アイーダＣＤ感想
■ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤
基本形。それぞれのキャラクターのイメージもこのＣＤの影響が強いです。（ビジュアルは別ですが）
まずはアイーダ。
さすがオリジナル。ヘザー＝ヘッドリーのアイーダは凄いっすね。声の力強さ、歌唱力、どれもこれも素晴らしいです。開幕前にはＣＭでもかなり流れましたので、ご覧になった方も多いでしょう。彼女の「ローブのダンス」と「人生の苦しみ」は筆舌尽くしがたいです、はい。あ、「神が愛したヌビア」も。どっからあんな声が出るんだ…。
ただ、レコーディングだから無理もないとは思うけど、台詞がどうも単調に聞こえるのは残念ですが…。
お次、アムネリス。
高貴なお姫様です。基本的に可愛い声の方だと思うんですが（「お洒落は私の切り札」がもうそりゃあ可愛いんですよ）、一幕最初や二幕は実に力強く格好良い。しかも美しい。このアムネリスは、本当に上手いです。言うことなし、ですかね。（言うことなしなので短い）
アイーダとアムネリスの「お洒落は私の切り札：リプライズ」は、そりゃもう美しいです。
ラダメスは、阿久津さんラダメスです。
いやあのすみません、でもそう言いたくなるくらい、印象が似ています。声も歌い方も、受ける印象も本当に似ている。（歌詞カードに載っている写真を見る限り顔は似ていないが）
歌唱力はこっちが上だと思いますが（高音が普通に綺麗だし、穏やかな歌い方が上手いと思う）、とりあえず全体のイメージとしては＜阿久津さんラダメスが英語で歌ってる＞でそんなに間違っていないでしょう。（と言うか、阿久津さんラダメスがオリジナルラダメスに近いわけですな）
ただ、最初の「勝利目指して」はもっと単純な「ああ楽しい！」という雰囲気があっても良いように思えました。
ゾーザー。
ちょっと声が若いです。この声じゃ、ラダメスのお父ちゃんというより、お兄ちゃんですな。「父に従え」が兄弟喧嘩だ。歌は上手いです。その点は文句なし。声だけがちょっと…って感じです。
大臣達のかけ声が楽しい「ピラミッドを建てよう」は非常に気に入りのナンバーです。
メレブ。
歌詞カードに写真がないのが惜しいなぁ（アルプとか見ようよ）。普通にお上手です。声がちょっと太めでしょうか。
ネヘブカ。
上手い。声に迫力があって、それだけなら今井さんネヘブカ風ですが、歌はこっちが断然上手い。高音が奇麗でかつ迫力があります。
■オランダ・オリジナル・キャスト盤
まずお断りしておきますが、オランダ語なんて分かりませんです。歌詞カードも付いてはいますが、さっぱりです。
このＣＤのアイーダは可愛いです。声がものすごく可愛い上に、ちょっと幼い雰囲気。樋口さんアイーダみたいな感じですかね。しかし、声量がすごくあって、迫力に欠けるということはありません。高音が綺麗だなー。写真を見ると、お顔は可愛い感じの方なんですが、二の腕などはかなりたくましいですな。
アムネリスはとても綺麗な声で、お姉さんっぽいです。しかも格好良い。最初の「愛の物語」で、曲調が変わるあたりは素晴らしいの一言です。ただ、最初からかなりしっかり者という雰囲気が強く、「おしゃれは私の切り札」も、あまり可愛いきゃぴきゃぴ娘という感じはしません。そのぶん、二幕は迫力満点。非常に良いです。
で、ラダメスは金髪です（いきなりなにを書いているのだ）。声は明るく、阿久津さんラダメス風。全体の雰囲気も阿久津さんラダメス風。明るくて単純そうなタイプだと思います。
ラダメスという人物は、ＢＷオリジナルＣＤでもそうですし、阿久津さんラダメス風の、明るくて「冒険大好き！ 知らないところに分け入っていくの大好き！ ああなんて楽しいんだ、この先にはなにが待っているんだろう！！」と、それしか頭にないようなのがスタンダードなんでしょうね。
で、ちょっと文句つけたいのはゾーザー様です。声が若すぎる。ＢＷキャストと同じくですね。ラダメスと一緒に歌ってたら、どっちがラダメスやら分からんわ。歌は上手いですけども。写真で見る限り、良い感じのおっちゃんなのになぁ。
メレブは若々しい良い声です。ちょっと生真面目な雰囲気。まあ、演技までは見えないからね。写真で見ると、若いけどけっこうでっかいですね。ああ、でも横に並んでるアイーダはかなり小さそうだからなぁ。
ネヘブカは非常に上手いです。手持ちの３種類のうち一番かもしれん。ただ、「ローブのダンス」での彼女が歌う箇所はえらい巻き舌が多く、ちょっと笑えます。
コーラスなどは全体的に綺麗だと思います。
■劇団四季オリジナル盤
アイーダが濱田さんで、ラダメスが阿久津さんで、アムネリスが佐渡さんで、メレブが山添さんで、ゾーザーが飯野さん、ネヘブカは石倉さん、と。メインのキャストはこんなもんです。
言うことなしなのはアイーダの濱田さんとゾーザーの飯野さん。歌も声も、ゾーザーの渋さも格好良すぎです。
特に飯野さんのゾーザーは手持ちのうち一番です。渋いし上手いし格好良いですからね。声も良い。あの渋さは貴重ですね。
あと、山添さんメレブも良い感じ。
アムネリスの佐渡さんは、ＣＤで聞くにはちょっと辛いなぁと思います。すごくお上手なんですが、ＣＤで聞くと歌と歌い方が合ってない感じがします。佐渡さんアムネリスは、舞台だからこそあれだけ良いのではないかと。
阿久津さんラダメスは、ブロードウェイのラダメスが日本語で歌ってるよ！という印象ですね。（おいこら）
■ドイツ・キャスト
どなたもものすごく聞き取りやすい発音で歌っているので、ドイツ語が分かる方には面白いＣＤかもと思います。かくいう私ふたばはドイツ語はさっぱりです。
お店で手に取ったとき、ジャケットにあのホルスの目のロゴがなかったので（代わりにラダメスとアイーダのラブシーンの写真）、もしかして海賊版か？と思ったのですが、タイトルロゴはあるし(C)Disneyは書いてあるので正規のものなんでしょう。
中のブックレットを見ますと…おお、ゾーザー様、なんて渋くてステキなの！？ こういうのを苦み走ったいい男と言うんだよな！と声を大にして叫びたくなるような渋いおっちゃんです。
アムネリスは見た目ちょっとごつめ、でも美人です。
で、肝心要の歌です。
アイーダ、ハスキーで力強い声がイメージ通りです。しかしラブシーンでの声は可愛い。高音も奇麗だし、歌も上手いし、濱田さんアイーダがもうちょっと迫力を増したかんじでしょうか。「ローブのダンス」、「神の愛したヌビア」は素晴らしい迫力です。
アムネリスは声がきれいです。凛々しい女王としての歌は素晴らしいですが、弾けた歌はちょっと物足りない。すごくしっかり者のクールな女性といった印象です。
ラダメスはＢＷ盤や阿久津さんとよく似た、明るい性質の声です。やはりラダメスはこの系統なんだな。歌も上手。
ゾーザー様は…ううう、せっかく見た目は渋くてステキなのに、声はやっぱり若い。若いというか、ラダメスと声質が似ていてふたりのやりとりの部分がどうもメリハリに欠けるように思います。歌は上手です。
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