レ・ミゼラブル ２００６年３月２０日（月）昼公演１２：３０〜
中日劇場 ２階Ｂ 席
ジャン・バルジャン
エポニーヌ
コゼット
テナルディエ
アンジョルラス
ガブローシュ今井清隆
坂本真綾
劔持たまき
コング桑田
岸祐二
大久保祥太郎ジャベール
ファンティーヌ
マリウス
テナルディエ夫人
グランテール今拓哉
井料瑠美
藤岡正明
田中利花
伊藤俊彦
あれは３月１４日のことでした…。
レミゼを観るべく中日劇場にやってきた私は、開場時間までの空き時間、ふと入り口横のチケットセンターに入ってしまったわけです。
……そうよその通りよまた血迷ったんですよ！！ 賭はあんたの勝ちだ妹よ、予定調和とも言うけどな！！
以前から十分に予測出来たことではあるのですよ。
１２日に観た後、ネットでキャスト予定表を眺めつつ、「あ……この日なら行けるかも……今井バルジャンと今ジャヴェールかあ、いいねえ……おおっ、岸アンジョルラス…」などと呟いていた時点で。
この「……」の辺りにもう全てが現れていますね。
どこかで障害があれば思いとどまったはずなのです。
今日休みが取れなければ。
チケットが売り切れていれば。
そうすれば潔く諦められたはずなのにー！！（嘘をつけ）
月曜昼公演が売り切れなんてあり得ねえだろそれこそ山口バルジャンでもない限り、取れるわよ…と脳内でささやいていたのは天使か悪魔か……（笑…えねえ…）
ま、しかし、Ｂ席にしておく理性はあったようですな。だって、Ｂ席なら、差額で名古屋への足代が出るんだもーん！ …変なところでケチというだけのことかもしれませんが。とりあえず、電車の切符取ってくれてありがとう妹よ。
前置きおわり。
実は効率よく今公演マリウスとテナルディエ夫妻をコンプリート。しみじみと、違うものなんですねー。
マリウス…うーん、すごい。藤岡マリウス、泉見マリウスの「何だよ、ふざけて」のノリで「しょーがねぇ奴だなお前は〜」とデコつついてやりたくなるキャラですわ。いかん、マジ可愛い。
そして、全く感情の見えてこない鈴木ジャヴェールを連続して見た後だと、割に熱血路線で感情がはっきりしている今ジャヴェールがすごく新鮮でした。…ていうかね、すっごくすっっごく素敵だったの……（あーはいはい）
今井パパバルジャンはもう言うまでもなく。
さらに岸アンジョルラス。いや、かっこいいですね！ 見た目も長身で華があるし、声もバリトン（好みです）でよく響いて素敵だし、大阪で見たときは「うわっ、熱ッ！！」という第一印象で最後まで引きずられましたが、何だかしっかりしたカリスマ性が出てきてますよ。これまで見た中で一番かも。あ、レミコンで見た今アンジョルラスは別格ですが。うわあ、これは……ついて行くかもしれん！！
…まあ、ちょーっと笑えないミスをやらかして下さったんですが（笑）
では、ゴー。
■プロローグ
今ジャヴェールって、感情がはっきり分かりますね。いや、ほんと、直前に連続で見た鈴木ジャヴェールが本当に内心の動きの分からない人なので、何だか不思議な気がしてしまいました。どっちにしても素敵なんですが…。
とにかく囚人であるバルジャンを徹底的に軽蔑して見下しているのが怖いくらい伝わってきました。終始、「こんなクズと口を利くのも忌々しい」とばかりに口元歪めてまして。「違う！」がすごく厳しいし。
「忘れるなよ、俺の名を ２４６５３」と言うときですね、囚人番号を「２、４、６、５、３」と念を押すようにゆ……っくりとひとつずつ言ってまして。
「俺はジャヴェール、そして忘れるな、お前の名は２４６５３だ」と言っているかのよう。「お前は一生囚人なのだ」と。くわー。やな奴ぅー。（笑）
バルジャンのこと、素直に大嫌いですよね。「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが、今ジャヴェールは「罪」と「罪人」を同一視して心底憎んでいそうでした。原作でもそんな感じですね。ちなみに鈴木ジャヴェールだと、「憎む」などという感情がないような気がするんですな。
ところで今ジャヴェールは髪がストレートパーマでもかけたかのようにサラッサラなのですね。鈴木ジャヴェールを見て「あ、ちょっぴり毛先がはねている」（ちなみにこれはこれでなかなか可愛い）（いや可愛いて）などと思っていたもので、今ジャヴェールも確認しようと見てみれば…うーむ。
麗しの縦ロールな岡ジャヴェールといい、何故に同じキャラクターの髪がこんなに違うのでしょうか。役者さんそれぞれのこだわりですか。岡さんのアレは絶対そうだと思ってしまいますが、今さんのストレートなポニーは熱血な演技の表れなのでしょうか！？（えーかげんにせぇ）
そしてバルジャン。
銀食器盗んで捕まったとき、警官に突き飛ばされた拍子にここまで転がるのはやはり演技なのでしょうか。１２日もすごかったけど、今回は危うく自分で倒した椅子に激突しそうになってましたよ。危ないよ…ギリギリではねのけてました。
司教様。
バルジャンを抱え起こし、顔に手を添えて「あなたの魂私が買った」…あー、いいなあ。最初の泣きポイントですしね！
バルジャンの独白。
すごいです、本当にすごいです！！ このシーンは舞台にバルジャンひとりしかいないので、当然双眼鏡（余談ですが、父から借りたかなり上等のものだったりする）は彼に固定なのですが、本当に握る手が震えました。
「またあの地獄へ！ 送り返さずに！」で、地面に泣き伏していたようです。て言うか、泣き叫んでますね。くーっ！！（もらい泣き）
最後の「生まれ変わるのだ───！！！」の声の迫力は、もうもうやってることが犯罪であることすら素で忘れてしまうのでした。
ちなみにやっぱり破った仮出獄許可証はそこらに撒いちゃ駄目です。ちゃんと燃やせ。せめて川に流せ！
■一日の終わり〜夢破れて
このシーンの観察ポイントが工場長になったのはいつからであろうか…。まあ、いいんだけど。
えー、工場長殿は、手紙をファンティーヌに見せてから、人差し指を口の前に立てる「シーッ」という仕草をしていました。何、あれどういう意味？ 「人に知られちゃ困る手紙なんだろう？」みたいな意味？ 何なの！？
そしてそれから肩や胸元を撫で回してました。うーん、井料ファンティーヌはやはり抵抗しますな。
ちなみに一番えぐかったのは、手紙を渡した後。彼女が一瞬ほっとしたその隙を突くように、いきなり抱き寄せた！ こっ、この男……！！
そして手紙の返し方。
ひったくって読んだ後、軽く頷きながら折り直し、ファンティーヌに突き返す……と思ったら同時に彼女を突き飛ばしました。うわっ！ 酷ッ！！
…しかし、ファンティーヌの方も負けていないのです。「出て行け！！」と怒鳴られた彼女は、身を乗り出して机をバン！と叩き、それから駆け出しました。お、怒ってるー！！ ひー！！ やっぱり怖いよこの女！！
夢破れてが荒んでて何とも言えません。握りしめてたロケットを放り出すようにしてたし。うーん……
■ラブリィ・レイディ
ファンティーヌ、カツラ屋にはっきり頷いています。そして、連れて行かれるとき自分も相手の肩に腕を回しています。凛々しい。さらにショール翻すのも相変わらずすごくかっこいい！
なんというか…井料ファンティーヌは、ここで覚悟を決めたというか、「どんなことでもやってやる」という決意を固めている風がありますね。うーむ。強い……
が、髪を切った時点でかなり体は弱っていたらしく、バマタボワと絡むとき「銭の駆け引きか」の辺りで既に座り込んでしまっています。
ところで帽子吹っ飛ばすのは伊藤さんの演技なのですか…？
ジャヴェール。ファンティーヌが警棒に縋り付こうとしたとき、彼は反射的にぱっと引きました。「何をするんだ！」って感じでした。はっきり逃げてました。えらい可愛らしく見えたのは私だけですか。でも、脚に縋られたときは無視してたくせに。態度はすごーく軽蔑しきってるくせに。
井料ファンティーヌはバルジャンの襟に掴みかかりますね。「あなた！ あなたよ！！」と、両手で掴んで揺さぶる…というより手が震えてる感じでしょうか。怖いです。
■馬車の暴走〜フー・アム・アイ
ああっ！ ジャヴェールちゃんと働いてる！！（オイ）
バルジャンより前に出て様子を見たり、ざわめく群衆を抑えたりする様子が確認出来ました！ うむ、公僕として正しいぞ、ジャヴェール！ バルジャンにも何か声かけたりしてましたか？
そして。「不思議だ」は真っ正面見て言うのですが、「あいつがジャン・バルジャン」と言うときに一瞬ちらっとバルジャンの方を見たのですよ。
うーむ、初めて観た頃は「本気で信じてるのかな」と思えたジャヴェールもいたけど、今の演技はみんな「明らかに疑っている」（むしろ市長の正体を確信している）ように見えますな…。すっごく陰険で素敵ですわ。
そしてバルジャンの苦悩がほんっとーに素敵。
「勝ち得たものを捨てられるか」など、かなり本気でこのまま逃げようかという様子も見えるのですが、直後異様に平静な声で「名乗れば牢獄……黙っていても地獄」と言うのが何とも。とにかく葛藤が激しく伝わってくるのです！ いいわー。
裁判所で、ぐるっと歩き回って全員に向かって「さあみんな、よく見ろ！」と言った後、完全にジャヴェールの方を向いて向かい合った状態で「俺はジャン・バルジャン！」ジャヴェールはとっさに警棒を突きつけるのですが…。なんであそこでとっつかまえないんだろ、不思議でならん…。どーしてなんですか？ 誰か教えてください！
■ファンティーヌの死〜対決
ファンティーヌはすっ飛ばします。（非道）
ジャヴェール、「市長様」と呼ぶ言い方がものすごい嫌味…というか馬鹿にしていますね。うわあ。
そして、ふたりとも熱い。（笑）
「俺は正義だ！」「考えろジャヴェール！」など、お互い完全に怒鳴り合っています。怖いです。と言うか、うるさいです（笑）
ファンティーヌにしてみると、「うるさい！ 人の枕元でぎゃーぎゃー騒ぐなー！！」と言いたくなるんじゃないでしょうか。
で、やはり今井バルジャンは、「考えろジャヴェール、俺の力を…」が単なる脅しに聞こえず（マジに怒鳴るせいなんだろうけど）、本当に殺る気満々に見えます。（怖いよ！）
「お前をたとえ刺し殺しても俺はやるぞ」……脅迫と公務執行妨害と傷害の現行犯なんだよなー……市長様……。
今ジャヴェールはやっぱり「警棒の先を左掌に当ててぐりぐり」が好きなようです。というか、あれ、彼にとって威嚇のポーズなのでしょうか。このシーンで本当にしょっちゅうやってらしたので。
■宿屋の主人
テナルディエさん…さほど印象に残ると言うほどのことはなかったのですが、ひとつだけ。
この方は、女性客のお尻を撫でるとき、両手を出しやがりました。しかも、「撫でる」などという生易しいものではなく、…揉んでなかったか？
最低のセクハラオヤジです。平手打ちで済ますな。グーで殴れ！ いや、間違って張り飛ばされた人が余計可哀想だけど。
コンブフェール旅人さん。
カップのお酒を一口飲んで、思いっきりお吹き遊ばしました。二階席の後ろから二番目という場所にいたにも拘わらず、その「ぶ───ッ！！」という音が聞こえました。一体どんな吹き方をしておいでなのか（笑）。
その後バベ旅人さん（長旅でお疲れ♪で入ってくる、重そうな荷物持った人。コンブフェール旅人と相席になる）と意気投合したらしく、握手などしつつえらく盛り上がって談笑していらした模様。何の話してたんだろ…。
かなりのどスケベ設定らしい小鈴旅人と違い、上條旅人はそうでもないらしく、女の子に誘われても「いや、勘弁して」という感じでかなり断っています…。
しかし、マダムの胸を触った後、指でつついているところを見るとどうやら…。て言うか、みんな遊びまくってますね…。（笑）
その他。
上手側で男ばかりで飲んでるテーブルにて、誰かがお酒をひっくり返したようです（ふたばが「よくやってるよ」と言ってます。知らんかった＜無知）。で、慌ててテーブルに口付けて吸う奴がひとり（やめろ！）。さらに、手持ちのハンカチか何かで拭いて…それを空いたカップに絞る奴が！！
飲むの？ それ、飲む気なの！？ いや、それもやめろ！！ そのテーブル絶対めちゃくちゃ汚いから！ あんたたち食中毒確実だから！！ それとも貧乏人は胃腸が丈夫なのか！？
ああ、アンサンブルが面白い。最近かなりハマってきました。やばいです。
■裏切りのワルツ
テナルディエ、「旦那、本当でございますよ〜可哀想に〜！」と言ってました。ああ、わざとらしい。
そして、「もしや悪いたくらみが…」というとき、コゼットを思いっきり持ち上げてました。わ、分かりやすい。
どうでも良いですけどバルジャン、椅子の倒し方が怖いです。力一杯威嚇しています。いざとなったらあの椅子も武器と化すのでしょうか。……ていうか、コゼットが怯えると思うぞ、あんまりやると。
でもパパは優しいんですよねー！ やはり命がけでぶん回してますが、その後目が回ったらしくちょっとよろけてたのが滅茶苦茶可愛かったです。パパ……！！（笑）
■乞食たち
アンジョルラス、やっぱり赤タイか───！！（笑） 熱いっすねー！！ いやあ、華やかで力強くていいですよ。一番ストレートにカリスマ路線な方ですよね！ て言うか、大阪で一度見たときに比べて、ものすごくかっこよくなってる気がするんですけど！！
藤岡マリウスの「何だよ、ふざけて」は、「うるさいな、この忙しいときに何訳の分からないこと言ってんだよ」って感じ。今一番冷たいのはこの方ですねえ…。エポニーヌ可哀想（泣）
ジャヴェールさん。「胸の焼き印は間違いないな！」で、拘束されたテナルディエに覆い被さる勢いで詰め寄っています。怖いです勘弁してください。
■スターズ
先に言っておきます。自粛はしません。
ああ、もう、本当に………（うっとり）。
何か…今ジャヴェールって、純真ですね。いや、以前にもこれ書きましたが、本当に純粋に「法の正義」を信奉している気がします。
そして、本気で星に思い入れてる。「スター……」で空に手をかざすのも、その手を胸元に握るのもそうですが、何より跪く寸前に「感極まった」というような表情を見せたのですよ。で、何かに突き動かされるようにささっと跪いたのですよ！
アテレコすると、「ああ…！ お星様…っ！」ということですか、あれは！（やめんかい！）
その後のお祈りも胸の前で手を組んでて純粋さが漂ってるし！
………ど、どうしよう、可愛い…！ かっこいいのに、素敵なのに、可愛い…！！ ごめんなさいファンの方石を投げないで！！
■ABCカフェ〜赤と黒〜人民の歌
…アンジョルラスって、この時点で袖まくりしてたっけ…？ 岸さんだけ……ですよね、あれは。
やっぱり暑いんじゃないのかな。岸アンジョルラス、力強いカリスマ性を身に着けつつあるもののやはり基本的に熱血暴走系、平熱３７℃くらいありそうだし。
「レッド、熱き血潮！」というところで、アンジョルラスはテーブルに広げた赤旗を掴みますが、岸アンジョルラスに限っては自分のリボンタイをぐいっと掴む、もしくはほどいて高く掲げる、なんてのもありなんじゃないでしょうか……ひょっとしてやったことあったりしたらごめんなさい。ていうか見たい。惚れるかもしれん。
そして…その熱いリーダーに引きずられたかのように、何だか全体的に雰囲気が熱い。あの、ちょっとこの集団危険なんじゃ…？ まとめて暴走してませんか、さながらレミングのごとく。
何が気になったって、コンブフェールが熱い。
机にばんばん乗ってましたよね？ 街に出て行ったとき、ちょいちょいジャンプしてましたよね？ すごいノリがよかったですよね？ ついでに、無茶苦茶アンジョルラス好きでしたよね？？ 赤旗渡されてものすごく嬉しそうに頷いていた…そしてその後のダッシュがとっても速かった…。
コンブフェールというのは、ガンガン燃えて盛り上がる仲間たちに、水をかけるわけではないけれど上手に火力調節をしてやるような冷静さを持った存在だと思っていたのですが、どうも彼は自ら率先して煽りまくっていたような……。
あの…この集団、本気でブレーキ役不在ですか。後ひとりその役回りが出来る視点の持ち主はやる気ないわけだし。怖いなあ。
で、マリウス。
初恋にえらく動揺しているらしく、声をかけてきたジョリにしがみつくようにして「彼女は幻…」。
２０代の態度とは思えません。まあいいですが。
「君が今夜居合わせたら」はアンジョルラスの腕を掴んで言ってるし。
アンジョルラスは、ふざけて遊んでいたグランテールに対しては怒っていたらしく、「今が決断をするときだ」をグランテールに、「命の価値考えたか」をプルヴェールに、かなりきつい口調で言っています。俯くプルヴェールが可愛いんですが。
が、大阪では怒鳴りつけんばかりだった「マリウス、分かるけれど」はそれほど怒ってはいなかったようです。まあ、肩を押さえつけて強引に座らせ、厳しくたしなめる感じではありましたが。大きく腕を広げるようにばっと振って「自分のことより民衆のために！」がかっこよかったｖ
■プリュメ街
コゼット。
「何も言わず秘密なのね」がかなり不満そうです。「お願い、話してよ〜」など、癇癪起こして「どうしてなのよ！」と言い出しそうです。そのうちパパの日記とか盗み読みするかもしれません。（別作品ネタはやめろ）
そして藤岡マリウスは…落ち着きのない奴じゃのうお前は、と、溜息吐きたくなりますね。
「君を困らせた」で、飛びつくような勢いでフェンスをよじ登り、半分越えかけたところで「ああ、君の名前も知らない」でまた飛び降りてくる。
えーと、コゼットの趣味がどうであれ、これから口説こうという女の子の前でこの態度は間違いなくマイナスポイントだと思うのですが。まあ、不法侵入の時点でマイナスもへったくれもなかろという意見もあるでしょうけど。
女性のみなさん、想像してみましょう。
自宅の庭にいきなり塀乗り越えて入ってきた若い男。
そんなのがものすごい勢いで自分を口説いてきたら、あなたはどう思いますか？ しかもそいつが唖然としているあなたの前でひとり訳の分からんことを叫びつつばたばたと走り回ってたら？
どんなにハンサムで金持ちそうでも、大半の人は逃げませんか？ むしろ百年の恋も冷めるぞ、このアホさ加減は。て言うか通報しろ今すぐに！
エポニーヌ、あんた本当にこの男がいいの…？（笑）
ちなみにここでコゼットが悲鳴など上げてしまった場合（一番自然な対応だと思うが）、直後にすっ飛んできたパパ（また今井バルジャンは本当にすごい勢いですっ飛んでくるから）によって不埒者は瞬時に成敗されることになりますので、話の筋はまた大幅に変わる可能性があります。
…阿呆な上に無意味な想像はやめましょう。
■ワン・デイ・モア
坂本エポニーヌはここでマリウスに触れるのですね。立ち上がってコゼットの元へ去って行こうとする彼の手に、縋るようにしていた姿が涙を誘います。
お祈りの言葉を唱えるのは今ジャヴェールだけなのですね。いいなあ、今さんのこの演技、すごく好きです。て言うかですね、今ジャヴェールって、ものすごい「いい人」に見えるのは私だけですか。やばい……（笑）。（なにを、いまさら）
そしてアンジョルラス、本当にかっこいいですー！！ 声もしっかり力強いし、見た目に華があるし、いいですよすごく！ ああ、大阪で見た熱血暴走ガキ大将が、その暑苦しいエネルギッシュさをそのままに、しかもすっごい男前になってるー！！（嬉）
ああ、このシーン大好き。うっとりでしたーｖ
■バリケードを築く
アンジョルラスが、グランテールに突っかかるクールフェラックを止めず、ひたすらグランテールを睨んでました。リーダーに放置されたクールフェラックが微妙に不憫です。
で、「ああ、アンジョルラスかっこいい〜カリスマ系もいいよな〜」とうっとり見とれていたのですが…ここで懺悔。
次の瞬間、「俺には分かる〜♪」と颯爽と登場したジャヴェールの方が、声が力強くて迫力があって素敵だった！
反射的に、本当に大脳新皮質を経由せずに「あ、こっちのがかっこいい」と思ってしまったぁあああ！！ あああああ、このジャヴェールだとまた洒落にならない〜〜！！（笑）
いや……本当に赤ベスト奪ってバリケードに君臨出来そうだったんですよ…。
今ジャヴェールでここまで思っちゃったのって初めてだよ、岡さんだと毎回思ったんだが…（理由：纏う空気が派手だから）。
しかしかっこよかったです、ジャヴェールが。すみません目ぇ曇ってて。
そしてちょっと「お」だったこと。「わかってくれない」と捨てぜりふ（いや捨てぜりふて）を残してエポニーヌが去った後、意味が分からずぼーっと立ち尽くしたまま戸惑っている鈍感男・マリウスに、誰かが「マリウス」と声をかけていました。「何ぼさっと突っ立ってんだお前も働け」という意味でしょうか（いやそんな）。ほお。…アンジョルラスだったような気がするんですね、偏見…というか欲目というか要するに希望ですが。
■オン・マイ・オウン
娘の恋人出現に本気で愕然としているバルジャンが可愛いったらありゃしません（笑）。
「君の愛を知った今死ぬのは辛い…？」「君の…恋人っ！？」がもう爆笑ですよ。こんなシーンなのに。（笑） 手紙盗み読み＋握りつぶしという外道行為を遂行中であるという事実をうっかり失念しそうです。いいなあ、パパ。
で、エポニーヌ。
坂本エポニーヌは帽子を取らないんでしたね、そう言えば。こんなところも人それぞれなんですね…。確か笹本エポニーヌは脱いだ帽子を足下に叩きつけていた…うーん。
夢を歌っていたときの本当に幸せそうな表情がしみじみと泣けます。くっ。
■バリケードのジャヴェール
ジャヴェールさん、「嘘つき！」と言われた後、立ち上がってガブローシュを見ていました。で、腕広げて肩すくめてごまかそうとする仕草。ああ、やっぱり鈴木さんが極端に動かないんですね…。
で、実はこのシーンで一番動じないのって今ジャヴェールですか？ うっわーｖｖ
縛って居酒屋へ連れて行かれるとき、彼は腕を掴もうとしたコンブフェールとレーグル（だったよね？）の手を振り払い、自ら彼らの前に立って堂々と歩いていきました。彼の方が先導しているかのような錯覚に陥りそうなほど、威厳溢れる態度。おおおおおっ！ すごいっ！ 「お前たちごときに強制などされん！」ということですか！ かっこよすぎ！！
実はこれ、以前妹ふたばから聞いて滅茶苦茶見たかったんですが、今回確認しましたよ。いやー、惚れましたわー。ああっ、素敵すぎるッ！ バリケードの密かな主ですよ！！（いい加減にしろ）
■恵みの雨
あ、坂本エポニーヌは手に怪我してないんですね。こういうのも役者さんによるんですか…細かいなあ。ていうか双眼鏡でそんなとこ観察してる奴もしてる奴ですね。
それよりも、坂本エポニーヌは髪を下ろさないままなので、マリウスの「髪が濡れてるようだ」という台詞がちょっと「？」なんですが。うーん、体を撃たれたのなら帽子の中に押し込んである髪が濡れるわけない気がしますが。頭撃たれてたら動けないよなあ……？ すみませんどうでもいいことに突っ込んで。
あ、藤岡マリウスも助け呼ぼうとしますね。よしよし。ということは、一番薄情なのは岡田マリウスですか（笑）。助け呼ばない、運び去られる彼女の死体を追いかけない、バルジャンが登場したらすぐ立った。立ち直り早ッ！（笑） というか、今更ですが岡田マリウスってかなり原作仕様ですか？（原作のマリウスの薄情さはあんなもんではないが）
…って、マリウス比較考察はともかく。
ここは泣けるシーンなのです。エポニーヌの、最後の「いつも雨は…花…」という言葉に、マリウスは「花…？」と涙声に聞き返し、エポニーヌはそれにうなずいて「花咲かせ…」まで言って最後の力を振り絞ってキス。
うーおーー！！（涙）
愕然と顔を上げて天を仰ぐマリウスもまた……（涙）
コンブフェールがマリウスの肩を叩いて「戦おう、彼女のために」と言ったのが印象的でした。あの台詞はマリウスに対して言っていたのか？ いや、それも通るけど。ふーん…。
で、一番「おおっ！」だったこと。
運び去られるエポニーヌの死体をフラフラと追いかけようとするマリウス。ここでアンジョルラスが彼を引き止めて座らせ、慰めるというのが基本的な流れのはずなのですが、あれ？ アンジョルラス、手を出しません。マリウスは完全に彼の前を通り過ぎ、どんどん行ってしまいます。「えっ？ まさか止めないつもり？ どうすんだ！？」と思っていたら……
「マリウス」
アンジョルラス、後ろから声をかけました。
そして、振り返ったマリウスを弾丸の箱のところまで連れて行きました。で、座らせてその前に膝をついて下から顔を覗き込むようにして慰めてました。ついでに、泣き付かれて支えるとき抱き締めるような姿勢になってました。
そうきたかー！！ うわあ、何か良いですよー！！ 岸アンジョルラスは、このエポニーヌの死にマリウスとは違う意味でものすごいショックを受けているように見える（他の人もそうなんですが、とにかくここで初めて現実的な「死」というものを突きつけられて愕然、滅茶苦茶動揺、というのがストレートで）ので、ひょっとしてそのせいで引き止めるのが遅れ、さらにはそんな自分の動揺や迷いを抑えつけるためにマリウスを慰めたのかな、と思いました。うーわー。
さらに、バルジャンが登場して立ったときも、とっさにマリウスの背中を叩いて落ち着かせるような仕草をして、「大丈夫だから、お前はそこで休んでろ」ってことですよねあれは！ リーダー素敵ー！！
……岸アンジョルラスが一番かっこよく見えたシーンかもしれない。マニアックだ、自分。
■最初の攻撃
今ジャヴェールって、銃撃音に頭下げないんですね！！ うおおおおかっこいいー！！ というか、みんな反射的に姿勢を低くするのに、彼が動いてくれないもんだから後ろで押さえているふたりも自然立ったままになってしまってちょっぴり気の毒ですよ！（笑）
アンジョルラスの「撃てー！！」良い声です。岸さんって、アンジョルラスにしてはちょっと声低めでいいですね。って個人的趣味に走ってすみません。とにかくかっこようございました。
そして、ここの目玉（…なのか？）バルジャンとジャヴェールの対決ですよ。
バルジャンの「このスパイ」の言い方がやっぱりどーしても微妙に馬鹿にしているように聞こえます。本音がチラリってことで理解して良いですか元市長様。
さらに動揺しない警部殿。
「何てことだ、これは逆だぞ」だけやや混乱するふうでしたが、すぐに落ち着いた感じになって、「二人の命 取引なのか」では完全に冷静さを取り戻していたようです。「ああ、そういうつもりか」と納得した口調になっていました。肩掴んで「出るのだ！」とやられてもよろめかないし。おお、互角に戦っている！！ 素敵だわ！！（やかましいわ）
で、「殺せ、今すぐ」で首筋にナイフを押し当てさせて腕を広げ…だからそのポーズのまま固まるとバルジャンが離れたあと微妙にマヌケですから。まあいいけど。
ええ、ひとり内心でじたばた暴れてましたよああ素敵。ここの演技は今ジャヴェールが一番好きかもしれない……。
■ドリンク・ウィズ・ミー
あの…コンブフェールがこのシーンで上着脱ぐのはひょっとしてそういう演出になったのですか？ 小鈴さんだけではなかった…。
ついでにコンブフェールはグランテールの歌になんだか怒ったような仕草をしていたような。レーグルに酒瓶渡すとき、ついでになだめられていたようです。ほー、ここで怒るコンブフェール……ほぉおおお。（何なんだよ）
そして、アンジョルラス＆グランテール。うふふふふ……。いや、別にスキンシップとかはなかったんですよ。坂元アンジョルラスを連続で見た後では、そういう意味ではみんなあっさりして見えますよ。でもねでもね……うふ、うふふふふふ………（アホ……）
アンジョルラス、酒瓶の受け取り方が割に乱暴です。「寄越せ」みたいな。さすがだぜリーダー。さらに飲んだ後の口元の拭い方がやけに漢らしい（笑）。
で…何が良かったのかと申しますとですね、この後ですよ。グランテールとはただじっと見つめ合っただけだったのですが、その後たたっとバリケードを駆け上った彼は、頂上の手前で足を止めたのですよ！ てっぺんから二段下だったと思います。そこで立ち止まって、一瞬振り返った！！ おおおおおっ！！ こう来ましたかリーダー！！ うわーうわー、素敵ー！！
…下の方でマリウスがグランテールの手にすがって「死んでも良いさ」などと抜かしておりましたが、ごめんねマリウス見てなかったよ。やっぱりこのシーンも好きだー！！（腐）
■彼を帰して
やはり藤岡マリウスも寝方は堂々としてますね。しつこいけどアレ、気になるんだよ。
でもまあこのシーンはバルジャンさえよければ細かいことはいいのです。今井バルジャンの、必死で神様に願うような歌い方がガンガン来るのです。
こうなると、少々高音が怪しいのも逆に雰囲気に貢献していると言えるかも。びみょ〜〜に高音が揺れるのも、その悲愴さをより伝えてくれる結果になっているのですッ！ 泣けますね！！ ああなんて素晴らしい！！ …何か無理矢理誉めようとしているように見えるかもしれませんが、本気ですからね。演技の中で歌う歌は、上手けりゃいいってもんでもないのさ。
カップルに関してはもう何も言いません。好きにしろ若人たち。愛っていいですね。
■最後の戦い
「僕が行きます！」のマリウスがややバリケードに近い場所にいたため、アンジョルラスは後ろからしがみついて止める体勢に。危ないところだった（笑）。マリウスは手を振りほどいただけで「ここにいても同じだ！」。
ガブローシュの鞄、ギリギリで届きました。あー、あれは本当に泣ける……。
で……だ。あー……（薄笑い）。
…いや、何と言いますかですね……ああ、こんな…よりによってこんなシーンで……はは……あははは……（うつろな笑い）。
──音楽はいやが上にも盛り上がり、さあ皆様ハンケチのご用意を！なシーンです。
アンジョルラスの絶叫のような「死のう、僕らは敵など恐れはしない！」が響き渡り、若者たちは死の覚悟を固めます。
「相討ちだぞ」「後に続けよ！」そして…………あれ？
アンジョルラス、おい、どうした！？ 次はあんたの台詞だろ！！？
「立つのだ」はッ！！？
えっ、ちょっと、最後にして最大の決め台詞なのにー！！？ 何やってんだお前ー！！！
…時間にしてせいぜい数秒ながら、悪夢のように長く重い沈黙でありましたことよ……（詠嘆）。虚しく響く生オケが寒いの何の。客席、凍ってたぞ、絶対。
はい。
歌詞忘れたのかタイミング間違えたのか舌でも噛んだのかそれとも万感胸に迫って声が出なかったのか、真相は不明ですが、アンジョルラス、「立つのだ」の言葉がなく、「…仲間よ〜」から歌っておいででした………。
おいおいおい………！！（笑）
いや、これは、さすがにちょっと…見なかった（聞かなかった）ことにして忘れようかとも思ったんですがね。でもネタとして書かんわけにはいかんだろ。いやあ、こんなこともあるのねえ……。
ま、何とか歌を続けた後は大丈夫でしたから。というか、アンジョルラス＆グランテールの最後の絡み、何か無茶苦茶素敵でした！！ て言うか、あんなの初めて見た……！！
まずですね。アンジョルラスがそもそも、「バリケードを駆け上る」って感じじゃなかったんですよ。あそこの彼の行動は、解釈はいろいろとあるにしても、やはりある程度は「感情」が先行したものだと思っていたのですが、今回、全くそう見えませんでした。
倒れたマリウスに駆け寄った後、立ち上がるのが割にゆっくりだったせいでそう見えたのでしょうか。何かね、「自分の行くべき道を全て受け入れた」というように見えたのです。岸アンジョルラスはエポニーヌの死でものすごく動揺するから、ここでそれを全部呑み込んだと解釈しても良いかも。
さらにグランテールが、「止める」ように見えなかったのですね。アンジョルラスが立ち上がった時点で既にすぐ横に当然のように立っていて、「無謀な行動に出る奴を止める」とか、それ以前に「アンジョルラスを責める」印象が全くなかったのですよ。
立ち上がったアンジョルラスの肘の辺りを掴むグランテール。妙に静かに落ち着いた態度。しばらく見つめ合った後、アンジョルラスはその掴んだ手をぎゅっと握って、それから上へ。その動きも、何だか非常に冷静で堂々としていました。
反射的に幻聴……もとい脳内妄想アテレコ。
「……行くのか」
「ああ。すまない」
………うっわ寒。（なら書くな）
でもこんな感じに見えたんですよ、お互いせっぱ詰まった感じが全然なくて落ち着いていて、どちらも来るべき運命を静かに受け入れるような雰囲気が漂ってて、何だかものすごく素敵だったのですよ！！ うわあ、そうかー、こういうのもありかー！！
これのおかげでさっきのミスが吹っ飛んだ気分です。いやー、素敵だったー！！
バリケード陥落後。今ジャヴェール警部は完全にお祈りしてるんですね。ぎゅっと眉根寄せた必死の表情が何ともいいですな。（え？） いかん、この人がどんどん可愛いイメージで固定になりつつある…（いい加減にしろ）
今ジャヴェールは、まず下水道の蓋の血痕に気付き、それから必死で開けようとしているようです。だから、非力なんだからとっとと部下連れてこいって警部！（しつこい！）
■食うか食われるか
バルジャンが出てくるのが……微妙に遅かったような気がするんですが、気のせいでしょうか。何か、間奏がいつもよりかなり長いように思えたのですが。まあいいけど。
神様を嘲笑うような、「死んでら、こいつと同じ」がものすごく印象的でした。いやー、テナルディエはこういうところが好きだー！
■ジャヴェールの自殺
「またも職務の奴隷か！！」「許すものか！！」ああ、また怒鳴り合っとる。熱い組み合わせだなあ…。（笑）
しかーし、この先がそれはもう悶絶もので素敵だったのですわー。
もう何がどうでもいいからとにかくマリウスを助けるために行かせてくれと懇願するバルジャン（今井バルジャンだと素直にこう取れますね）に対し、よろけるように２，３歩前に出て「慈悲を求めるか」と言うジャヴェール…！！
うわー！！
「この俺に」で胸の辺りをぎゅっと掴むのはもともとの演出のようですが、それも何だか混乱の極みみたいに見えましてね！！
本当に、どうしても理解出来なくてパニック状態なのが伝わってきましたよ！ どうしてこの自分に慈悲など求めるのか、求めようと思えるのか、そして何故この男は自分に慈悲を与えたのか…。
とっさに通せんぼしてしまいながら、その混乱のまま背中を向けてしまう彼がもう哀れで可愛くて（は！？）。
で、今ジャヴェールも膝つくんですねー！！ ああああああもうたまりませんよー！！（じたばた）
「俺は法律、なめるな！！」「何もない、バルジャンと！」で叫んで、直後やや弱くなって「ジャヴェール…」で何かから逃げるようによろめきながら橋の上へ…。という一連の動きにぐいぐいひっぱられます。くぅっ、ジャヴェール……！！（誰かこの女どうにかしてください）（無理ですかそうですか）
自分の手をじっと見ながら「地獄で生きている…」、胸を掴んで絞り出すように「心が乱れる…！」「俺が何故迷う」もう一挙手一投足に揺さぶられます。うおおおお！！
で、最後のとどめがこれでした。「天使か悪魔か、あいつは…」と言ったところで、彼は一瞬ふぅっと笑ったのですよ。「ああ、なんだ、ここに道があるじゃないか」と。そういう笑いに見えました。そして、後はその「道」だけを見つめるように迷いのない動きで手すりを越え……（涙）
乱れた髪がちょっと頭に乗っかってたのが可愛らしかったりもしましたが、とにかくめちゃくちゃ泣けましたー。ああああああ。ジャヴェール最高ー！！
■カフェソング〜バルジャンの告白
いやー、藤岡マリウスは歌が上手くていいやねー。
まあマリウスはその一言で良いとして（酷いな自分）、後ろの学生さんたちですよ。アンジョルラスの方がグランテールの肩に手置いてるー！！（そんなに喜ぶことなのか）
いや、まあ何と言いますか。グランテールの微笑みが何とも言えなかったのですよ、ええ。いいぞアンジョルラス。
さらに帰っていくとき、彼は両手を広げて両側にいるグランテールとコンブフェールの背に回していました。わあ、素敵だリーダー！！
藤岡マリウスは思いっきりコゼットに甘えますね……。いや、いいんだけどもさ。可愛いから。
そして、バルジャンの告白を聞いて立ち上がったときに毛布が肩に掛かったままで、慌てたように振り捨てたのがやたらと可愛らしかったです。うーん。
ついでにバルジャンの告白の意味を悟るリアクションも違うのですね。
泉見マリウスは「あの娘のためには隠し通さねば」という言葉に「えっ！？」と言っていたようですが、藤岡マリウスは同じ言葉を聞いてからコゼットの去った方を見やり、しばらく経ってから「彼女のために……？ ……えええっ！？ そういうことですかっ？！」という感じで振り返っていました。細かいー。て言うかこの動きがものすごく可愛かったですよ！ この子は！（待てい）
頭を下げて「頼むよ…」というバルジャンに、泣きそうな声で「誓います」というマリウスが何か泣けました。手を取って「そうします」も良い。
とどめにぎゅうっと抱き締めていくバルジャンが……ッ！！（大好きですアレ） 藤岡マリウスは、本当にバルジャンにいて欲しそうですよね…ああ、マリウスってファザコン（以下自主規制）
■結婚式
藤岡マリウスの「出て行け、テナルディエ」は本当に冷たくていいですなー。
お金をすかさずひったくって胸の谷間に突っ込むマダムがいいです。さらに出遅れて「あれ？ 金はどこ行った？」と戸惑う夫が爆笑です。
そして…マリウスが指輪を見て「これは僕の…きっと神の報せだ」と言った瞬間、「ああ……つまり君の『神が遣わした人』はこのオッサンなわけね……」と思ってしまった私を許してください。嫌な天つ御使いもあったもんですなー。はっはっは。
しかし冷静に考えれば、そもそもマリウスはバルジャンがバリケードにいたことを憶えていないのでしょうか？
原作ではコゼットのことで落ち込みまくってて見てなかったことになってたけど、ミュージカルでは彼もそれなりに真面目にやってたわけで……バルジャンがバリケードにやってきたときはみんなと一緒に銃構えてるし、何より僅かな時間ながら正面から顔合わせてますよね。「任せろ、俺が行く〜♪」で。そりゃ、直後にガブローシュのことがあってそれどころじゃなかったかもしれないけど。
あのバリケードにいた人はほとんどが若い人ばかり（ミュージカル版では特に）なので、年寄りは目立ったはずだし、バルジャンは結構派手な行動をしているし、そうでなくてもあんなところでいきなり出てきて止めてくれた人が印象に残ってないはずはないと思うんだけどなー。コゼットのパパさんがあのときのおじさんじゃないかと、彼は本当に気付かなかったのでしょうか？ いくらこのときバルジャンはコスプレ（コスプレ言うな）してたとは言えなあ……。
マリウスの記憶力って……（笑） やばいですなー。（コゼットも良い勝負だから良いんじゃないのか）
ところで、モンパルナス取り巻き氏なんですが、杖付いて片脚を引きずっていましたね？ 何なんだ、あれは。どんな設定があるんだ彼には！？ ものすごく気になりましたよ！？
アンジョルラス給仕。お客様方の脚上げダンスに蹴られそうになってのけぞる姿が可愛らしかったです。ラストは給仕長に誘われて腕組んでました。そうか、給仕長さんから誘うバージョンもあるのか…！
■エピローグ
泣けますよー！ ああああああもう。
ところでちょっと気になったのですが、バルジャン、ファンティーヌの差しだした手ではなく彼女の顔に手を触れようとしていましたね？ 何故に？ いや、何か微妙に変じゃないか？
コゼット。「パパ！」と叫ぶ声や「生きてみよう」に心底嬉しそうにうなずく姿が泣けます！ 今回彼女の感想ってこれだけですか！？（酷）
で、マリウス。最後の『人民の歌』のとき、泣いているコゼットの横で何だかぼんやりした顔で顔を上げていたのですが、あれは何ですか。ひょっとして、後ろの人々の歌が聞こえてんのかな？ とちょっと思ったのですが、真相や如何に…。それともあれは聞こえているものなのでしょうか？ うーん、それも何だかいいな。
■カーテンコール
ジャヴェールが女性アンサンブルのどなたかと熱く抱き合っていたのですがあの相手は誰だ。さらりと何をなさっておいでですか警部殿……！！ しかしモテそうだなこの警部殿は！
アンジョルラスがガブローシュを後ろから抱え上げてはけていくところ目撃。何してんのー！！ 滅茶苦茶可愛いー！！（笑） 兄弟ですかあなた達はー！！（ツボだったらしい）
コンブフェールが上着脱いでました。誰かは脱ぐものなのだろうか……
ラスト、最後にひとり残ったバルジャンが振り返って投げキッス。私の隣にいらしたお姉さんが、「今井さーん！！」と叫んでおいででした。この方はかなりのファンでいらしたようで、拍手や手拍子の入れ方がものすごく熱心でいらしたのですが…いや私も同類なんだけど。そうですか、今井さんファンですか！ 同志ですね！！ 私も大好きよー！！（ここで叫んでどうする）
私のすぐ前の席に、どうやら両方お初と思われる親子連れがいらっしゃいました。楽しんでおられたようで何よりですが…休憩時間に聞こえてきた彼らの会話に、ただ一言だけ言わせてもらう。
パリ・コミューンは違うぞ。もちろん大革命も違う。
この話で題材に取られている「革命」は、１８３２年の６月暴動っていってね、本当に２日ほどで鎮圧された、世界史の教科書は言うに及ばず簡単なフランス史解説書なんかじゃ当然のように省略されてるような地味ぃ〜〜な事件なんですよ……。いや、そりゃ、渦中の人々はみんな本気で必死だったんでしょうけど、でも地味だからこそあの最期の悲劇性が……ははは……。（涙）
（※世界史の教科書には記載されてます。少なくとも山川出版社のには載っています。一言ですけども。第二共和政のときの出来事です。このあと、1848年の大統領選挙でルイ＝ナポレオンが出てきます。そういう時期です。）
以上、長々とお読みいただきありがとうございました。
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