アイーダ ２００４年４月２０日（火）夜公演１８：３０〜
大阪ＭＢＳ劇場 一階Ｓ席
アイーダ
ラダメス
ゾーザー
ファラオ：濱田 めぐみ
：阿久津 陽一郎
：飯野 おさみ
：石原 義文アムネリス
メレブ
アモナスロ
ネヘブカ：森川 美穂
：山添 巧
：川原 洋一郎
：石倉 康子
＜男性アンサンブル＞
脇坂 真人 大塚 俊 秋山 光二 影山 徹 吉元 和彦
宮河 愛一郎 ショーン・Ｒ・ペリー 登阪 良樹
＜女性アンサンブル＞
村井 まり子 山崎 ゆみ子 一色 有希子 今井 美範 望月 秀美
梅原 美穂 田邊 杏奈
劇場に着いて初めて今回の席がえらくいい席であることに気付いた馬鹿が約一名。
一階の前から二番目ブロックの最前列、ほぼど真ん中。よろしゅうございましたよええ。
樋口アイーダ＆福井ラダメスは風のように去っていき、アイーダとラダメスは元通りに。しかし今回は、アムネリスがお初です。
やはりかなり違いましたね。一長一短あるのは佐渡アムネリスと同じですが。
しかし今回、阿久津ラダメスがかなり良い感じになっていたので、とても良い舞台であったと思いますですよ。
……というわけで、今回はキャスト感想で行きます。（敬称略）
■アイーダ（濱田めぐみ）
あああああ相変わらず凛々しくてかっこいいですねえ。ほんと、ラダメスなんぞよりよっぽど女にモテそうな（待てコラ） ………いや、真面目な話、濱田アイーダは男より女にモテるタイプだと思うのですが違うでしょうかね？ アムネリスとか見てると絶対そうだとしか（自主規制）
何だかラダメスへの想いが深くなっておられたような気がします。情感というのでしょうか。祖国と恋人に引き裂かれる苦しみが、すごく出ていていいですよー。
そして歌はやっぱりすごいの一言ですね。ただただ口開けて（見苦しいわ）聞き入るしかない圧倒的な声量、迫力、美しさ。本当にすごいです。
思わず「王女様」と呼んできたくなります。唯一の欠点は、あそこまでかっこよかったら「ただの奴隷です」なんて言っても説得力が全く感じられないことでしょうか……。
素で、「どこの世界にこんな態度のでかい奴隷がいるかっ！」と思ってしまった私をお許しください王女様。でも、何も知らないラダメスが「高貴な家の出」ではないかと疑うような雰囲気を隠しもせんと、そんなこと言い張ったって誰も信じませんて〜。
■アムネリス（森川美穂）
歌が良いとのことなので楽しみでした。
まあ……「お姫様」的な気品というか、ハイソサエティな雰囲気はあまりなかったのですが、歌は確かに良かったです。一幕の『愛の物語』、 曲調が激しく変わった後（「時は古代エジプト……」から後）、佐渡さんはやや歌い辛そうになるのですが、この辺りはお見事であったかと。声量あってすごいです。 またマントをバサッと翻す様がかっこいいのですよｖ
地声は可愛いのですが歌声はしっかりとした芯の太い感じで、「姫君」じゃないんだけど「女王様」の雰囲気はあったかと思います。
一幕では、非常に子どもっぽく素直で可愛い、分かりやすくわがままきゃぴきゃぴな女の子、という感じでした。て言うか、可愛かった……。「誰か私に説明してちょうだい！」とふくれてみせるところなど、ちょっと大げさ（つか演技が大味……）な感じはあるけどめちゃくちゃ可愛かった。
ただ、この辺りではラダメスへの思いが本当に子どもの感情に見えました。「大きくなったらラダメスのお嫁さんになるの！」ていうアレ。
二幕に入るとかなりおとなしく、あまり特筆すべきことがないのですが、『どうしたらいい』で歌い終わって他のふたりの歌を聴いている間、顔を伏せていたのが何だか切なくて良かった……ｖ
ラストの「我こそイシスの神の娘。その命令である！」は、やはりかっこいいです。兵士に「その手を放しなさい！」と言う言い方なども、 実に威厳がありましてすでに女王の貫禄が。ただ、佐渡さんのように「女神」には見えませんでしたね。現世では間違いなくいい女王様になりそうです。
一幕での幼さと後半のかっこよさのギャップは佐渡さん以上で、なかなか好きです。
■ラダメス（阿久津陽一郎）
どどどどどうしちゃったんだらだやん？！ なんだか普通にかっこいいじゃないか！！ 一体何があったんだ？！
………のっけから無礼な発言をいたしました。申し訳ございません。しかしこれ本音……
まあ、何があったって、福井ラダメスをはさんだせいなのでしょうねえ？ なんだか良い感じになってましたよー、優しそうになって。 ムカつき度は下がってましたね。その分ヘタレ度と天然ボケ度が上がったような気もしますが……（コラ）エジプトに帰ってきてゾーザーと顔合わせた時の仲良しっぷりは、思わず「ぽち」と呼びたくなる可愛らしさでありましたことよ。
いやあ。この席、ほぼど真ん中なもので、『勝利微笑む』で歌うラダメスが真正面に来るのですよ。でまあ、よく見えました。それはもう心の底から楽しそうに歌っている彼の顔が。楽しくって楽しくってたまらない、という感じ。
こいつ……本物の天然だ……
そして、やはり阿久津ラダメスは濃いぃいいラヴシーンを見せてくださるのでした。いやー、そうよねラブシーンはこうですよねー。 「ラダメスの手紙」も「ラブレターとはこう書くもの」って感じでしたし。いや普通はあそこまでやらんでも良いけど。 改めて、福井ラダメスがいかに淡泊だったかを認識致しました。
『星のさだめ』のシーンも、ちゃんとアイーダの首筋にキスしてたしな……。いやあ、前回書き忘れたんですけど、福井ラダメスは髪の毛にキスしてたんですよねえ……（笑）
■メレブ（山添巧）
なんだか演技が細かくなっていたような気が致します。いいですねー。
エジプトに到着したアイーダたちの方、ずっと見てましたね。で、明らかに気付いた様子を見せていましたね。ええ思わず観察してしまいましたよ。
歌も良くなっていらっしゃいましたｖ 正直かなり好きです。後はもうちょっと、台詞回しを……ッ！！（笑）
■ゾーザー（飯野おさみ）
かっこいいわぁあああああ！！！（しつこいっつの）
いやあ、相変わらず悪のカリスマオーラがバシバシ出てますね。素敵ですわ宰相様！！ 私がアムネリスなら、いっそのことあんなヘタレ将軍は奴隷女にやっちゃってこの方と……（やめなさい）
ああ……これだけかっこいいだけにやってる悪事の普通っぽさが何だか哀しい。どうせやるならもうちょっとこう、徹底的にやって欲しいではありませんか。 いや、悪事に徹底を求めるのはどうかとは思うけど、息子がアレだと思うと、なんだか一生懸命権力把握に奔走するお父やんが不憫になってくるんですもの…… （オイ……）
ああそれにしてもかっこよかった。好きだ、ゾーザー様！
福井ラダメスの淡泊さを見た後だからなのか、阿久津ラダメスの濃さが何とも言えませんでした。喩えるならば、関西風きつねうどんと博多風とんこつラーメン。いや、むしろ伊勢うどんか………あるいは、お茶漬けさらさらとフランス料理フルコースか（満漢全席でも可）。
結論を先に申しますと、私、どちらもかなり好きです。
いや、キャラとしてはもう全身これツッコミどころだわ阿呆だわダメ男だわという惨憺たる状態ですが、演技として。しかし、本気で同じ人物とは思えんな、ここまで違うと。
以上、お読みいただき有り難うございました。