美女と野獣 ２００４年２月７日（土）昼公演１３：００〜
京都劇場 ２階Ｂ席
ビースト
モリース
ルミエール
コッグスワース
タンス夫人
ムッシュー・ダルク：佐野正幸
：松下武史
：渋谷智也
：古谷昭雄
：秋山知子
：高桑満ベル
ガストン
ルフウ
ミセス・ポット
バベット
チップ：秋本みな子
：宮川政洋
：明戸信吾
：原田真理
：井田安寿
：岸本美香
＜男性アンサンブル＞
大谷健 石野喜一 中村匠 岡本繁治 上出匡高
鈴木孝紀 塚下兼吾 長清智 岡崎克哉＜女性アンサンブル＞
木下真美子 大徳朋子 高須麻友美 西内いず美
曲木佐和子 笹倉舞 西田玲美奈 鈴木さおり
野村仁美 出海愛
お久しぶりの『美女と野獣』。半年以上前に観たときとかなりキャストが変わっていました。一度観てみたかった佐野さんビーストが観られて満足満足です。
というわけで、今回はキャスト感想で行こうと思います。
■ベル：秋本みな子
これまで観たベル（たって三人目くらいだけど）の中で、飛び抜けて演技がお上手でした。歌もすごかったけど、演技力はほんと素人目にも群を抜いておられたかと。
非常に大人っぽく落ち着きがあり、頭の良さそうなベル。そして強い。「変わり者」と言われ、他人と違うことの孤独というものをちゃんと表現しておられるところも良いですね。パパに慰められて一瞬涙拭いたのがものすごくよかったです。
そして彼女についてひとつ疑問。モリースの言うベルの「才能」って何でしょう？ ……調教？（オイ）
しかし、どこからどう見ても野獣をリードしているのは彼女であり、今後もこの調子で行きそうなことはもう目に見えている感じです。恋人同士と言うよりは仲のよい姉と弟のようですが。
■ビースト：佐野正幸
一言で言うと……可愛い。
とにかく子どもっぽくて可愛い。思わず「坊や」と呼びたくなる（「ボク」でも可）。頭なでなでしたくなる。しっぽ引っ張ってあげたくなる（それはよせ）。そんな野獣君でした。
しかしこの人、ほんと王子様のくせにどういう躾受けてきたんですかね？ 階段はちゃんと上りなさい。まわりもさあ、わがままに育てた以前の問題として服くらいちゃんと着るように教えとけよ。
しかし可愛かった。「ピンクだ」にあれだけ笑いが出たのは初めてだったし……食事に誘ってもらってガッツポーズしてたし……この子歳いくつなのかしら。ルミエールとコッグスワースにけしかけられつつどきどきしてるシーンなど、本気でいつの時代の初恋純情中坊男子かと思いましたよ。可愛いったらありゃしない。
とにかく、大人っぽい秋本ベルとは実に良いカップルだと思います。まさに割れ鍋に綴じ蓋。（褒め言葉か？これ）
そしてもうひとつ。プロローグのシーンでの彼を見て心から思い、さらにラスト王子様に戻ったお姿を見てしみじみと思った。………長髪似合わねぇッ！！（笑）
■ガストン：宮川政洋
顔は普通にハンサムで、背も高くて体格よくてかっこいい……のですが……。
どうも台詞が聞き取りにくく、特に前半は迫力に欠けていたように思います。何かねえ。単なる頭の悪い筋肉あんちゃんみたいなのよ。以前見たときはこんなじゃなかったのになー。もうちょっと何とか……
後半の、はっきり「悪役」な役回りが出てきた辺りでは割とよかったので、前半調子が悪かっただけかもしれませんが。「端から見てるとその怪物に惚れてるみたいだぜ」あたりの悪っぷりはなかなかの凄味でしたよ。こいつ、使い方は間違ってるけど頭は悪くないんだよな。バカだけど。
やっぱり、ルフウに食われてたのかしら？（禁句）
■ルフウ：明戸信吾
すごかった。すごいと聞いてはいましたが、いや噂に違わぬものすごい存在感です。ガストン食いまくってるし！！（笑）
『ガストン』のシーン、どう見ても彼の方が目立っていました。と言うか、彼が主役でした。がんばれガストンと言うべきか、ルフウがすごすぎると言うべきか。あかん、ガストン完全に遊ばれてます。
いや本当に、これ以上ごちゃごちゃ書く必要もなかろうと言うほどすごかったです。隅から隅までお見事でした。
……観られてよかったー。
■ルミエール・コッグスワース・ミセス・ポット他
召使いの皆様まとめちゃってごめんなさい……。いやー文句なしです。こういう脇の重要なところをしっかり固めていただけると本当に嬉しいですね。実に楽しかったです。「ビー・アワ・ゲスト」のシーンで、バックに飛び散るハートマークを見ながら「どこのラブホだここは」と思ってしまった私を許してください。（これが締めか……）
野獣があまりにも可愛らしい（１０代前半といわれても違和感ない）せいか、ベルがやたらと大人っぽいせいか、はたまたその両方故なのか、恋人同士と言うよりは仲良し姉弟に見えるカップルでありました。
実際、野獣はともかくベルの方の感情は微妙だと思うのです。ぎりぎりまで家族に近い愛情だったのではないかと……まあガストンに「その怪物に惚れてるみたい」と言われて否定しないということは、ある程度自覚しているのかもしれませんが。
……とりあえず、ベルが狼に襲われたところを野獣が助けたところから始まる急接近を見て、「吊り橋効果」などという心理学用語を思い出してしまった私はやはりラブストーリーを見る資格がない人間のような気がします。……やれやれ。
お読みいただき有難うございました。
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