でした。本当に撃たないのか確かめてみたみたいな。うーん。
　……ちなみにこの項目、学生に関する記述が一行もないのは仕様です。


■ドリンク・ウィズ・ミー
　心底どうでも良いことなのですが、ワイン（なのかな？）を回し飲みしてる学生諸君、誰ひとりとして飲み口を拭いてませんね。…まあ良いけどな。君らが良いんなら。
　そして思いっきりあおって残っていた分一気に飲み干したと思われるリーダー。豪快な飲み方でした。
　そして、グランテールに対しては、じーっと立ち尽くして見下ろした後、すっと目を逸らしてバリケードを駆け上り、そしててっぺんの一段下で立ち止まりました。うんうん。さらにゆっくりと振り返って見下ろし、最後の一段を上がる……くっ！　いい！　岸アンジョルラスのこれ、なんとも言えず好きですー！
　ちなみにグランテールは、マリウスの「死んでも良いさ、コゼットは旅に出る」を聞いて、「は？　何言ってんのこいつ」みたいな表情をしていたんですが…。


■彼を帰して
　…マリウスが仰向けで片膝立てて寝るのはそういう演出になったのか？　どーしても違和感があるんですが。この状況でこの豪快な寝方。
　まあ、歌がすごく泣けたからいいか。（毎度こんな結論ですみません）
　いや、いいですねやはり。素晴らしいですね！　今井パパバルジャンの本領発揮です。ああそうか、このシーンはそもそもマリウスなんか見てなきゃいいのか。（おい！）


■最後の攻撃
　ガブローシュの歌が変わってるー！！　何か色々と吹っ飛んだ瞬間でした。
　「チビ犬でも戦えるぞ♪」というあの歌が、変わってました。

　「十発ある弾で自由を手に入れろ　　一発目は王様に　二発で貴族たおせ
　　三発目で神父と市長　四発で警察署長　　今がチャンス　一、二、三……」

　おおおおおお。最後の「一、二」を敵の政府軍を指差しながら言い、「三」で撃たれてのけぞり、伸ばした指が天を指すのですよ。そしてそのまま倒れるのですよ！　おおおおおおお！！
　すごい、これは今だけなのでしょうか？　こんな大幅な変更（削除じゃなくて変更ですよね）は他になかったぞー！　何故いきなり？　本家のロンドンで変わったとか？　て言うか私はロンドン版のレミゼを一番古いバージョンでしか知りませんが。
　とりあえず感激でした。おかげで他のことをほとんど憶えていません。アンジョルラスが倒れたマリウスにすがりに行かず、横に突っ立って見下ろすだけだったくらいです。そしてくるっと身を翻したところでグランテールに腕を掴んで止められ、彼の肘をぽんっと叩いてから上へ。泣けるぜ……。

　そして陥落したバリケードに駆け込んでくる警部。
　…あの、やっぱり腰掛けてお祈りしているように見えるのは今さんだけなんですね。（笑）
　阿部ジャヴェールは一通り捜した後バルジャンを発見できなかったためか「畜生！」というように地団駄を踏む仕草をしていました。で、ちょっと休憩しようと座りかけたところで下水道の入り口を発見した、という感じでした。普通ですね、警察官として。ね。（しつこい）


■下水道
テナルディエ。歌いながら死体を蹴り転がしてうつ伏せにし、その背中を踏みつけて歩き、さらに座りました。おいこら！（笑）　まあ、腹に座らなかっただけマシ？（それは酷すぎる）
　さらに、「きひゃあははは……！」という笑い声が異様な迫力。な、何事だテナルディエ。宿屋やってた頃は単なるせこい小悪党っぽかったのに、何だか真剣に怖くなってるぞ。パリで苦労して一皮剥けましたか！？（すごくやな成長の仕方だね）


■ジャヴェールの自殺
　警部、「慈悲を求めるか！　この俺に！」が怒ってる。ふうん…。
　どうも、阿部ジャヴェールはこの辺り、かなりはっきりした怒りが見えます。困惑とか迷いとか、自分でも理解できない様々な感情を、「怒り」というものの中に無理矢理押し込めた……というか、「怒り」として理解しようとしてる感じでしょうか。
　でもね、正直、その怒りを全ての原因であるバルジャンに向けて、彼への腹いせに自殺したようにちょっと見えたのですよ。「ざまー見ろ、お前なんかに感化されてなんかやるもんか！」みたいな。（おい）
　大雑把な解釈ですみません。ていうか滅茶苦茶言ってますね、ごめんなさい。
　そして、笑い声が怖かった。下水道のテナルディエと張れるくらい怖かったですよ「ひゃははは…！」って！　正直かなり引きました。
　歌は素敵でした……やっぱり低音だね！（趣味）


■ターニング
　伸びてるっ！？
　ええと、ここの女性たちの歌、増えてますよね。というか、ここもカットされてたのが戻ってますよね！
「見たかね死んでたが　小さなときにあやした子だ」
「並んで寝ていたよ」
「起こして」
「起こせない」
「教えなかった　死ぬことなど」
　……ここ、ＣＤ聞いただけだったけど大好きなんですよ！　嬉しい、すごく嬉しい！
　この変更、今後定着するんでしょうか。是非ともして欲しいです。


■空の椅子とテーブル
　…ごめん、この辺もうどうでもいいんですけどね。
　マリウス君が「ああ友よ、聞くな！」で幻影を追い払うように手を振っていたのがちょっと印象的でした。ちなみに後ろのアンジョルラスが自分からグランテールの顔を見て、彼の肩に肘を載せていましたよ……ふふ。
　そしてバルジャンの告白で「あの子のためには隠し通さねば」を聞いてコゼットの去っていった方を振り向き、そのままぼーっとそっちを見てました。「誰だ、私は」と言われてようやくバルジャンを見る。途中で「こいつ、ちゃんと分かってんのか？」と思ったほどぼーっと見てましたよ。つうかマリウスよ、人の話は相手の顔見て聞けよ！
　「そうします」でちょっとしっかりした声を出してくれたのはまあ良かったですけどね。（何様だこの書き方）　とりあえず今井バルジャンはぎゅーっと抱き締めていってくれるのが素晴らしいですよね！


■結婚式
　マリウスの「出てけ、テナルディエ」はちょっと抑えた感じ。割と迫力あり。金の撒き方もなかなかきつい。
　そして新郎新婦が去った後、妻が夫の腰を支えてジャンプさせてました……。えっと、この文章では意味が分からないかもしれませんが、男女逆ならバレエでよくある振り付けだと思います。はい。結構仲良いんだよな、この夫婦。
　「オカマ」と指摘された紳士が、連れの女性に引かれていたようなのですが、彼らのその後が非常に気になります。（笑）


■エピローグ
　やっぱりここは泣けるやねえ！！　「お前は…愛した母が……」という辺りで泣いてましたよね、ああパパ……！　そりゃ娘も泣くよねー！
　今井さんのバルジャンは明らかに一旦死んでますよね。で、死んだ後で魂だけが導かれるように立ち上がりますね。うん、綺麗だ。


■カーテンコール
　前の人たちが一斉に立ったもんで、スタンディングしてきましたよええ。ついでに「ブラヴォー」とか叫んできました。
　ジャヴェールの満面の笑顔って、やっぱり違和感あるなあと久々に実感。……いや、カーテンコールなんだからここでまで仏頂面してろとは言えないんですけどね、けどね！
　ラスト、バルジャンとファンティーヌが仲良く投げキッスして去って行かれました。可愛かったです。（小学生の作文風に）



　休憩時間、隣の席の方と「大阪から観に来たんですよー」「いいですよねー」と盛り上がりました。素晴らしいですね。こういうところで逢った人って、赤の他人でもすごい連帯感がありますよね！（笑）
　ああ、堪能……。

　とりあえず、２０周年記念だからなのかもしれませんが、あの変更部分は是非ともこのまま行っていただきたいと、切に願う次第であります。

　以上、お読みいただきありがとうございました。


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