アイーダ ２００４年５月１１日（火）夜公演１８：３０〜
大阪ＭＢＳ劇場 一階Ｓ席
アイーダ
ラダメス
ゾーザー
ファラオ：濱田 めぐみ
：福井 晶一
：飯野 おさみ
：岩下 浩
アムネリス
メレブ
アモナスロ
ネヘブカ：森川 美穂
：山添 巧
：川原 洋一郎
：石倉 康子
＜男性アンサンブル＞
広瀬 幹夫 竹原 大祥 秋山 光二 影山 徹 吉元 和彦
宮河 愛一郎 ショーン・Ｒ・ペリー 登阪 良樹
＜女性アンサンブル＞
村井 まり子 山崎 ゆみ子 遠藤 瑠美子 柴田 桃子 井上 麻美
上延 綾 田邊 杏奈
福井ラダメス再び。やはり色気がないのか、濱田アイーダとだとどうなるのか、非常に楽しみにしておりました。
個人的に、結構可愛い系の樋口アイーダより気の強〜い濱田アイーダの方が合うような気がしていたので見られて嬉しいです。
いやあ、濱田さん、何だかとっても感情表現が豊かになっておられて素敵でしたねえ……。気丈な王女様の顔と恋する女性の顔がどちらもとてもきれいに出てきて、実に実に素晴らしいです。あーもう、惚れるよほんと。
さらに、森川アムネリスがさらに良くなっておいででして。この方、思わず胸に目が行ってしまう豊満なスタイル（何を見てるんだ自分……）もよろしいですが、可愛いわがまま王女様な演技の割に歌い方が非常に力強くてかっこよく、どうしても「女王様」とお呼びしたくなる貫禄がございます。男前のアムネリスってのもいいものですねえ。
………え？ ラダメス？
……………その………アイーダとアムネリスがふたりとも大変にかっこよく男前であらせられるため、なんて言うかラダメス、影が薄……（げほげほ）
福井ラダメスって優等生だから……おとなしいんですよう。め、目立たねぇ……！！（笑） 顔と声はホント、文句なしに美形なんですけどねえ。その文句の付けようのなさがアクのなさに繋がっておりますなこのお方は。まあ、それも味か……。
でも、何だか情感が出てきたように思います。色気は、やっぱりあんまり（「全然、だ」とふたばが横で言っています）無かったけど。相変わらず阿久津ラダメスと比べるとカル○スの原液と蒸留水くらいの濃度差があるけど、結構これはこれで好きな自分が不思議です。しかし最近、ラダメスにツッコむ意欲が薄れてきたのは何故だろう？（そんなもんは最初から無くてよろしい）
■プロローグ〜愛の物語
今回の席、前から五番目でした。前日にチケット見て気付いたんですけどね。かなり下手寄りではありますが、登場人物の顔がよく見えるー。ラダメスハンサムやー。
……何を見に行ったのやら。いや、近くで見ると本当にかっこいいですよこの方は。ええ。ハンサムに興味のない私ですが、素直に思いますよ。
で、アイーダは普通に美しいから良いとして、アムネリスですね。やっぱり森川アムネリスは歌がかっこいい！！ 力強い迫力のある歌い方に惚れ惚れします。前回も良かったけど、さらに良くなってる気がする……素晴らしい！！
■勝利微笑む
うーむ、やはり優等生っぽいラダメスですねえ。あ、今更ですが、福井ラダメスは「エリート」というより「優等生」ということで私、理解しました。この方が性格的な面を的確に表現していると思います。
歌はさすがの美声（この人、これ、天然なのかなあ……だとしたらうらやましいなあ）に加えてかなり上手くなってるし、将軍としての貫禄は結構出てきたように思います。ただし、やはりとてもとても真面目。ファラオ（とパパ）に命じられた通り、きっちりお仕事こなしてます、って感じですね。
そして、反抗しようとしたアイーダに「俺にもっといい考えがある」と言う言い方、なんだか怒っているように聞こえました。「よくも我が軍の兵士を傷つけたな」みたいなつもり？ ……将軍様……真面目ですね、ほんと………
■あの日は遠くに
ラダメスの演技、以前見た時と結構変わった部分があったんですが、ここが特にそうでしたね。
「これから何をするか……分かるな」
と、やけに溜めをたっぷり入れて言い、バカにしたように笑って「お前に戦の垢を落としてもらうのさ」……前回の「じゃあ、体洗ってね。はいこれ道具、よろしく」的淡泊さに比べると随分嫌味な感じになっていたように思います。
しかし、それでも色気方面のニュアンスを全く感じさせなかったのは、 一体何故なのでしょうか？ 阿久津ラダメスは本当にやる気はなくてもそういう風に聞こえる言い方をして、 アイーダが怯えるのを面白がっているように見えた（嫌な奴……）のですが……福井ラダメスは絶対、欠片も考えてないですね。そういうやり方があるということ自体、この人知らないんじゃないかしら……。 な、何者……？（笑）
ただ単に、「体を洗わせる」ということが彼女に対して侮辱になると思うから、やらせようというだけに見える。うーん。いや、下品なことを考えろとは言わないのですが、こういうシーンですらこうも清純であるというのは如何なものなのでしょうか成人男子として。いや、いいけど。
それにしてもアイーダ、洗い方怖いですねー。五列目までがっしがっしとこする音が聞こえて来ますからね、多分ラダメスは相当痛いのではないかと（笑）
で、歌は文句なしなので何も言いません。アイーダかっこいいなあｖ
■ピラミッドを建てよう
おやっさんかっこい（もういい！！）
……はい。いい加減強制終了させましょう。私、このフレーズ一体何回書いたんだ。かっこいいのは事実ですが。
しかし、このラダメスは「権力を手に入れる」だとか「世界を我が手に」だとかいった野心は全くなさそうで、誉められて素直に嬉しそうにしているだけなので、がんばるゾーザーの努力がものすごく虚しいものに見えて笑えます（笑うなよ）。とっても楽しそうに歌っておいでですけどねえ……
これだけの人数を抱き込んで陰謀に加担させ、従えられるカリスマをちゃんと感じさせてくれるだけに何とも。ははは（笑うなよ）。
ちょっと気になること。エジプトの港に船が着いたとき、捕虜たちをひとりひとり記録しているらしい人がいるのですが、この人が使っている筆記用具、 何なんでしょう？ 何だかものすごく細長い棒のようなものに見えるのですよ。この時代の記録媒体って、やっぱりパピルス？ それとも羊皮紙？ 何で書いてたん でしょう？ 誰か教えて（調べろ）。
■私は知っている
だから、そんな巨大な態度がごく自然に似合っていながら「ただの奴隷です」なんて言ったって、誰も信じないって……。メレブが大声で連呼しなくても、バレるのは時間の問題に思えるのは私だけでしょうか？
でも、山添メレブの演技が本当に良くなっている（歌もどんどん上手くなってるー）のでオッケーです。
ふたばが、このシーンで「私はヌビア人です。これからもずっと」と言うメレブに対してアイーダが「もちろんよ」と答えるのが大好きだと主張しております。 確かに、「分かってるわ」とでも言うならともかく「もちろんよ」ですからねえ。これはやはり、「王女様」でなければ言えない台詞でしょう。
■お洒落は私の切り札
アムネリス可愛いｖ 森川アムネリスいいですねえ。なんだかすごく良くなっていらっしゃいますよー、演技のわざとらしさが消えて可愛らしさに見えるようになっておいでです。
無邪気で天真爛漫でありながら、同時に自然な気位の高さを感じさせる王女様。こういうアムネリスもいいですね！
そして森川さんは結構むっちりした体型でいらっしゃいますもので、毎度胸に目が惹き付けられて以下略。眼福ですわ。半分分けて……（黙れ）
■晩餐〜勝利微笑むリプライズ〜儚い喜び
いやあ、福井ラダメスは本当に似合いますね、真っ赤なロングスカート。ところであの衣装、どなたがデザインなさってるんですか？ 斬新ですよね、アムネリスのウェディングドレスとか。
そして、ファラオ様。声が無茶苦茶渋くていらっしゃいますね。個人的に非常に好みの声（たまもは男女問わず低い声がとても好きですｖ）なのですが……ちと渋すぎて年寄りくさいです（笑）。病気（というか毒）の前に老衰で逝きそう（問題表現）。アムネリスは一体、彼がいくつのときの子だ？
そしてラダメス。真面目なお方。そして明らかに、最初からアイーダに迫力負けしておられます。将軍閣下、それってどうなんですか？！（笑）
しかし今回、ラダメスの叱られ方に本気で「可愛い……」と思ってしまった自分がかなりヤバい気がします。
だって、「自分の運命が気に入らないなら変えればいい！」と言われて、本気で愕然としている風なんですもの。本気で、この時初めて「押し付けられた気に入らない運命を自分の意志で変える」という選択肢があることに気付いた感じなんですもの！！ お前、いくつだよ？！（爆笑） 中学生か？！
………あんまり書くと福井氏ファンから刺されそうなのでこの辺で自粛致します。あ、歌は本当にお上手ですよねー！！（おざなり）
■お洒落は私の切り札リプライズ
ここでアイーダとアムネリスの間に愛を感じる私は……いや、これまで何度も書いたけど。
アムネリスが可愛くて仕方ありません。笑いも出ておりました。いいですなあ。
ついでに、前回「信じ続けるのです」といっていた歌詞、「信じ続けて欲しい」に戻ってました。おや？何だったんでしょう、あれ。ひょっとして、前回のが間違えたの……？
そしてラダメス。しみじみと思う、何故彼だとちっとも「口説いてる」ように聞こえないんでしょう？ 婚約者の寝室に入って「そういうつもりじゃ……」と言うのがマジに聞こえるのでしょう？ 「じゃあどういうつもり？！」と訊かれたら、 本気で「とりあえずアイーダと話したいからよそに行ってて欲しかっただけ」以外に答えられそうにないのは、いったい何故なの〜？！（笑）
………あ、脚の長さがどうのこうのは、今回意図的に考えないように目をやらないようにしておりましたのでノーコメントということでよろしくお願いいたしますね。
■ローブのダンス
あああああああかっこいいわぁ〜……。
今回席が近かったため、メレブの表情がよく見えて大変素敵でした。いいですね、とにかくアイーダを引っ張り込もうとする意志がひしひしと伝わってきて。 一見敵国の将軍に仕えながら上手くやってる調子の良いごますり上手というキャラクターでありながら、ここで見せた真摯な表情はよかったです。 「私は知っている」のシーンとはまた違う、思い詰めた表情が……湧くんだよ、いろいろと……（本音）
アイーダも感情の揺れがどんどん伝わってくるようになってますｖ 素敵だー。
■何かがおかしい
真面目やのうラダメス……。で、ラダメスがこうなもので、後ろで「あり得ない、彼は変わった……」とメレブが歌っているその言葉の意味が、「嘘やっ、あの人が恋愛？！ 冗談やろー？！」と聞こえ………ごめんなさい福井さん及びファンの方刺さないでください。
で。アクシデント発生。アイーダとアムネリスのソロが入りますよね。で、その歌詞は確か、
アイーダ：羨まないわ ふたりの愛を
アムネリス：何故いつもひとり 愛してくれるなら離れないで
……だったと思うのですが。
歌詞は何と言っていたか忘れたけど、アイーダが明らかに歌いすぎていました。何だか歌が音楽に合わなくなって、「あれっ？」と思った瞬間アムネリスが「愛してくれるなら……」から歌い出しました。おーい！（笑）
こういうことも、あるのですねえ………。はっはっは。
■迷いつつ
真面目なお方……。やはり、彼は全て本気で言っておいでです！！ そして相変わらず色気なし！！ 皆無！！ 本気で薬にしたくてもない感じです！！（笑）
いや……ラブシーンのぎこちなさはだいぶ緩和されたかと思うのですがね。 あんたそれはヤバいやろと言いたくなるくらいベタベタ触りまくる阿久津ラダメス（あの人の場合は見てるこっちが目のやり場に困るんだが）を見た後で見ると、ほんと触れてるだけ。 なんて清らか。多分抱き合うより先には進めてないでしょう。やれやれ。
むしろアイーダの方がリードしているように見える……って、いくら何でもこの設定と展開でそれはマズかろうよラダメス様！！
歌は文句なしです。お互いに力強くていい声ですね。見てみたかった組み合わせで嬉しゅうございました。……しかし、それにしても、色気………（しつこい）
■神が愛するヌビア
歌がすごいです。どんどんすごくなっています！！ あーもうそれしか言うことなし。素晴らしかったです！！
■どうしたらいい
うーん、きれいな三重唱ですねｖ ……なのですが、このアイーダとアムネリスはどちらも声が力強く凛々しいため、ラダメスが何というかその……地味というかおとなしいというか後ろに引っ込んでる感じでございました。立ち位置もそうだけど。
まあ、ミュージカル版『アイーダ』は、この女性ふたりこそが主人公であると思われますので、ラダメスのこのポジションは間違っちゃいないのかもしれません。（ってオイ……）
■人生の苦しみ
泣けますわ。ほんと、濱田アイーダ情感が豊かになったなあ……
迷い方に悲壮感がどんどん増してきてましてねー、めちゃくちゃ泣けます。というわけでツッコミどころなし再び。はぁ……（うっとり）
■この父にしてこの子あり
ラダメスって真面目だねえ。いや、しつこいですけど。この人の場合、父ちゃんへの態度が完全に「優等生の反乱」に見えます。本気で昔のホームドラマみたいですわ。観たことないけど。しかしまあ、普通そういうのは中学生止まりだと思うんですが……まあ、いいけど。
「お前のために苦労していろいろやってるんだ」と言い聞かせるゾーザーに、「そんなこと頼んでない」と言い返すラダメス。 ちょっと前に売れてた『親のこころ』（一万年堂出版刊）を読ませてあげたくなるような会話でありました。たまもはそんないかにもお涙頂戴感動押し売り路線なタイトルの本、 頼まれても読みませんが。
しかし、この情けない会話、周囲で歌い踊ってる部下の皆さんはどう思って聞いてるんでしょう？ ラダメスには本当に「権力欲しい」系の野心、なさそうだしなあ。「アホな親子……」とか思ってる人、ひとりかふたりくらいはいらっしゃるんと思うんですが。
■ラダメスの手紙〜私は知っているリプライズ
やはりこの男はマジで言って……いや、もう言いません。メレブの苦悩の方が面白いから良いです。ちょっと声詰まってたけど。
しかしまあ、どうフォローしようともこの男はこんな手紙悠長に書いてる暇があったらとっとと親父の悪事をファラオに垂れ込めと。 最悪でもとりあえずアムネリスとの結婚を壊すことは出来ると思うんですがね。ちなみに福井ラダメスの場合、そういう方向に頭が働かないらしいことが非常に素直に納得できるキャラクターであるため、 特に突っ込むべきでもないような気もします。ふう。
■星のさだめ
綺麗ですねえ……。デュエットばっちり、歌は文句なしです。あー、いいなあ。
そして、やはり濱田アイーダのきっぱりはっきりした「無理よ」がいいですね。
福井ラダメスは本気だからなあ。アイーダが一瞬でも「一緒に逃げよう」などと思おうものなら、この男はマジでナイルの中州に家建てますよ。 そして彼はそういう実際的な行動力はありそうなだけに、その生真面目な暴走をちょっと見てみたかった私がいたりします。（こらこら）
えーと、髪の毛にキスしてることに関しては、もう何も言いませんです。いや、阿久津ラダメスの血でも吸ってるかのような濃ゆ〜い首筋キスもいいけど、髪の毛にキスってのも見ようによっては結構儚げな色気が………ない、か？
■真実を見た
森川アムネリス、成長しておいでです。以前は前半のロック調の歌の迫力に比べ、この辺りのしっとりと歌い上げるタイプの歌はちょっと地味に思えたのですが、きれいになってますよ〜。素晴らしい。
しかし、本当に哀しげなところがなんとも。森川＜女王様＞アムネリスなら、「許さないわ裏切り者！」という方向に行っても良いような気がするんですが（いやストーリー変わるから）、あの気の強そうな彼女が哀しそうにしているところを見ると、ラダメスの罪深さがますますもって際立って……はい。ごめんなさい黙ります。
■婚礼〜桟橋
ラダメスさんへ。アイーダとアモナスロを逃がすために部下を動かせるなら、もうちょっと効率的に、巧妙に出来ませんか？ 「桟橋を包囲しろ、私が行くまで動くな」なんて、「なんで手出したらダメなんですか？」と聞き返されたらどう答えるつもりだったの？
アモナスロの脱走はラダメスも承知していたことですよね。アイーダははっきりそうとは言ってなかったかもしれないけど、あの言い方なら分かるでしょう。 だったら、その脱走がすぐに露見して、彼らが無事に離岸できるより先に追っ手がかかってしまう可能性も考慮しておけよと思うのは私だけ？
アイーダが持っていた通行証は結局利用しなかったのか（あ、利用したから桟橋まで行けたのかな）という疑問もあるのですが……ラダメスに彼らの脱出を手助けする気があるのなら、もうちょっと出来ることがあっただろうと私は激しく言いたい。
彼の中には「アイーダには無事逃げて故郷で幸せに暮らして欲しい」という気持ちと「彼女に去って欲しくない」という気持ちの両方があって、その葛藤の結果がこの半端さなのかもしれません。
そう考えるとちょっと可哀想かも。しかし、それなら何故もっと早くファラオに直訴………！！ まあ、言っても仕方ないか……
■裁き〜迷いつつリプライズ〜愛の物語リプライズ
アムネリスかっこいいです。やっぱり女王様ですわ。すでに貫禄が出ております！ でも一瞬哀しそうな顔をしてから裁きを下すのがとても素敵。いいわあ……
そして、ようやく居直ったアイーダに対して、ずっと下向いてるラダメスが大変可愛いです。君は一体何をそこまで落ち込んでるんだ？ 福井ラダメスならアムネリスに申し訳ないとか本気で思ってそうなんですけどね。
歌は文句なしです。はい、百回生まれ変わっても必ず見つけ出すでしょう、彼ならば・・・
エピローグで、見つめ合うふたりをみて、本当の「愛の物語」はここから始まるんだなと素直に思えましたね。綺麗だ。
以上、お読みいただき有り難うございました。