レ・ミゼラブル　２００５年５月１０日（火）昼公演１３：００〜
帝国劇場　一階Ｓ席

＜キャスト表＞

ジャン・バルジャン エポニーヌ コゼット テナルディエ アンジョルラス ガブローシュ

：今井　清隆 ：笹本　玲奈 ：河野　由佳 ：徳井　優 ：坂元　健児 ：大久保祥太郎

ジャベール ファンティーヌ マリウス テナルディエ夫人 グランテール

：岡　幸二郎 ：シルビア＝グラブ ：岡田　浩暉 ：森　公美子 ：阿部　裕

　たったかう者の〜、歌がきっこえっるか〜♪……と。いかん。さっぱりこのノリが治らない……。
　まあ何と言いますか、一泊二日で遠征のあげく昼夜ぶっ続けで観たりしたら、そりゃまあ脳がちょっとおかしくもなるよなってところですね。困ったものです。
　まあ、かなりおかしいのは元からのような気もするので気にしないことにしましょう。というわけで感想ゴー。

■プロローグ
　む。ジャベールの方が背が高いな。（だから何）
　やはり非常に偉そうでエリートっぽいジャヴェールですね。そして縦ロール（それは関係ない）。そして、岡ジャヴェールは許可証をバルジャンの目の前にぐいっと突きつけるようですね。前回観たときもそうでした。
　それにしても……何て綺麗なジャヴェール……（まだ言うか）　いや、だって、原作じゃブルドッグとか書かれてるんですよジャベさん…？
　今井バルジャンはだいぶ前に観たときもそうでしたが、「俺を信じたな」でかなり悪な笑い声を立てるのがいい感じですｖ　荒んでる荒んでる。司教様に声かけられてビクッとする姿が本当に野良犬のようだし。
　そして司教様、「さて我が兄弟」から後が素晴らしかったですよ〜！！　うずくまったままのバルジャンを抱き起こして立たせ（……力強いな）、とても強い口調で言い聞かせています。泣けました。ここで拍手が起こってましたし！
　さらに続くバルジャンの独白が……燭台を入れて渡された鞄を地面に叩きつけようとして振り上げ、出来ずにそのままその鞄に引きずられるように倒れ込む！　泣けるよ〜。歌もすごく……でも、ひとつだけ、破った仮出獄許可証は、そこらにばらまいて捨てるのはやめた方が良いと思うぞ！！　証拠は隠滅しとかんと！！

■一日の終わり〜夢破れて
　工場長のセクハラ、露骨ですね。思いっきり肩を抱き寄せてるし。今やったら即行訴えられますな。しかし「出て行け」の声はすごく冷ややかでした。
　そういえば、これまで知らなかったけど、工場長の元愛人（「何を澄ましてこのお嬢さん」とファンティーヌに絡む女）の態度、それまでにもそれらしい態度を取っていたのですね。睨んでたし。
　ファンティーヌですが……結構声が強く、しかもハスキーでして、そのせいか割と肝が太そうな感じに思えました。「夢破れて」を歌いながら、自嘲するように笑ってたし。
「そうよ、こんなものなのよ私の人生なんて……」という感じでしょうか。この時点でかなり荒んだ雰囲気だったような。こんなファンティーヌもありですか……美人でしたけどね。

■ラブリィ・レイディ
　えー……気の強そうなファンティーヌは、バマタボワにかなりひどい怪我をさせていそうです。見た感じ平手打ちしてるだけなんですが、あんた、絶対刃物隠し持ってるだろ？！　怖い女だ。
　市長殿には指を突きつけただけでしたけどね。

■馬車の暴走〜フー・アム・アイ
　ジャヴェールさんは今回は明らかに市長殿を疑っていました。「奴はきっと白状します」と言って去っていくとき、非常にわざとらしくゆっくりとバルジャンの顔を見たので確信してしまいました。バルジャンの告白聞いても全然動じているように見えなかったし。あ、でも、「なんでこの場で拘束しないんだ？！」といつも思うんですけどこのシーン。
　バルジャンの苦悩は素敵です……が、ちょいツッコミ。「葬り去るつもりか、罪深き我が過去を」って……あんた、仮出獄許可証を破り捨てた時点で力一杯そのつもりだったんじゃないの？　身代わりに捕まった人が出ちゃったせいで改めて悩むことになったんだろうけど、それさえなければ「死ぬまで己を偽り続けて生きる」はずだったんじゃないのかい？　つか、偽名使いまくってるくせに今更……
　ごめんなさい。そーいうことをどうしても考えてしまう私はしみじみとひでぇ観客です。お願いだから刺さないでくださいね……

■ファンティーヌの死〜対決
　ジャヴェールかっこええ〜〜〜！！！　あ、すみません、ファンティーヌはすっ飛ばしますもう。
　そんなことよりジャヴェールですよ。かっこいいですよかっこいいですよ！！　バルジャンのあごの線に警棒引っかけて「お前みたいな奴」……きゃ〜〜〜。素敵ですわ偉そうで！！　
　対するバルジャンも、握り拳を思い切り振りかざして「考えろジャベール　俺の力を　お前なんぞに負けはしない」……あんたそれ、脅迫！　完全に脅迫！！（笑）　ついでに、椅子で殴りかかってますな、完全に。避けられたから椅子が壊れただけで、ジャヴェールの反射神経がもうちょっと鈍かったら間違いなく当たってたぞ。いいのか。
　しかしここ不思議なんですが、なんでバルジャンはせっかくの武器を捨てて素手でジャヴェールを殴るんでしょう？　警棒より椅子の脚の方が長いのに。「男は拳で語り合うべし」とかいう信念の持ち主だったりします、市長殿？

■宿屋の主人〜裏切りのワルツ
　マダムすごいっす。本当に他に言葉がございませんです。この方の存在感の前には、リトルコゼット＆エポニーヌの可愛らしさもテナルディエの外道っぷり（あ、何か本当にそういう感じでした）も客たちの喧噪も消し飛びますわ。すごい人ですねえ……（しみじみ）　あれだけ下品なことをやっても（具体的には、乙女の口からは言えません！）
　良い感じに仲の良さそうなご夫婦でした。バルジャンに向かって、夫婦で「旦那、正直者の印の手相〜」と手を見せてましたし。爆笑ですわ。でも、バルジャンも全然正直者ではないので、判別は出来ないと思います。
　何しろ、「果たす義務がある、約束を守りたい」といいながら、その「義務」「約束」の中にジャヴェールに言った「必ず戻る」はただの一欠片も含まれていないようですものね。お前、やっぱりあれはその場しのぎの口から出任せだったな？！　「嘘を吐け！」というジャベさんの台詞は、まことにもってごもっともだったよねーと心から思います。

■パリ
　すぐ目の前で乞食さんたちがすごい形相で歌うのでちょっと怖かったです。（笑）
　アンジョルラスはやはり拳を突き上げるのが好きなようです。演説がすごく似合っています。いい声ですよねーこの方。
　ガブローシュ可愛いです。そして、彼に紹介（？）されたエポニーヌが、横を通り抜けざまにその頭を突いていったのがさらに可愛かった……！！　仲良しですか仲良しですか？！　原作じゃ姉弟ですし、このふたりが仲良かったらものすごく嬉しいですｖ（趣味が……）
　マリウスの「何だよ、ふざけて」……やはり、ものすごく驚いている模様。ドキドキしてるよこの純情少年は！　そして、反射的に過剰な反応をしてしまったことを後でエポニーヌに「ごめんね」と言っているようだったのがまた……いくつなんだ、君は。
　そして昔から不思議なのですが、テナルディエはどうしてバルジャンの焼き印のことを知ってるんでしょうね？　胸元はだけなければ絶対見えない場所にあるはずなのに、過去に一度だけ逢ったときに気付いたわけがないと思うのですが。それとも、別ルートでバルジャンの過去を知っていたのか？　市長ヅラしてた間は周囲の誰も知らなかったことのはずだし、テナルディエ、何者……？

■スターズ
　かっこえぇええ〜〜〜〜！！（………もうセルフツッコミすら嫌になってきました）
　だってだってかっこよかったすよ！　立てた膝の上に組んだ手を置くお祈りポーズといい、すっと広げる腕の動きといい、ジャヴェールのくせに絵になりすぎだぞこの男！！　何て言うか、「ひとり舞台」って感じでしたよ。いいのかこれは……！！（いい加減にしろ……）

■ABCカフェ〜人民の歌
　仲間ひとりひとりの顔を見ながら語りかけるアンジョルラス。やはり「カリスマ」という感じではありませんが、すごくいいリーダーと思われます。人望はものすごくありそうです。ああ、こんな「いい人」アンジョルラスもありなんですねえ……
　マリウス。岡田マリウスはアンジョルラスに「分かるけれど」といわれると本当に心から嬉しそうな顔をする（それこそ「分かってくれるのか！！」と叫んで抱きつきそうな勢いでちょっと前に出る（笑））のが可愛いのですが、対するアンジョルラスの落ち着かせようとする態度が何というか年の離れた兄のようで何故か笑ってしまいました。
　ひょっとしていいコンビですかこのふたり。そういえば坂元アンジョルラスはちゃんと「レッド、ブラック」を歌ってくれるんですよねーいいお兄ちゃんだこと。

　ひとつ非常に面白かった……というか気になったこと。
　グランテールが「戦というのに恋が生まれたか」と歌いながらお子様には説明できない類の下品な仕草をするわけですが、それを見てクールフェラックがグランテールに突っかかろうとするのはいつものこと。そして、アンジョルラスがそんなクールフェラックを止めるのもいつものこと、のはずなのですが……このときアンジョルラスは、クールフェラックの額をぺちんと叩いたのでした。
　……何？！　何なのそれは？！！　何故デコを叩く、何なんだどうしてこんな幼児のお仕置きのようなことを？！
　えー……坂健アンジョルラスと仲間たちの関係が理解できなくなってきました。ひょっとして、本当に問題児クラスを奇跡のような人望でまとめている学級委員長（成績は大したことないがスポーツ万能、女にもモテるが男によりモテる）……？

■プリュメ街
　エポニーヌ〜〜！！！（………）
　本当に健気な子ですね……。マリウスが悪いんだ何もかもこの無神経バカ男、ああ一度で良いから簀巻きにしてセーヌ川に放り込んでやりたい……！！（過激）
　ところでコゼットはエポニーヌのことを思い出しているのでしょうか？　記憶力に問題がありそうな彼女のことなのでひょっとして憶えていない可能性もあると思うのですが、門越しに見つめ合うふたりの少女の姿にちょっとネタが湧きそうに（黙れ）
　……上について補足。以前、ここの直前のバルジャンとコゼットの会話にはこういう部分があったのですね。
　コゼット：「だけど　ねえパパ　あなたには森の中の迷い子」
　バルジャン：「おやめ　この世にはあるのだ　言わずそして聞かない言葉が」
　……このやりとりが省略されたせいで、コゼットはまるで幼児期のことを全く憶えていないように見えてしまうことに。ちょっと可哀想だと思うのですが……

■ワン・デイ・モア
　着替えているジャヴェールが可愛くって仕方ないんですが私はダメでしょうか。ヤケに手早いその様子が笑えるんですが。しかも、トリコロールの帯を最初に腰に巻くとき、何故かきっちり広げて巻いていた生であたかも三色の腹巻きのように見え（以下自主規制）
　……とにかく、やはり跪いてお祈りを捧げるだけでも異様に絵になる素敵なジャベさんであらせられました。しかしこの人、本当に華やかな人ですねえ。
　そしてけらけら笑いながら歌っているテナルディエ夫妻、妙に怖いです。

■バリケード
　バリケードに潜入したジャヴェールの、「昔は俺も戦った」という台詞がですね、それはそれは華やかな雰囲気と有無を言わせぬ迫力により、今すぐ目の前の若人の赤ベストを奪ってリーダーの地位に就けそうなオーラが漂いまくっておりました。だから、洒落にならんってのこの人の場合。

■オン・マイ・オウン
　ううっ、泣けるよーエポニーヌ！！　バカマリウス〜！！（……すみません）
　幸せそうに夢を歌っていたときと、「知ってる、夢見るだけ……」からがらりと変わる表情がもう泣かずにはいられません。絶叫するように報われない想いを歌う姿が本当に哀しいですね……「道はある」って一緒に死ぬってことですしね、ああ誰がこんなことをってお前だマリウス！！（まだ言うか……）

■最初の攻撃
　ジャヴェール……捕まってもかっこいいｖｖ　うーむ、いいのか、お世辞にもカッコいいシーンじゃないはずなのに、ガキにバカにされて若造どもに拘束されてるかなり屈辱的な状況のはずなのに、それなのにああそれなのに何故にあなたはここまで美しいのですか？！
　バッと大きく手を広げて「好きなときに撃て！」あー、間違ってるわこんな綺麗な警部殿って……（ファンの方ごめんなさい決して悪意はないのです！）
　そして砲撃が始まっても全く動じていませんでしたしｖ　逃げようというそぶりもしてなかったな……うーんほんとに素敵ｖ

■エポニーヌの死
　ああああああああ（泣）
　ちょっと離れたところからにらみ合うグランテールとアンジョルラスが良いですね……エポニーヌの死を嘆きつつそっちも見ておくことを忘れずに。目を逸らして背中を向けてしまうグランテールがまたいいんだうん。（アホです。すみません）
　しかし坂元アンジョルラスはいい人ですよねえ。頭抱えて泣き崩れるマリウスを抱き締め、座らせ、隣に据わって肩抱いてずっと励ましてましたようわあいいお兄ちゃん。ま、バルジャンが現れるとすぐに立っちゃうんですけどね。
　ジャヴェールさん、拘束されたときも砲撃を受けたときも平然としていた分、助けられたときの童謡ぶりが素敵です、首を反らせてナイフを引き付ける、その首筋のラインがまた（……ごめんなさい）
　それにしても、バルジャンって嘘つきですよねー！！

■ドリンク・ウィズ・ミー
　岡田マリウスはやはり体育座りなのか……。
　それはともかく。アンジョルラスとグランテールですよ。しばし見つめ合った後、アンジョルラスはふとグランテールの後ろにある弾薬入れに腰掛けると、彼の肩をぽんぽんと叩いてからすっと立ち上がってバリケードを登っていったのでした。
　何ー！？　何なのそれはー！？　ちなみにグランテールは反応しませんでした。あああああ一体何が起こってるんですかここで！？
　私の脳内でも大概何が起こってるんだ状態になりつつあります。素晴らしいですよこの人たち。

■彼を帰して
　……やはりちょっと高音が不安なところもありましたが、綺麗でした。泣けますねぇ……よく聞いたらかなり勝手な歌なんですけどねえ。
　それでも、やっぱり胸に染み入る曲ですね。しみじみ。

■二日目
　「市民は来ない」と聞いた途端ガブローシュを追い出したグランテールは、彼が戻ってきてしまったのに気付くと「ガキが、勝手に死んじまえ！！」と叫びました。ああ……（涙）　ガブローシュが死んだら絶叫した上地面に突っ伏してましたし。その間攻撃は続いているのですが、全く無視。
　さらに、バリケードを駆け上ろうとするアンジョルラスを、グランテールは襟首を掴んで止めました。アンジョルラスはそれを振り払って上へ。………何なの？！（しつこい）

■下水道
　テナルディエ、バルジャンに気付いたとき上げた「ひゃははは！」という笑い声がかなり怖かったです。うーん、「外道」という言葉が似合うテナルディエですな。
　あ、そーいえばお姫様抱っこはしてなかった……

■ジャベールの自殺
　ジャヴェールはバルジャンの前に現れたときからかなり動揺していた模様。よりにもよってバルジャンに命を救われた衝撃から、全然立ち直れていないように見えました。いきなり足下が崩れてしまって、立っていられなくて急にもろくなったようで。
　近寄ってきたバルジャンに反射的に通せんぼ（またこの動きが鮮やかで……）しながら、相手の顔をまともに見られなくてとっさに「すぐ行くのだ」と言って背中向けて通しちゃったような……そして、そのまま死んでしまったように見えたのですわー。いい……ｖ（腐りまくり）
　あ、歌はもう言うことないです。すごいですねー。

■カフェソング
　……いうこと、とくになし。（酷）
　だってここのアンジョルラスとグランテールなんて、敢えて言わなくてもお約束なんですもの……ええ、仲良く肩に肘載せてましたよ。
　はい、ここはもうマリウスより後のバルジャンです。自分の過去を告白し、「逢えば別れが辛い」と別れを告げながら、彼はずっとマリウスの胸にすがるように顔を伏せていました。
　……泣けた。基本的にあんまりバルジャンを好きではない私ですが、これは泣けた！！　去り際抱き締めていきましたしね。くぅっ！！

■結婚式
　えっと……よく見ると招待客の中にマリウスと親しそうな若い男性が結構いるのですが、彼らはひょっとして学生諸君の幽霊ですか？　いや、マリウスの友達ってあのバリケードでかなり死んでると思うんだけど、無関係の人たち？
　テナルディエ夫人がひっくり返って下着丸見えになるのはお約束でしたのね。でもって、夫が妻のスカートの中に隠れるのは森マダムのお約束なのでしょうか？　しみじみと、笑いまくりました。

■エピローグ
　ううっ、エポニーヌが綺麗なのが一番泣けるよー。ま、この辺に来ると何も考えずに感動の渦に身をまかせていればいいので楽ですねえ。こういうところで細かいアドリブをする役者もいないでしょうし。
　しかし泣けたなあ。前にも書いた気がしますが、死んだとき神々しい白いライトが当たる演出、綺麗ですよねー。

■カーテンコール
　記念すべきお花ゲット！！　うわーい！！　今までさんざん愛のないコメント書いてごめんなさい、ありがとうコゼット！！（お前な）
　まあ正確にはキャッチしたんじゃなくて足下に落ちたのをすかさず拾ったんですが。とにかく、わーい！

　……岡ジャヴェールは脱ぐという噂は本当でした。（爆）
　ついでに、エポニーヌとテナルディエまで上着を脱いでいたのですが……そして、エポニーヌはどうもジャヴェールに脱がされたように見受けられたのですが私の偏見でしょうか？！
　スタンディングしました。勢いで「ブラボー」とか叫んできました。いやあ、素晴らしかったですよー。
　カーテンコールラスト、全員はけていった中で最期に残ったバルジャンが、投げキッスを飛ばした上くるっとジャンプして後ろを向き、笑いを取っていました。何かに似ていると思ったのですが、分かりましたあいつですあいつラム・タム・タガー。
　……くそ、また猫を観たくなったじゃないか！！　……と、無茶を言って終わります。

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