レ・ミゼラブル　２００５年１２月２７日（火）１７：００〜
梅田芸術劇場　２階Ａ席

＜主なキャスト＞

ジャン・バルジャン エポニーヌ コゼット テナルディエ アンジョルラス ガブローシュ

：石井一孝 ：坂本真綾 ：河野由佳 ：佐藤正宏 ：坂元健児 ：局田奈都子

ジャベール ファンティーヌ マリウス テナルディエ夫人 グランテール

：岡幸二郎 ：井料瑠美 ：岡田浩輝 ：瀬戸内美八 ：阿部裕

　二階席の前方（Ｓ席）がひたすらガラガラでちょっと寒かった……。
　まあ、平日の５時からですから、普通に務めてる人は無理ですしね。…ということは、今日来てた人というのは、真のファンか暇人か、どっちかですな。ええ、キャストがありますし。
　ちなみに私がどちらの範疇に入るかは、………微妙……

　キャスト感想です。敬称略。

■ジャン・バルジャン：石井一孝
　初期の頑なさというか、「石のように心を閉じ」た様子がすごく好きです。常に下向いて、ジャヴェールに許可証突きつけられても反応しないので、ジャヴェールは仕方なく（笑）警棒で手を上げさせて渡しました。最後に「２４６５３」と呼ばれたとき、初めて顔上げてジャヴェールの顔を見るんですね。いいなあ。
　司教様に声をかけられてもうずくまったまま、顔も上げずに何だかいやいやしてるし。この自閉した様子の演技は本当に好みでしたね。銀の食器を盗んで司教様に助けられた後、鞄を抱え込んで動かないので、司教様はかなり苦労して抱き起こしていた模様。いや、ほんと、「よっこらせー！」というかけ声が聞こえそうだった…（いい加減にしとけ）
　その後も、とても一生懸命必死で生きているようです。というか、何だか余裕がなさそうな。どうも石井バルジャンは、市長様になった後も最初の頃の「世間の馬鹿野郎畜生どうせ俺は前科者だよ！」状態が完全には抜けていない感じがあるのですが、そのせいでしょうか。
　悩む感情がかなり前に出てくるのですが、その苦悩はとても素敵です。裁判所に行く前のモノローグはこれまで見た中で一番好きかも…ｖ
　しかし、裁判所では、バルジャンの歌よりも、裁判官さんたちの座っている台（なんて言うのだ？）の前に掛かっていたトリコロールが外れて傾いていたことに気が行ってしまいまして…ごめんなさい。はい、裁判官さん（マリウス）が付け直していました。慌てた感じが可愛かった。
　ワン・デイ・モアでのお祈りは、ジャヴェールがお祈りを始めても祈っていないようだったので一瞬焦ったのですが（何故）、やや遅れてちゃんと祈っておいででした。コゼットの後ろに立った状態で、胸元に手を組んでお祈り。おお、素敵ｖ

　しかし、石井さんはどちらかというと細身の体型であられるため、「力持ちの大男」というバルジャンの基本設定が見た目にかなり嘘くさいです。というか、マリウスを担いだりするのがかなり辛そう（笑）　岡田さん、大きいし。岡ジャヴェールと並ぶと小さいしー。可愛いしー。（しーてあんた…）

　カーテンコールで、最後にジャヴェールと仲良く肩組んで登場し、おまけに他の人がはけた後ふたりだけ残って戻ってきてくださいました。おお。
　…そして、隣の席のマダムが「このツーショットが見たかったのよー」と仰る声が聞こえました。恐らく、いや間違いなく、マリウスとアンジョルラスの時代からのファンの方と思われます。…いやあ。麗しいツーショットでしたー。
　ついでに去っていくときはさらに仲良く、お手手つないで行かれましたよ。素晴らしい人たちですね。


■ジャベール：岡幸二郎
　いい加減にしとかんと怒られる気がするんですけど……て言うか、読んでくださっている方々がもう軒並み引きまくっておられる気がものすごーくするんですけど……でも素敵だったわかっこよかったわああもうなんて美しい警部殿なのかしら！（………）
　本当に、背が高くて姿が良くてかっこいいですね！！　立っているだけで周囲を圧するようなオーラがありますよ。なんというか、一言で言って「私が主役」オーラ。
　スラムのシーン、「またも喧嘩か！」と警官引き連れて登場した瞬間、さっとその場を支配しましたね。いや、このシーンで彼はそうでなければならないのですが、それにしてもほとんど王様の登場のようでしたよ。「下がりおろう！」みたいな。絶対部下に崇拝者いるよな。私、何だか無茶苦茶いってるような気がしますよ……。
　それにしてもどうして岡ジャヴェールは髪があんなにキレイな縦ロールなのでしょうか。特に若い頃、一見して「へっ！？」と思うほどくるんくるん巻いた髪に何か不可思議なものを感じます。この人実はええとこの出ですか？　牢獄出身という凄絶な過去が信じられませんよ？（いい加減にしろ…）
　ただ、本当に背が高いので、華奢な石井バルジャンとでは明らかに体格が勝っており、何故対決シーンで負けるのかが非常に理不尽に思えます。（禁句）

　やっぱり市長殿の顔見ずに「不思議だ、信じられない」というのですねｖ　素敵だわ。陰険だわ。
　スラムでは、「俺の名を聞いて逃げ出したのか」とテナルディエにぐいぐい詰め寄ってビビらせていました。ジャヴェールなら…特に鈴木ジャベだったりしたら、名前を聞いただけで震え上がって逃げ出す犯罪者なんて叩き売るほどいそうですが、いやしかしアレは怖かった。
　でも、その後はテナルディエの戯言なんぞ聞く耳持たず無視してましたがね。
　スターズのかっこよさはもういいですね？　あの裾捌きはほんと、何度見てもすごいぜ。歌もすごいですよねえ。かっこいいですねえ……！！
　しかしこの方は、バリケードでバルジャンに助けられたときのよろめき方がやはり最高です。あの色っぽさは犯罪ですわ。あたしゃ倒れそうになりました。（そのまま倒れて起きあがってこんでいい）
　そして自殺のときの絶叫するような歌が…泣けますね。すごくプライド高そうな彼があそこまで錯乱したように叫ぶというのが。あんまり笑わないのも良い。そして美しい……ｖ

　カーテンコールは本当に楽しそうでした。はっはっは。石井さんと仲良しなんだろうなぁ。


■エポニーヌ：坂本真綾
　ああああああ（しつこい！！）
　本当に可愛いですね、いじらしいですね、こんないい娘の魅力に気付かないマリウスは大馬鹿野郎様ですね！！　この点はどんなにマリウスを好きな人でも反論出来ないと思うのですがいかがでしょうか！？（分かった、分かった）
　華奢な体つきと愛らしい声がたまりません。いいなあ。とりあえずマリウスは罵っておこう。


■ファンティーヌ：井料瑠美
　井料さんのファンティーヌって、ずいぶん気が強かったんですね。前回までのシルビア・グラブさんの演技と比べてしみじみとそう思いました。
　工場長のセクハラに控えめながら抵抗してるし。ヤケになった荒み方がかなり怖いです。「あのとき工場で…」のとき地面をバンバン叩いてるし、市長殿の襟首ひっつかんで詰め寄るし。ほほう。
　儚げな歌声とのギャップがなかなか素敵でした。


■マリウス：岡田浩輝
　岡田マリウスって本当に「純」という形容が似合いますよね。可愛いですよね。でも、二十歳過ぎてそれは馬鹿と同義語だったりするから気を付けましょうね。あんた設定上このとき２２歳のはずよね。…マリウスってそういうキャラなんですけどもさ。
　…最近この男が可愛く思えてきて困っています。全然好きじゃない、というかむしろ私の嫌いのツボ直球な男なのに。まあ、好きになることだけは絶対あり得ないからなあ…。
　って、この項マリウスの悪口しか書いてないし。まあいいかマリウスだし。あ、岡田さん本当に上手くなりましたよね（安定した感じ）。


■アンジョルラス：坂元健児
　何だかカリスマ性が出てきてませんか！？（大喜び）　「おおっ、何かかっこよくなっとるやんかー！」とある意味非常に失敬な喜び方をしていました。すみません。
　本当に歌が上手いですね！　小柄なのは致し方ない（実は個人的にアンジョルラスはそれほど長身のイメージがないので特に不満なわけではないのですが）…と思いつつ、あの声は強烈ですわ。まさに圧倒的、すごい声量です！　さすがオリジナル・シンバ！！（もうほんとにいい加減にしとけ）
　そして坂元アンジョルラスはとっても優しい（というか仲間たちに「近い」）演技が好きです。すごく自然に仲良さそうなのね。
　『赤と黒』でグランテールに突っかかるクールフェラックをなだめるまでは良いとして、そのデコをぺちっと叩くのはやはりやるのですね…。デコ……何故に…す、好きなのか？　何か、不思議な空気が漂うんですが。ホントに何なんだあのリアクション……？　愛されてはいそうですがね。
　『ドリンク・ウィズ・ミー』でのグランテールとの絡みも良いですね。じっと見つめ合った後、目を逸らして俯いたグランテールの後ろの箱に腰掛け、後ろから彼の肩をぽんぽん。そのままさっと立ち上がってバリケードの上へ…さすがのグランテールが思わず振り返るんですが。ああ、何とも言えず素敵。
　最期の「死のう、僕らは敵など恐れはしない！！」はかなりの迫力でかっこよかったです。うん、本当にカリスマ性が出てきてますよ！　いいぞその調子だ！！

　結婚式、踊るマダムのスカートに邪魔されながらせっせと落ちた食器を拾い集める姿がとても愛らしかったです。


■テナルディエ夫妻：佐藤正宏夫＆瀬戸内美八妻
　ファンティーヌが死んだと聞いた瞬間、ぱっと態度が変わるのが分かりやすくてよろしい。良いですね身も蓋もなくて。好きだなあ…。バルジャンとコゼットが去った後、ふたりで「売れた売れた、あのガキが！」「千五百だよー！」と大喜びしている声が聞こえていました。仲良しですね。
　佐藤テナルディエは変なポーズを付けるのがお好きなようです。『宿屋の主人』のシーンでも、結婚式でも、妙なポーズで笑いを誘ってくださいました。さすがに「ス○シウム光線」はやってませんでしたが。（笑）
　…で、テナルディエはバルジャンのことをどこで知ったんだろう……？

　以上、お読みいただき有り難うございました。


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